透明人間たちのひとりごと

あり得る出来事

 007やアクション系の洋画を観ていると、敵のアジト
(隠れ家)やボスの邸宅などに侵入する主人公に対して、
子分たちとのあいだに激しい撃ち合いや壮絶なる格闘が
始まります。

 なんとか、その子分たちを始末すると、そこに涼しい顔の
ボスが登場して…

 「手下どもが、手荒な真似をして失礼した」 とかなんとか
ワイン片手に挨拶をする姿がみられます。

 「こんな歓迎は願い下げにしてくれ、服が汚れるんでネ!」
と、スーツの泥をハタキながら、さりげなく応じる主人公。

 なんともオシャレというか余裕を咬ましているというか…

 (やっぱり住む世界が違うんだなァ)と妙に感心しながらも
、ボクには無理だな。 あり得ない。 たとえ、どんだけ余裕を
見せようと訓練してもアアは答えられないと思ったものです。


 もっとも、日本なら、敵のボス=親分もアアは言わない。

 子分たちの抵抗や反撃に失敗すると…

 「この野郎、よくも子分どもをいたぶってくれたな!」などと
粗野で感情ドロドロの言葉でドスを効かす。

 こっちもこっちで「お出迎え」も「歓迎」の言葉も何も一言も
発しないままに、ただ黙って親玉と対峙するか、敵を倒した
ばかりで興奮状態にあるから「お前も道連れにしてやる!」
とか「貴様だけは許せん!」とか叫んで、飛びかかって行くの
かもしれない。

 ボクたち日本人には、気心の知れた仲間や“俺、おまえ”
の間柄だと冗舌でお喋りだけど、あらたまった席や他人が
入ると途端に無口になる人が多い。

 ジョークのセンスもなく、外では冗談のひとつもなかなか
言えない人種なのです。

 俗に言う 親父ギャグの類は、どうあがいてもみても
所詮は身内・仲間内の戯言ですし、ダジャレや語呂合わせ
にすぎません。

 洒落たユーモアやエスプリに富んだ知的でウイットのある
会話や風刺や皮肉を込めたアイロニー溢れる討論や対話
など望むべきもないのかもしれません。

 現に、ボクが主催する掲示板でそうした機知に富む小話
チョビっとしたオモシロ話を募集したのですが、投稿は
まったくのゼロです。仲間内の作品も2ヶ月近くありません。

 それは、日本人の気質というよりもアクセス数に起因する
問題があるのだろうけど、それにしてもなのです。

 ちなみに、タイトルURLを紹介しておきますので、
是非、寄り道してみてください。

 symbol2掲示板 「ぶっちゃけ『超チョビ話』ってどうよ!」
 
 exclamation url http://6418.teacup.com/aidman/bbs です。

 たとえば、日本人でも、先のようなシチュエーションで…

 今風の悪(ワル)なら「可愛がってくれてどうもありがとう。
なかなか華麗ななステップだったよ」 ぐらいのことは、腕に
覚えのある奴なら言うかもしれないけど、あくまでも主観的
見解として格闘を華麗なステップと表現したに過ぎません。

 敵の攻撃を「歓迎」とか、必死の格闘劇の結果を単なる
スーツの汚れ」に喩えてしまうような類似性の認知力や
瞬間的な発見能力が、彼(主人公)にあったということは
当然としても、もうひとつには、格闘術に対する確固たる
自信ゆえのゆとりが、闘い終わったすぐあとでも、事態を
客観視する余裕を生んでいた。

 つまり、自分自身の格闘を他者の格闘として傍観できる
余裕が彼にあったがゆえに言い得た比喩的な皮肉なわけ
ですね。

 同時に、常に、自分をして、直ちに他人として見るような
第三者的な投影技術の習得(三人称化)=自己客観化の
訓練が、とっさの場合でも無意識のうちに習慣となっていて
冷静な対応を実践させたと考えることも出来ます。

 そうでなければ、どれほどの比喩使いであっても、死闘を
繰り広げたすぐあとで、しかもまだ、ホッとする状況でもなく
、いつ次の新手が襲ってくるかもしれないという緊迫状態の
なかで自らを客観視することなど出来るはずもないのです。
 
以前に、http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/145.html

 「節分に顔色をうかがう」 でも書いたように人間の表情
から察知する情報と言葉を駆使して説得・誘導する技術は、
現代的な軍事装備に譬(たと)えればレーダーと防御誘導弾
(熱源追尾型ミサイルの攪乱)に相当すると思われます。

