The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

ナビは語る

2011年01月14日 | ASB活動日誌
ヒデ氏です。


こないだ、高校の旧友と久しぶりに3人で集った。
思うに高校時代の友人というのは、本当に生涯の友人となるケースが高いと思う。
大学の友人ももちろんなのだが、高校の場合、大人になる前の情けない部分を多分に共有しているため、
人間としてさらけ出した付き合いを一度しているからだろうと思う。

その3人で先日ふと、そのうちの一人、Kの車に乗ったときだ。
昔、別々の大学に進んだ我々は、それでも頻繁に会って遊んでいた。
Kの車にはナビがついており、このナビを使っていろんなところにいったものである。

今はもう車もナビもすっかり変わっているが、このメンバーでKの車に乗ったことである出来事を思い出した。

当時のKのナビは、今の主流のようなタッチパネルではなく、リモコンで操作するタイプだった。
つまりリモコンで住所を設定して、ナビに従うのである。

あるとき、またKの車に乗ったとき、リモコンがないことに気付いた。

「あれ?リモコンは?」と言うとKは、

「そやねん。なくなってな。めっちゃ不便やねん」と言う。
リモコンがないと操作できないため、現在ナビが使えないという。
仕方なくメーカーにリモコンを注文したところ、リモコンだけで7,8千円したとか。

ひえー痛いなあ、と言いながら、
車内のどこかにはあるはずだろうといったが、当然Kもそう思ってくまなく探したが見つからないという。

「あほやなあ、何してんの」

と嘲笑していた1週間ほど後、リモコンがKの元に届いた。
これまた偶然にも3人は行動をともにしていて、Kの自宅にいたため、正に届いたリモコンを持って車に乗り込んだ。
久しぶりにナビで案内してもらおうか、と満を持して操作したとき、もう一人の親友、Hが言った。

「やっと操作できるな。あ、これで最後に設定した住所聞いたら、いつどこに行くときになくなったのかだいたいわかるんちゃう」

確かに。なるほど。リモコンで住所設定画面に行けば、最後に設定した住所が表示される。
その住所によっては、操作した人間もなんとなくわかるはずだ。運転手Kは通常操作しなかった。
私ヒデ氏か、Hか。はたまた覚えのない住所ならその他の全くの他人か。

Kはリモコンのボタンを押した。


画面にはっきりと映し出され、また頼んでもいないのに機械的な声でしっかり読み上げられたのは、
紛れもない、ウチの住所だった。










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