唯一無二ともいえる物体の回収に初めて成功してから101年
の歳月が経過していました。
この物語は …
地球という惑星において「ヒトなる種がしばらくの間、繁栄
していたが、そのうちに出現したときよりも速やかに早く姿を
消してしまった」という 神話 が、全宇宙のあちらこちらで
語り継がれるようになった頃のお話です。
24億年前に地球と呼ばれていた惑星から打ち上げられた
物体（宇宙探査機 パイオニア11号）に取り付けられていた
銘板 （メッセージ・ボード）とおぼしき刻印（絵や記号等）の
解析・解読が進み、漸（ようや）くにして、その全貌が白日の
もとに示されたわけですが、なにゆえに、発見から101年もの
時間と労力を費やしてしまったのかと言えば、刻まれていた
内容（メッセージ・デザイン）が極めて難解だったからです。
まずは、銘板の下側に描かれていた絵図模様がなんらか
の恒星系を表すものと気づくのに数十年を費やしました。
あまりにも独善的解釈（デザイン）で描かれていて共有する
文化や知識を持たないものには解読が困難だったのです。
そして銘板の左側にある14本プラス１本の放射直線と記号
らしき模様が二進法の数字であり、その放射直線の中心点
がTS-721恒星（太陽）を示していると推測すると、それぞれの
直線の寸法がGR-311（銀河）系にあるパルサーのいくつか
の相対距離と合致したのです。
さらに真横に真っ直ぐに伸びた１本の長い直線が、TS-721
（太陽）からGR-311（銀河）系の中心までの相対距離と方向
を指し示しているものと理解できるようになったのです。
その裏付けとしては、各直線の端に描かれていた目盛りが
GR-311（銀河）面に直交するＺ軸方向の距離とも見事に一致
したことに拠ります。
こうして、この物体が …
TS-721-003（太陽系第3惑星）からの漂流物であると特定
するのに100年近い月日が費やされたというわけなのです。
その間に、幾多の天体からの知的生命体に関する新たな
発見が相次ぎ、＜宇宙考古学＞は、花形 の 学問
となっていましたが、実質的回収物による時空間測定（時代
の確定と位置の特定）に成功した事例はこのケースのみで、
否が応にも興味と関心の的となっていました。
なかでも絶滅種の痕跡に迫る実地体験型のカリキュラム
『一瞬の煌めき 地球の王者 人間の謎を追う
』 は超人気の授業で、抽選に当選した ボク は、喜び勇んで
今回のテレポーテーション授業に参加したのですが、生憎の
ことに時空間移動転送機の不具合によって、地球歴2011年
の（地球）から元の時空域に戻れないまま一週間が経過して
いたのです。
『アダムとイヴのへそ <1>』 
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/239.html（参照） 『アダムとイヴのへそ <2>』 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/240.html（参照）だからといって、焦る気持ちはまったくありません。
必ずや戻れるものと信じているからです。
それに体験授業は面白く好奇心でいっぱいです。
この時代にも時空間移動の概念は、すでに存在していて、
原始的なアイデアによる 『ＪＩＮ（仁）』 という２次元動画
の物語がＴＶ（テレビジョン）という単純な電波システムにより
放映されていました。
それはそれで幼稚な内容ながらも精一杯感に溢れていて、
感動的ですらあったのです。
ところで、
ボク たちの世界では、「無」 から 「有」 の出現は、
あたりまえの事実となっています。
たとえば、
「真空」 とは、何もない状態ではなくプラスとマイナス、
粒子と反粒子とが互いに結合して打ち消し合っている状態
をいいます。
目には見えず計量も計測も不能だけど、無いわけでもなく
また、有るわけでもないのです。
つまり、ボク たちが、この世界に突然にやってきたように
、「ない」 時と 「ある」 時が同一時空間に存在するのです。
物質 と 反物質 とのあいだのほんの僅かな寿命の
違いが互いを打ち消すプロセスにおいて僅かに寿命の短い
反物質が物質との等価消滅（相殺）する際に、極々少量づつ
の物質を残していったことが、物質のみで構成される現実の
世界（宇宙空間）を形成しているのだと理解してください。
そして、その差
＜ゆらぎ＞の本質がダークマター（暗黒物質）なのです。
さて、
「無」 から 「有」 を生むと言えば、この地上において
は、＜生命の誕生＞に纏（まつ）わる 謎 とともに
「アダムのへそ」 と 「イヴのへそ」 の行方（有無）について
も、かつては大きな 謎 であったと学習しました。
コンダクター兼コーディネーターおよび引率講師でもある
２号さんの解説によると、どちらの“へそ”も存在しなかった
という結論ですが …
ボク は、その答えに少しだけ疑問を感じています
そして、その 謎 を追いかけるうちに、さらなる不可解な
問題に突き当たってしまったのでした。
アダムとイヴの最初の子供であるカインが成長して娶った
女（妻）の存在です。
この当時、地上に存在していた女性はイヴひとりのはず…
なぜならば、最初にアダムがつくられ、アダムの肋骨から
イヴがつくられたあとに、ふたりはエデンの園を追われます。
楽園からの追放後に、何年かして、カインとアベルという
人類最初の兄弟が生まれます。
兄カインは長じて農耕を行い、弟アベルは羊を放牧する
ようになります。
この段階での全世界の人口は ４人 です。
二人の兄弟の弟にあたるセトはまだ存在していません。
しかも、この後に、カインによるアベルの殺害という
人類最初の殺人事件が起こります。
その段階での全人口は、アダムとイヴとカインの
３人 だけのはずなのです。
アベルの死を嘆き悲しむアダムとイヴ
ところが、この問題は意外なほどにあっさりと解決して
しまったのです。
手がかりは、エチオピア正教会の聖典 『ヨベル書』
（他の教会では偽典とされる）にありました。
それでは、
コンダクター兼コーディネーターを兼ねた引率の講師である
透明人間２号 先生に、そのあたりの講義（暴露話）を
お願いすることとしましょう。
えっ！ もう、時間がない。 そうですかぁ
では、次回 『アダムとイヴのへそ <4>』 での
講義ということで …
透明人間２号 先生 と言うくらいだから …
きっと イヴ のほかにも、
アダム の２号 さん
がいたんだネっそうだ ２号さんの産んだアダムの娘に違いないよ
いや、禁断の背徳である２号さん御本人
ということもありえない話ではないかも …
もし、そうだとしても …
じゃあ、２号 さんを産んだのは一体、誰なの
