米国のラッセル国務次官補が、冷え込んだ日本と韓国との関係改善を狙い、3月上旬の両国歴訪を検討していることが16日、分かった。日米外交筋が明らかにした。米国はこれまで日韓の「仲介役」となることを避けてきたが、緊迫する北朝鮮情勢などを前に方針転換。まず日韓首脳会談を早期に再開させ、4月のオバマ米大統領の両国歴訪までに日米韓の足並みをそろえ直す考えだ。
「日本が隣国と良い関係を保つのは米国の利益にもなる。ラッセル次官補らが、今後数週間以内に(日韓関係の改善に)関与することになる」
ケリー米国務長官は13日、訪問先のソウルで尹(ユン)炳世(ビョンセ)外相との共同会見でこう述べ、米国として積極的に仲介役の役割を担う考えを示した。
日米外交筋によると、米側は慰安婦問題にこだわる韓国にいらだちを募らせており、何らかの仲裁案の用意まで示唆しているという。
米国はこれまで歴史問題をめぐる日韓の対立について「仲裁役にはならない」(バイデン副大統領)と積極的な関与を避けてきた。
しかし安倍晋三首相による昨年末の靖国神社参拝で、日韓関係は極度に悪化。この間、北朝鮮では原子炉を再稼働する動きが顕在化し、中国は防空識別圏(ADIZ)を拡大する構えをみせるなど、東アジア情勢は緊迫の度合いを増している。
ケリー氏は共同会見で「今は差し迫った安全保障上の懸念があり、歴史でなく現在の問題(が重要)」と指摘。米側の意向を受け、日本政府も伊原純一アジア大洋州局長が18日に韓国を訪れ、李(イ)相徳(サンドク)東北アジア局長らと会談を予定するなど、雪解けへ向けた動きを進めている。
「日本が隣国と良い関係を保つのは米国の利益にもなる。ラッセル次官補らが、今後数週間以内に(日韓関係の改善に)関与することになる」
ケリー米国務長官は13日、訪問先のソウルで尹(ユン)炳世(ビョンセ)外相との共同会見でこう述べ、米国として積極的に仲介役の役割を担う考えを示した。
日米外交筋によると、米側は慰安婦問題にこだわる韓国にいらだちを募らせており、何らかの仲裁案の用意まで示唆しているという。
米国はこれまで歴史問題をめぐる日韓の対立について「仲裁役にはならない」(バイデン副大統領)と積極的な関与を避けてきた。
しかし安倍晋三首相による昨年末の靖国神社参拝で、日韓関係は極度に悪化。この間、北朝鮮では原子炉を再稼働する動きが顕在化し、中国は防空識別圏(ADIZ)を拡大する構えをみせるなど、東アジア情勢は緊迫の度合いを増している。
ケリー氏は共同会見で「今は差し迫った安全保障上の懸念があり、歴史でなく現在の問題(が重要)」と指摘。米側の意向を受け、日本政府も伊原純一アジア大洋州局長が18日に韓国を訪れ、李(イ)相徳(サンドク)東北アジア局長らと会談を予定するなど、雪解けへ向けた動きを進めている。