透明人間たちのひとりごと

横文字アレルギー

 なに、美人のモデルとコーチが共にウイーンに向かう …

 おいおい、無理矢理のこじつけも甚だしい。

 前回の 『日本語で話せっつうの!』 にある

― ビジネスモデルの構築が、共にウインウインの方向に ―

 … を、どう聞き間違えればそうなる わけ … … … 

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/119.html(参照)

 外来語(カタカナ語)の氾濫が、不愉快でけしからんという
透明人間2号の気持はわかる。

 だけど、突然に、聞き慣れない言葉を耳にしたら、たとえ、
それが日本語だったとしても、意味不明に感じることもある。

 ましてや、それが外国語由来の言葉ならなおさらのことで
、家庭の主婦やお年寄りには、何を言っているのかさっぱり
解らないという人も確かに多いことだろう。

 でも、理解出来なかったとしても困ることにはならない。

 なぜなら、たまたま、テレビラジオなどで、耳慣れない
横文字を聞いたというだけのことであって、普段の会話には
対象となる横文字や曖昧なカタカナ語は、まず登場しない。

 主婦やお年寄りの日常生活には関係ないからです。

 関係するようであれば、必要上、尋ねるか、調べるかして
事前にクリアにしておくものだし、仲間内や地域社会での
コミュニケーションを阻害する言動は、自らが疎外される
危険を招くものであることを経験的に知っています。

 そこは、小さな 村社会(コミュニティー)の中だからです。


 でも、一般社会は違います。

 ドドーッとばかりに容赦なく、しかも大量に押し寄せてくる
津波のような情報の波や渦に揉まれても、溺れるわけには
いかないのです。

 解らないからと、水を飲みアップアップと文句を言っても、
始まりません。波(外来語)は、次から次に押し寄せます。

 溺れたくなければ、泳ぐ(理解する)しかないのです。

 波(外来語)は、本来の意味をはずれ、時に、新しい渦
(拡大解釈、応用作用、概念変化など)を巻き起こします。

 例えば、先のクリアの部分は、相互に理解するように
という日本語に言い換えることもできますが…、

 ほかにもいろいろなニュアンスを含んでいて日本語では
説明し難いような微妙な意味合いを表現するのにうってつけ
の言葉になります。

 クリアだけで、はっきり、すっきり、キレイにすることから
やり直す(リセット)や敵の攻撃をかわす、障害を乗り越える
明快に理解するなど多岐にわたる利用が可能なのです。

 その意味からは、ここでの使用は、クリア=コンセンサス
(合意・共通理解)が成立しているわけですが、日本語だけ
ではそうは行きません。

 コミュニケーション(意思・情報の伝達)や、ニュアンス
(表現できないような微妙な意味合いや差異)にしても、
もともとの意味以上に周辺のいろいろな要素を加味して
いるわけで、ここまでの文面に使用したカタカナ語は…、

 (その辺りのことを慮って、こちらの真意を是が非にでも
汲み取っていただきたい)との思いで日本語(カタカナ語)
として使っているわけです。

 つまり、「お察し下さい」という極めて日本的で、うしろ向き
ながらも、実に便利な日本語(カタカナ表記)として個人的に
は認知をしているのです。


 言葉は、生き物 です。  だから、その時代、時代の
要請(現代風に言えば、グローバル化する流れのなか)で、
必然的に外来語(カタカナ語)が溢れ出し、大きなうねりと
なって氾濫しているかのように感じるけれど…

 言葉とは、そうした長い歴史の変遷を経て、さまざま
な言語が融合し、あまたの変化を繰り返して、徐々に時間
をかけて自国語として定着するわけで、要は、使用頻度と
認知度の問題なのです。

 そもそも、公官庁の公式文書のみならず、マス・メディア
(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌など)のほか、政治、経済、医療
ファッション、音楽、広告、技術革新など… あらゆる分野で
大量使用されている事実は否定の仕様もなく、厳然たること
として受け入れるしかないのです。


 ところで、「NHKアーカイブス」という番組を知ったとき、
アーカイブスとは、何のことかまったくわかりませんでした。

 それが、文書や記録などの保管場所=書庫、公文書館を
意味すると知ったのは、しばらく経ってからのことで、実は…

 「NHKアーカイブス」という建物が、埼玉にはある
のです。
 
 天下の公共放送を自認する NHK からして、 ん?
何だ!というようなカタカナ語を使う時代なのです。


 ただ、日本の公共放送と自ら謳うのならば、その建物には
 「日本放送協会公式映像記録保存会館」とでも命名して
いただきたかったものですが…。

 えぇ、「長すぎる」って、ならば、「NHK映像記録館」
「NHK記録保存館」ではどうでしょう。

 悪くはないですね。 でも、「NHKアーカイブス」なのです。

   (正しくは、アーカイブ なのですが…)

 だから、英語的には確かにそうだけど、NHK式造語では
アーカイブス が日本語なのです。


 さて、カタカナ語の洪水には苦情が殺到のようですが、
外来語はなるべく既存の言葉に置き換えて表現すべきで
あることには、誰しも異論はないはずです。

 ただ、合致する言葉が見つからなかったり、上記のように
既存の意味を包含して幅広く応用することで、新しい意味を
持ったカタカナ語としての概念が生まれるのならば、それは
それで、立派な日本語だといってもいいと思うのです。


 実際のところ、カタカナ語を使わずに会話をしようとしても、
なかなか上手く出来るものではないですよ。

 横文字アレルギーとばかりに毛嫌いするのは、
もはや、現実的ではありません。

 ちなみに、カタカナ語を一切使わずに、サッカーの話を
してみて下さい。

 きっと、アレルギーどころか、ヒステリーを起こすこと
請け合いです。


 … 混乱して神経衰弱する前に終わります。

コメント一覧

都会人の田舎暮らし
それにしても、都知事の小池百合子には自粛をお願いたい。

もちろん、横文字の使用とメディアへの露出についてだ!
アスタリスク
一時、流行っても自然に淘汰されて使われなくなるカタカナ語
も多いし、やっぱり使用頻度と認知度の問題ですね。
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