今年の4月に自治会の会長になって、最も困ったのは、民生委員の後任を8月の23日までに決めねばならないのだが、幾ら頼んでも、良い返事をしてくれる人が全然いなかったことである。
民生委員はボランティアであり、責任もあり、仕事もきついと思われている。
実際、そうなのだから、強引にやってくれと言うわけには行かない。それに行政は必要以上にやれ個人情報だ、やれ守秘義務と五月蝿い。
100人以上の人に手紙を書き、お願いしたのだが、結局、タイムリミットになってしまった。これでこの町内は民生委員のいない町になってしまった。
現在の民生委員は9年間もやってくれているので、継続をお願いしますとはいえない。
100人以上の方にお願いして、断る理由の一番は<仕事があるので>であった。
民生委員はある程度の年齢でないと出来無い仕事でもある。高齢者の話し相手になるのだから、それなりの経験などが必要とされるからだ。
だから、40代後半から、50代、60代前半の女性に的を絞って手紙を書いたのだ。
その年齢ならば、家庭にいるのではないかと思ったのだが、働けるうちは働くという女性が多いのだ。
子供も独立し、夫と二人ならば、時間の余裕もあるだろうと思ったのだが、その予想は完全に裏切られた。50歳になっても働かなきゃならない人が多いのだ。
どうしてそうまでして働かなきゃならないかと言うと、老後の暮らしに不安があるからなのだろう。
『人様の面倒を見る前に自分の暮らしの面倒を見なきゃならない』という言葉を何度も聞かされたのだ。
金銭的にも精神的にも貧しい国になったのだと実感した。
余裕の無い社会。
民生委員はいないけど、独り暮らしの高齢者を放って置く訳には行かない。
どんな風にしてその人達を見守っていくのか、残暑の中で考えている。
嗚呼・・・。