MERSコロナウイルス
2014年6月4日のサウジアラビア政府の修正発表で、サウジ国内の感染者は688人で、そのうち282人が死亡、53人が治療中で、353人が回復した
多くの患者で通常の肺炎が見られない[24][25][26]。また(肺に近い)下気道に感染しやすいところ(受容体)があり、症状が少ないまま突然肺炎になりやすい[27][28][29][30]。
本ウイルスは遺伝子解析からヤマコウモリが起源とされているが[31][32][33]、現在の中間宿主[34][35][36]、感染方法は全く不明である。潜伏期間は2.5-14日間とされている[37][38][39][40][41][42]。
2013年5月、国際ウイルス分類委員会が[48]、病原体名を「Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)」と命名[49]、WHOの決定を受けて[50]、厚生労働省はウイルスの名称をMERS(マーズ)コロナウイルスと名付け、感染症名を中東呼吸器症候群 (MERS) と決定した[51][52][53]。
2013年7月にラマダン、2013年10月にハッジ(大規模なメッカ[54]巡礼)があり、感染拡大が憂慮されていたが、特に異変はなかった[55][56][57][58][59]。
^ 死亡率は2013年4月以来ずっと50%台で推移している。
^ 人工呼吸、点滴、2次感染防止のための陰圧隔離、2次細菌感染を防止するための抗生物質の投与などがされている。論文によればいろいろな抗ウイルス薬の効果はなかったとされる。
2013年8月EIDに人間からのMERS遺伝子と100%一致するサウジアラビアのコウモリが発見された発表された。発見した場所は最初の感染者の住居から5kmの地点である。
^ 話を聞けたすべての患者についてコウモリとの接触歴が見つからないため、人間とコウモリとの間に感染をつなぐ中間的な動物があると考えられている。
^ ヤマコウモリ (Taphosouz perforatus) による感染が確定したわけではない。資料は空港の税関で常温で48時間止め置かれ、ほとんど遺伝子は残らなかった。
^ サウジの集団感染例、アブダビの感染例 (37M) はラクダとの接触がある。
^ サウジアラビアのバチンの集団感染例がある。ラクダ商人の38歳男性が肺炎で死亡した。
彼は病気のラクダを扱っていた。彼の母、娘、いとこの合計3人がMERSに感染し、2人が死亡している。
^ 2013年6月19日のNEJMなどでは、SARSとの類似が指摘されている。SARSでは、広東省河源市のL医師(死亡)、シンガポールの女性EM(生存)などの「スーパー・スプレッダー」と呼ばれる少数の人間が感染を急拡大させたとされる。類似性を考えると、突然の感染急拡大もあり得る。また香港ではマンション外部の壊れた下水管から地域全体に広がった例もある。