総選挙の日程が決まりました。
「近いうちに(信を問う)」 との発言から、ちょうど100日目
に起こった突然の解散劇に、「第三極」 を狙う面々は合併
や選挙協力などの合従連衡策を強引に推し進める方向で、
急速に臨戦態勢を整えようとしている様子が窺えます。
その一方で、政局のどさくさ紛れに乗じての駆け込み離党
や新党結成など、やりたい放題の離合集散に政党の数は
両手の指どころか片方の足の指を加えても足りないくらいの
勢いで乱立し、混沌とした選挙状況を呈しているのです。
混迷する政治情勢のなかで 「第三極」 としての勢力
の結集を声高に叫んでいた太陽の党の共同代表であった
石原慎太郎氏は、同党を解党して日本維新の会に合流し、
新たに日本維新の会の代表となり、同党の前代表であった
橋下徹氏が代表代行に就くことになりました。
しかしながら、両党の合意文書からは、原発ゼロの文字は
見当たらず、なにはともあれ 「まずは合流ありき」 の合併で
あったことは否めない事実のようです。
合流に伴う基本政策で、太陽の党側は消費税の地方税化
やTPP(環太平洋連携協定)の交渉参加を受け入れ、日本
維新の会側は原発ゼロ政策を大きく後退させたわけです。
それからの日本維新の会ときたら <前言撤回>
が止まらず、金看板のひとつであった企業・団体献金禁止
も 「献金額に上限枠を設ける」 とあっけなく撤回しました。
既成政党との違いを訴えて、一定以上の支持率をキープ
していたのは、独自の路線を鮮明にして、それを貫いていた
からこそなのですが、国会議員団の合流以降支持率は低下
の一途を辿っていました。
そうした動向のなかで、解散の声を聞くと同時に橋下氏は、
同一選挙区での全面対決をも示唆していたみんなの党との
関係修復に乗り出すやら、「思考停止」 と非難し拒絶した筈
の たちあがれ日本のメンバーが主体の太陽の党との合併
に踏み切るなど、一気に 「第三極」 の結集に舵をきり
、自らに方針の転換を計ったような気配なのです。
計算高く、機を見るに敏である橋下氏が、火をつけ、風を
起こす目的で、知名度が高く、インパクトの強い、石原氏を
「選挙の顔(かんばせ)」 として利用しようとしている
ことに間違いないのです。
そんな 「日本維新の会」 の石原新代表ですが …
本人は担いだつもりでいても、その実は担がれたかたちで
早くも<暴走>を始めたようです。
一昨日(20日)には、東京都の外国特派員協会での講演で
「核保有のシミュレーションの必要性」を訴えたかと思うと、
昨日(21日)には、横浜市内でのパーティーのアイサツで、
「シナ(中国)になめられ、アメリカの『めかけ』に甘んじてきた
この日本を、もうちょっと美しい、しっかりした国に仕立て直さ
なかったら、私は死んでも死にきれない。 だから老人ながら
暴走すると決めた」 と強調していたそうです。
消費税・原発問題・TPP等の主要政策で互いに譲歩して
の合流は、従来からの離合集散によく見られる典型的な
打算のパターンです。
石原氏が得意顔で口にする「ヌーベルバーグ」
(新しい波)とは程遠い情景ですが、何がきっかけで本当の
「ニューウェーブ」から「ビッグウェーブ」
へと変貌するのかは誰にもわかりません。
おそらくは、それに賭けたのが橋下氏なのでしょうけどね
そうしてみると、
なるほど、この辺りの流れは 透明人間5号 の記事
『先んずれば人を制すか』 にある秦の始皇帝
が興した秦帝国の崩壊後に展開された 「楚漢の戦い」 に
至る過程での 陳勝や呉広、あるいは、項羽 と 劉邦 との
関係性に似ていなくもありません。
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/276.html(参照)
記事の投稿時点では、支持率やその行動が迷走気味で
あった「維新の会」の動きから 5号 の見立ては秦滅亡の
先駆けとなった「陳勝・呉広の乱」の立役者である 陳勝