 どちらも積極的な攻撃用装備ではなく防衛的な備えです。

 「俺の眼を見ろ。なんにも言うな!」 式の 純日本的
以心伝心を旨とする人心掌握タイプは、すでに絶滅危惧種
に登録されています。

 日本人同士でもそうなのに、時代は今やグローバルです。

 相手を説得するのも自分を理解してもらうのも、言葉
いう道具に頼るしかありません。

 単なる道具ではなく、時には強力なる武器にもなり得る
「言葉の偉力」 … まず、はじめに言葉ありき
なのです。

 言葉がなければ、なにも始まりません。

 “賢者は語らず”とか、“沈黙は金”とか、日本的には、
寡黙に悪いイメージはありません。

 ずっと以前の日本ならそれで通用したのかも知れません。

 でも、多様化した今の世の中では、黙っていたら誤解が
ゴカイを生んでムカデになってしまい兼ねません。

 、やっぱり、ダメ 

 007たちのようにスマートにはいかない nose4ase2

 日本人として、長く生きてきたから、チョットソットでは
難しいか 慣れていないし、訓練も、経験も乏しいしネ。

 どうしても、ダジャレっぽくなってしまう。

 だからこそ、逆に、ボクとしては、なるべく言葉を正確に
使いたいと思うし、使おうと努力をしています。

 もちろん、真実(事実)を語ろうとする場合にですが…

 「真実の不思議」 を探求する者として、冒頭のボスと
主人公の対話のレトリックはどう考えればいいのでしょう。

 巧みな表現や見事な言い回しって、真実からは程遠い
ような気もするし、美辞麗句はまったくもって妖しく怪しい。

 巧言令色、鮮(すく)なし(じん) とも言うし …

 大体において、殺すか殺されるかという殺伐とした事態に
ユーモアやウイットなどあり得ない、どこから狙い撃ちされる
かもわからない状況で、そんな余裕をぶっ放(こ)いでいたら
100%殺(や)られるに決まってる。

 だから、現実には、到底 あり得ない と思うのです。

 まァ、映画だからといってしまえばそれっきりですが…

 あり得ないと言えば、先日、ドラッグストアで大量の買物を
したときのことです。

 大量とは言っても、嵩(ガサ)のはるトイレットペーパーや
テッィシュペーパー、台所用品、その他などですが…

 レジを済ませ、都合3袋とペーパー類を手に家に帰って
買物品を整理していると何かが足りない気がするのです。

 レシートと照合すると洗剤と漂白剤がないのです。

 急いで、店に舞い戻りレシートを見せて説明しようとしたら
、先に気付いた女性店員さんが、小さめのレジ袋に入った
商品を手渡しながら 「ごめんなさい」 と謝るのです。

 なんでも、袋づめのときに大きな袋に入りきらなかった
ので、小さい袋に小分けした分をレジの下に置いたまま
渡し忘れてしまったのだそうです。

 レジ前が行列だったし、そんなミスもあるかとは、思うの
ですが、あり得ないと感じたのは、このあとのことです。


 家に戻り、忘れた商品を取り出してみて、噴き出しそうに
なったのです。

 袋から出てきたのは、漂白剤の キッチンハイター
と、洗剤の アリエール

 袋にキチンと入ったあり得る 出来事だったのです。

 だから、ボクとしては、あり得ないと感じつつも …

 それも、アリエール ことだと思うのですquestion2

 

コメント一覧

不正選挙推進委員会
バイデンに当確を打つより、アリエール話だよ!
肉じゃが
仕込んだな? とも思える偶然の一致だけど、ユングの言うシンクロニシティかもしれないし、(何だかなあ)とは思いつつ、「オレの目を見ろ! 何にも言うな!」って、ことで、ここはひとつ目を瞑って拍手をプレゼントするとするか!
粗大ゴミ
アリエールでしょ!
バカボンのパパのパパ
確かに、アリエールのことなのだ!
ゲジゲジ
誤解がゴカイを生んでもムカデにはならへんやろ!
ハードボイルド
私の好きな歌人が「自分を映画の中に引きずり込ませるな。映画の主人公を現実世界に引きずり出せ。」と言っています。現実世界では、その主人公もボスもそんなかっこいいことは言ってられませんね。きっと。フィクションはフィクションの中で処理すればそれで良い。
批評家
「アリエール」を導き出すために「あり得ない」を使用したところに、文脈上無理が有りますネ。次回に期待します。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「たわごと」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事