Recording Studio Akima~♪

大好きなギターと大好きなカメラを使って、オリジナルやカバー曲の音楽動画をおもむくままに投稿しています。

異空間との接触 2

2023-01-05 | ギター

私が、ある劇団で制作の仕事をしていた時のことだ。

モルタル2階建ての建物は、以前は病院だったそうだ。

それが、稽古場となっていた。

私のいつもいる事務所は、その向かい側の3階建ての2階にあった。

劇団と云っても、 

夕方になると、仕事終わり学校帰りの若者たちが集まってくる。

そういう劇団だ。

日曜祭日ともなると、朝から大勢の若者であふれた。

況してや劇団の公演が決まるとその稽古で、一日中活気にあふれていた。

 

そんな稽古場も、夜9時には戸締りをしなければならない。

 

 

「時間だ」

私は同僚と、稽古場の点検戸締りに向かった。

活気に溢れた稽古場には、まだ若者たちの熱気が充満している。

「じゃ僕は上を見るから、下を見といて」

そう言って私は、2階の一番奥の稽古場から順に点検をしていた。

出口へ真っ直ぐに向かう階段、その2階の正面がトイレになっている。

私は最後にそこに入った。

すると窓が開いてるではないか、

窓は一番奥にある。

 

「しょうがないな」

ひとりごとを言いながら私は、窓を閉め始めた。

その時私の耳元で、男の声が聞こえた。

あざけるような低い声で笑ったのだ

階下に居るはずの同僚が、いたずらに来たと思って

逆にびっくりさせてやろうと思い、私は振り向きざまに

「わ~」っと大声を出した。

 

 

しかし、居るはずの同僚が居ない。

 

 

蒸し暑い夏の夜、

私は、一瞬にして体中が凍りつくのを感じた。

 

 

立ちすくんでいると、

下から同僚の声が聞こえてきた

「どおした~」

 

その声でやっと金縛り状態が解けて、

私はトイレから飛び出していた。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Guitar

<script type="text/javascript" src="http://parts.blog.with2.net/2.0/?id=1807074:jp99u48VERA"></script>