に橋下氏をタブらせています。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」
「王候将相寧んぞ種あらんや」 … など
の言葉で知られる 陳勝 です。
余談ですが、「安んぞ」・「寧んぞ」・「焉んぞ」 は 、いずれも
「いずくんぞ」 と読み、あとに推量を伴う反語を表します。
どうして ~ だろうか (そんなことはない) … であるとか、
なんで ~ あろうか (あるわけがない) という感じです。
たとえば、
「石原・橋下いずくんぞ陳勝・呉広に終わらんや」 なら、
「石原、橋下の両氏が、呉広や陳勝のようにキッカケ的な
役割で終わるのか、終わるわけがない」 といった具合です。
つまりは、5号 の見立てから、ひと月を経る時期になり、
困難と思われていた維新の会と太陽の党との合流・合併が
周知のように電撃的に行われたわけです。
まさに電光石火の如くにです。
割を食ったのは、河村たかし名古屋市長率いる減税日本
であることは言うまでもありませんが …
それには、どうにも、コメントのしようがありません。
さて、そうなると、滅亡寸前の 秦帝国に民主党 を
当てはめるというひとつのプロット が出来上がります。
その筋立てからは、石原氏を叔父の 項梁 に見立てれ
ば、まさしく、橋下氏は甥の 項羽 ということになります。
さすれば、劉邦 は如何に … ということにもなりますが、
それはそれとして、
今回の衆院選は、民主、自民の二大政党に対抗あるいは
拮抗するかもしれない第三極の動静が焦点のひとつです。
その意味からは、劉邦 を高祖とする漢帝国の衰退期に
起こる三国志の時代をむしろ想像してしまいそうです。
しかし現状においては、 自公が第一党のグループを形成
する公算が大きく、日本維新の会が第一党になる可能性は
乏しいと予想されるわけです。
仮に 「第二極」 としての勢力図を確保できたとしても、
選挙後には 「与党に与(くみ)すか、野党でいるか」 あるいは
「協調するのか、対立を強めるのか」 という既存政治の枠に
ジグソーのピースのようにはめ込まれることになるのです。
ですから、
そうした既存のパズルの構図を新たに転換させてこその
「ヌーベルバーグ」や「ビッグウェーブ」
であって、それをして、初めて 「政治の顔(かんばせ)」 や
「時代の顔(かんばせ)」 になり得るわけです。
いすれにしても、
日本維新の会が、ただの野合集団的な存在として日本の
政治史に僅かに名をかすめるだけで終わるのか、それとも
一時代を築く政治集団へと成長するのか、暫(しば)しの間
は、石原、橋下両氏のお手並み拝見というところです。
ところで、顔(かんばせ)は、その人物や物事を代表する
ものとして扱われます。
朝の顔や表の顔に裏の顔、選挙の顔や世界の顔の他にも
花の顔や石の顔に月の顔や風の顔など … 顔(かんばせ)
と言っても色々です。
花鳥風月や森羅万象のすべてのものに 顔(かんばせ)が
あります。
そのように、いろいろな 顔(かんばせ)があるけれど …
「日本の顔(かんばせ)とは誰ですか」
唐突に、何の条件もなしに、そう訊(たず)ねられたとしたら
アナタは誰の顔を思い浮かべますか
一般的には、天皇陛下や総理大臣、少し前ならノーベル賞
を受賞したiPS細胞の山中教授に大リーガーのイチロー選手
といったところでしょうか
ところで、
今回の衆院選では、日本の新しい首相 =日本の顔
(かんばせ)を選ぶ大切な選挙でもあるのです。
新しい日本の顔(かんばせ)が、公然と暴走するよう
では日本に未来はありませんが、どうなのでしょう
そういえば … 昨夜のことでした。
かつての民主党の顔にして日本の顔でもあった
鳩山由紀夫氏が政界を引退することを正式に表明しました。
それにしても、ここ数年の日本の顔(かんばせ)って…
怪人何十面相 だったんだろう
コメント一覧
ココナン
怪傑白頭巾
最新の画像もっと見る
最近の「ひとりごと」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事