関与の産科医逮捕 余罪相当数か 中国メディアによると、逮捕された医師は7月16日、出産直後の女性(23)に対し「赤ちゃん(男児)は母体から伝染病を感染し、人と接触することも教育を受けることも不可能。先天的な病気もあり、治療を施しても3歳までしか生きられない。育てるのは親にとっても国にとっても大変な負担となるので、“死産”として処理した方がいい」などと偽り、治療を諦めて自分に処置を任せるよう説得した。
翌早朝、医師は新生児を2人の男女に2万1600元(約35万円)で売却し、新生児はその後、山東省や山西省などで繰り返し転売され、最終的に6万元で売られたという。
「伝染病」親だます
医師の対応に疑念を抱いた母親が別の病院で受診したところ、伝染病に感染していないと診断され、母親は赤ちゃんは医師によって売り飛ばされたと確信し、20日に警察に通報した。警察は8月4日、河南省で新生児を発見し、救出した。
警察にはこの医師の関与が疑われる十数件の同様の被害通報が寄せられており、警察はうち5件について本格的な捜査を始めた。また、9日までに、医師の供述から、誘拐されていた双子の女児が新たに保護された。医師は「8年前から新生児の売買にかかわっていた」と話しており、当局は、相当の余罪があるとみて調べを進めている。事件は今後、病院を舞台とした異例の連続誘拐・人身売買に発展する可能性がある。病院内の共犯者の有無や、医師の家族が事件について知っていたかどうかはまだ不明だが、陝西省の保健当局は病院長と幹部2人を解任した
人身売買の「需要」
男児を取り戻した両親は、ひざまずいて警察への感謝を示した。母親は中国メディアに「逮捕された医師は、農家の夫の父親と小学校の同級生で、いつもクラスで成績が一番の聡明な人と聞いていたので(医師が勤務する)病院を選んだ。信頼していたのに裏切られて悔しい」と話した。
中国では障害者への偏見や差別が根強く残っており、精神的・経済的な不安から、障害児が親に捨てられるケースが後を絶たない。今回の事件はこうした親の心理につけいった事情があるとみられる。
また、中国の農村部では、後継ぎなどとして子供が買われることがある。人身売買がなくならないのは、「需要」があることに加え、多くの場合、買い手が厳しい処罰を受けないことも理由として指摘されている。
「黒孩子(ヘイハイズ)」と呼ばれる戸籍のない子供が数千万人もいるとされる中国。子供にとって、受難の国である
翌早朝、医師は新生児を2人の男女に2万1600元(約35万円)で売却し、新生児はその後、山東省や山西省などで繰り返し転売され、最終的に6万元で売られたという。
「伝染病」親だます
医師の対応に疑念を抱いた母親が別の病院で受診したところ、伝染病に感染していないと診断され、母親は赤ちゃんは医師によって売り飛ばされたと確信し、20日に警察に通報した。警察は8月4日、河南省で新生児を発見し、救出した。
警察にはこの医師の関与が疑われる十数件の同様の被害通報が寄せられており、警察はうち5件について本格的な捜査を始めた。また、9日までに、医師の供述から、誘拐されていた双子の女児が新たに保護された。医師は「8年前から新生児の売買にかかわっていた」と話しており、当局は、相当の余罪があるとみて調べを進めている。事件は今後、病院を舞台とした異例の連続誘拐・人身売買に発展する可能性がある。病院内の共犯者の有無や、医師の家族が事件について知っていたかどうかはまだ不明だが、陝西省の保健当局は病院長と幹部2人を解任した
人身売買の「需要」
男児を取り戻した両親は、ひざまずいて警察への感謝を示した。母親は中国メディアに「逮捕された医師は、農家の夫の父親と小学校の同級生で、いつもクラスで成績が一番の聡明な人と聞いていたので(医師が勤務する)病院を選んだ。信頼していたのに裏切られて悔しい」と話した。
中国では障害者への偏見や差別が根強く残っており、精神的・経済的な不安から、障害児が親に捨てられるケースが後を絶たない。今回の事件はこうした親の心理につけいった事情があるとみられる。
また、中国の農村部では、後継ぎなどとして子供が買われることがある。人身売買がなくならないのは、「需要」があることに加え、多くの場合、買い手が厳しい処罰を受けないことも理由として指摘されている。
「黒孩子(ヘイハイズ)」と呼ばれる戸籍のない子供が数千万人もいるとされる中国。子供にとって、受難の国である