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アメコミとラーメン

スパイダーマンを集める少年を超えた、泣いた、Friendly Neighborhood SPIDER-MAN 29号、30号



主要タイトルのAmazingの進行速度が遅い中、フットワークが軽快なFriendly Neighborhood SPIDER-MAN (FNS)の30号が到着したのでレビュー。今回は29(5)号、30(6)号をレビュー。 (Legacy Numberとカッコ内が2019年再発売してからの号数)

筋書きをTom Taylor、29号の画をYildiray Cinar、30号の画をJuann Cabalが担当。添付画像は30号のもので、Andrew C Robinsonによる作品。Cinarにせよ、Cabalにせよ、非常に品質の高い画を描く。本当にFNSなのか。もう一軍のAmazingに昇格しても全然いける品質だ。SPIDER-MANの画に合っている。Cabalが描くSPIDER-BITEは1960年代のアニメシリーズのように瞬きをする。そこが非常にファンの心を鷲掴んでいる。

粗筋を手短に紹介。29号は一話完結。癌宣告されたMay伯母さんはPeter Parkerに薬物療法の場に一緒に行ってくれるよう頼むがPeterは受け止められない。街へ飛び出した彼は暴走車両を追うことに。30号はイキナリSPIDER-BITEなるSPIDER-MANの相棒が現れ街を暴れる悪人共をバッタバッタとなぎ唐キ。一体何が起こっているのか。

もう素晴らしい台詞のオンパレードの29号から、特に気に入った台詞やシーンを書いていく。薬物療法の話を聞くPeterの台詞、”My spider-sense should have been going off for the last five minutes.”命の危険ではないのでSpider-senseは働かないのだが、働いても良いぐらいの精神的な危険がPeterを襲っている。上述の通りMay伯母さんの命の危険を受け止められない。

暴走車の上に飛び降りたSPIDER-MANがすっと立ち上がるシーン。何気ないシーンなのだが、彼の能力がフルに活かされた凄いシーンだ。そして冷静に以下の台詞を喋る。”You really should know is traditionally people who steal cars know how to drive.” 運転が下手な犯人に対し皮肉で面白い。

この後、犯人は子供で、かつPeterと同じで現実に向き合えないことがわかるのだが、この辺も良いな。そして、彼の手を怪我させてしまったので、医者に連れていく。それがDR. STRANGE。いや確かに彼は医者だ。Taylorが上手すぎる。ちゃんと普通の医者に連れてかない合理的な理由もあるからね。

そして、ちゃんとSTRANGEがPeterに進むべき道を見せるあたりは、別の意味でちゃんとした医者だな。ラストシーンは涙もの。今年前半に読んだアメコミでベスト1位と思いきや、次の30号はさらに凄かった。

SPIDER-BITEは白血病の少年で、彼の両親の願いによりSPIDER-MANを病室に呼んだことがわかる。病室を舞台に小芝居を打っていたのが後半でわかるのだが、そこまでは前号からの繋がりがなく不安だった。それが一瞬にして感動へと変わる話の構成に脱帽。

Sinister Sixどころか、Sinister 60ってのは楽しい。Cabalが60人本当に描いているかは数えていないが、見開き2ページは圧巻。

特に良かった台詞。疲れているはずなのに寝たがらない少年(SPIDER-BITE)に関する両親の説明。He’s worried he won’t get up again. もうここで最初の涙。

そして、最後から1ページ前で、SPIDER-MANが少年に”You liked being SPIDER-MAN for a DAY?”と聞く。ここは次の台詞への大きな伏線。最後のページでSPIDER-MANは少年を空の散歩へと連れていくわけだ。そしてその時の彼の台詞。”Your DAY’s not over.”ここで次の大粒の涙。

この二つの話は、Roger Stern時代の名作とされる"The kid who collects SPIDER-MAN"以上に好き。(Amazing SPIDER-MAN 248号)
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