今回のまとめは→こちら
建武元年(1334)に小笠原貞宗が信濃守護に任命され、府中(当時の松本)に入って井川に館を構えました。
文安3年(1446)に府中と飯田の小笠原氏の間で家督相続の争いが起こり、府中小笠原氏は井川館から東に4Km程離れたこの林の地に館を移し、要害として林城を築きました。尾根伝いに多数の曲輪や堀切と竪堀が設けられた強固な守りの林城ですが、その後、天文19年(1550)信濃に侵攻した武田晴信(信玄)攻められて自落しました。
林城跡と井川城跡は保存状態がよく、室町時代から戦国時代にかけての我が国における城郭の移り変わりの典型を見ることができます。また、信濃の歴史を知る上で欠くことのできない重要な遺構です。その保存を図るため、二つの城跡が合わせて国の史跡に指定されました。、、、(松本市教育委員会)現地案内板より
【場所】
場所は長野県松本市里山辺
登り口としては「金華橋」と「橋倉」、「大嵩崎」側の三カ所があります。
長野自動車道「松本IC」下車、国道158号線で市内に入り、松本城から東に延びる県道67号線で「惣社交差点」の三叉路を右に進みます。しばらく進み「兎川寺交差点」で右折し県道297号線に入ります。「薄川」に架かる「金華橋」を渡ってすぐの交差点の山側に説明板がありその先が「金華橋登り口」です。徒歩にて、主郭まで往復約2時間ほどのコースです。
自分はタイトなスケジュールのため「橋倉」側からで登りました。
林小城からは「薄川」まで戻り、「金華橋」の手前で右折して薄川沿いに走り、金華橋から二つ目の橋で右折し、少し山の方に登ると橋倉集落に入ります。
大きな立て看板があります。
舗装された道路を道なりに進むとY字路に出ます。
案内板通り右折。
橋倉集落の中程、道沿いに「公民館」が有りますので、案内板通り右折して林道に進みます。
この林道は未舗装で幅も狭く車一台がやっと通れる曲がりくねった道です。
ほどなく林大城の副郭前に到着です。林道はここが終点となります。
【遺構】
副郭と尾根を分断する堀切の中間地点に駐車場があり、尾根を下れば連続した三日月状の段郭群と堀切がありその先は「金華橋登り口」となります。
また、上段の曲輪(副郭)から先、尾根を登れば主郭と背後の空堀群を経て、二股に分かれた尾根を下れば「板倉登り口」「大嵩崎登り口」に至ります。
縄張図
副郭
副郭竪堀
副郭堀切
副郭から主郭へ
主郭
主郭虎口と石積み
主郭後方の石積み
主郭南側の石垣
後郭
後郭堀切
後郭竪堀
後郭から「大嵩崎登り口」方向の尾根を守るため築かれた堀
竪堀群
後郭から「板倉登り口」の尾根を守るために築かれた堀
二重堀切
「板倉登り口」の尾根にある
井戸跡
溜井戸と考えられています。
姫の化粧水井戸と名付けられています。
金華橋登り口方向の尾根上に築かれた三日月状の平場群と堀切
堀切
平場
【まとめ】
ヤマップ行程データ
ヤマップ3D
三城位置関係
谷を挟んで両脇の山に大城と小城二つの城があることがわかります。
谷部には城主の居館群と城下も形成されていたんでしょうね。
大城と小城の役割分担はわかりませんが、これは別郭一城と呼んでいいでしょうね。
【林城】
《史跡 小笠原氏城跡》
名称(別名);林大城,金華山城
所在地;長野県松本市里山辺
城地種類;山城
標高/比高;846m/230m
築城年代;長禄3年(1459年)
廃城年代;天文19年(1550年)
築城者;小笠原氏
主な改修者;
主な城主;小笠原氏
文化財区分;国指定史跡(平成29年井川城跡・林城跡(大城)一括指定)
主な遺構;石垣,土塁,郭,堀,井戸
近年の主な復元等;
※出典、、、現地案内板、松本市教育委員会HPほか
地図;
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