透明人間たちのひとりごと

三国志的視点では

 ここ数年、内憂外患と危急存亡の秋(とき)が同居して、
それがいつしか常態化してしまったようです。

 まさに、こうした 国難オンパレードのような時期
に限って国内の政治状況は国益を度外視した党利党略
に私利私欲の花が咲き乱れるといった様相を呈するのが
常で、なんとも嘆かわしい限りです。

 内政に疲弊し四苦八苦する民主党政権の虚を衝くかの
ように周辺国家が暴れだしているというのに …

 ロシアのメドベージェフ首相が7月に北方領土(国後島)
を訪れた時には、野田政権は小沢一郎氏の離党問題に
揺れていました。

 韓国の李明博(イミョンバク)大統領の竹島への上陸の
時期は消費増税法案の対応に追われている最中でした。

 終戦記念日(8月15日)には香港の活動家たちが魚釣島
(尖閣諸島)に上陸しました。

 さらに8月27日には日本国駐中国大使(丹羽宇一郎氏)の
乗る公用車が中国人に襲撃され国旗(日の丸)が奪われる
という侮辱事件が起きたのです。

 北方領土竹島尖閣諸島。 ロシア、韓国
、中国が領有権めぐる問題で日本への対決姿勢を鮮明に
して、強気で揺さ振りをかけてきているというのに …

 反省もなく、毎回繰り返される衆院の解散時期をめぐる
政局がらみの混乱に加えて、不可解だったのは参院での
首相問責決議の可決に至るまでの顚末です。

 3党合意(民主・自民・公明)により成立した消費増税法
への反対を問責理由に入れているにもかかわらず、野党
の賛成多数(自民党は賛成、公明党は棄権)で可決した
8月29日の参院本会議での首相問責決議案の顚末とは…

 一体全体、何だったのか eq 首を傾げざるを得ません

 自己矛盾した愚行。 

 表面的には、そのように見えますが …

 史記や三国志などの十八史略的な視点から、少しばかり
穿(うが)った見方をしてみることにしましょう。

 自民党の谷垣総裁は、野田政権に対して、「マニフェスト
(政権公約)違反が多々あるうえに、外交などの基本が崩れ
、与党の中は液状化して物事が決められず、日本の課題に
対応する能力が限界に来ている」 と指摘して早期の衆院の
解散と総選挙を再三に渡り求めて来ました。

 この発言は野党の党首として当然と言えば当然ですが …

 実は、政権交代時の3年前から裏で画を描く策士がいたと
したらどうでしょうか。

 1年目は、交代したばかりで民主党の期待度も人気も高い
ので無理はしない。

 2年目は、SENGOKU38事件(尖閣問題)が起き
、民主党は外交音痴ぶりを露呈させることになるのです。

 このことは、中国政府とのこれまでの交渉経緯をキチンと
民主党に引き継がなかったというミスを装いながら、その裏
で尖閣での中国との関係を意図的に悪化させ重篤化させる
という自民党による国賊的な謀略すら疑われる事件でした。

 つまり、あの中国漁船の衝突事件は偶発的な出来事では
なかったのかもしれないということです。

 そして、仕上げの3年目です。

 最近になって民主党内で巻き起こっている一連の出来事
も影の シナリオライター の狙い通りに推移しているのだと
したらどうでしょうか。

 自民党にとって、おそらく数を恃(たの)むと脅威となる筈
の小沢一郎氏の一派を消費増税に絡めた離間の計
を用いて追い出します。

 そのうえで、消費増税案は野田内閣に協力して3党合意
で成立させる。

 その後、自民党をはじめ全野党を結集させて衆院と参院
で足並みをそろえて野田内閣に退陣を迫るのです。 

 衆院の内閣不信任案と参院の首相問責決議案の提出が
それらに該当する出来事です。

 衆院は民主党が過半数を維持しているので不信任案は
否決されるけど、参院は与野党逆転の中にある。

 そうして、誰が見ても矛盾だらけのなかで手のひらを返す
ように賛成票を投じることで問責は見事に可決するのです。

 しかも、問責理由にある外交の混乱も、その根っこは自ら
の引継ぎの際の不手際にあるわけですが、問責に賛成した
多数党のひとつには、民主党から追い出された小沢一郎氏
が率いる「国民の生活が第一 」も、しっかりとそこに名前を
連ねているのです。

 最早、数が減って牙を抜かれた民主党はライバル(脅威)
足りえず、国民に不人気な消費税の増税を野田内閣に主導
させて、その実を勝ち取った自民党は民主党政権を弱体化
させるだけでなく次期総選挙において、政権を奪回した後の
新内閣の負荷をも軽減させるという策を弄していたのです。

 本来ならば、こんなに単純で見え見えのシナリオが狡猾で
なる海千山千の世界で通じる筈もないのですが、三国志の
名場面のひとつである空城の計のように疑心が暗鬼を
生んで単純なことも複雑怪奇に思われたのかもしれません。

 ちなみに空城の計とは、第一次北伐で敗北し撤退を
余儀なくされた諸葛亮(孔明)の篭(こも)る小城に追撃する
司馬懿(仲達)が迫った際に、諸葛亮は城門を開いて城壁
の上で悠然と琴を弾き始めたのです。 

 これを見た司馬懿は伏兵を恐れて疑心暗鬼に陥り、
そのまま兵を引いたというのです。

 守るべき兵の数が足りずに絶体絶命の危機にあった孔明
に、仲達はまんまと騙されたというわけです。

 もっとも、他に、もっと適切な事例や似たような策略などの
謀(はかりごと)が十八史略のなかに、きっとある筈です。

 ただ、3年前に描いた画にはなかった想定外の出来事と
して、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」
次期衆院選で国政に進出して来ることが挙げられますが、
史記や三国志などの十八史略的な視点からはどんな場面
がそれに匹敵するのでしょうか。

 ひょっとすると、

 これで、魏・呉・蜀ならぬ自民・民主・維新の会の日本版
政治三国志(三党志)が始まるのかもしれません。

 さて、戯(たわ)けた ひとりごと は、この辺にして …

 政府が尖閣諸島を約20億5千万円で購入する売買契約で
地権者と合意したことを、本日(9月5日)、政府の関係者が
明らかにしました。

 上陸申請不許可のため、9月2日に尖閣購入の前提となる
洋上調査を実施した東京都に対して冷や水を浴びせた格好
の政府の対応に、またもや国民の不信感が増幅されたよう
にも感じます。

 中国に対して強硬姿勢を崩さない石原都知事が購入する
と日中関係が不安定になって、最悪の場合には一触即発の
恐れがあると判断した政府が購入を急いだのでしょうが …

 購入先が東京都であれ日本国であれ、領有権を主張する
中国や台湾の反発は必至な情勢にある以上、ここは政府も
腹を括る 覚悟 をもって何らかの設備の設営は最低程度
、必要ではないでしょうか。

 実効支配を強める意味で施設の造営をしないのであれば
、国有化をする意味はないに等しいわけですから …

 そうでもないと知らず知らずのうちに、日本の国利国益は
僅かずつながらも国民の目に見えない範囲で削り取られて
しまうような気がしてなりません。

 竹島上陸に関連して、韓国の李大統領は日本の国際社会
での影響力は 「昔ほどにはない」 と発言しました。

 エネルギー大国としてのロシアと急速に経済発展する中国
と韓国の3カ国は確実に経済力を増大させています。

 その一方で、東アジアでの日本の影響力は相対的に低下
していることも事実でしょう。

 だからと言って、最近のナメ られようは酷すぎます。

 そんなこんなの出来事の連続に 透明人間1号 は、
どうにも 理解合点 がいかないのです。

 現在の政治状況に怒りが込み上げてくるのです nose6anger 

 我慢の限界にあるわけです

 なかでも特に、一党独裁の中国政府は政権維持のもとに
歴史の真相を隠蔽するだけでなく自国民に対しても性懲りも
なく嘘に嘘を重ねた事実を捏造するのです

 だからこそ、そうした中国をはじめとする周辺各国からの
ちょっかいに対して、中長期的な展望をもって日本の国益の
ために深謀遠慮を巡らすといった戯けた ひとりごと
なかの諸葛孔明ような軍師が現れないものでしょうか

 そして、世界に中心などはなく、また世界のどこもが中心
だとも言える地球の中で我こそが唯一の中心だと勘違いを
している中国(中華思想)につける薬はないのでしょうか

 但し、暴走するのは、

 中国だけではありませんase2

 ロシア、韓国、アメリカ、シリア、そして、日本だって、  

 暴走する世界中の政治とメディア …

 確か、そう言えば 

 100年に満たない昔にも

 こんなことがあったそうな

コメント一覧

皮肉のアッコちゃん
古代ギリシャの時代から、いや、それ以前の有史以来からの
習性なんですよ。
嘘に嘘を塗り重ねる性は永久不滅なんです。陰謀渦巻く俗社会、それが人間界という世界なのです。
透明人間1号
第一次世界大戦前夜も、第二次大戦の頃も、太平洋戦争の前も
しかりです。 
いずれにしてもそう遠くない昔に政治とメディアの自主性と
独立性が保たれなかった時があったという程度の意味合いです。
ハテナくん
100年に満たない昔って、1914年のことをいっているんですか?
それとも、1939年或いは1941年を指しているのでしょうか?
寅太郎
透明人間さんとほとんど同意見です。
今回の自民党の問責賛成は客観的にも全く筋が通らない話だし、
その事に批判が集まるのも承知のうえで、敢えて手の平を返した
わけです。
それで国会は空転の開店休業状態となり通常国会は閉会となって
巷の興味も政界の流れも民主・自民両党の党首選に注がれること
になる。
まあ、筋書き通りですね。 誰とは言わんけど…
増税するなら民主党政権の時に決めてくれた方が自民党としては
都合がいいし、増税法案が通った以上、もう民主党には用がない。
こうなったら日本の為にも1秒でも早く解散して信を問うべきだ。
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