今回のまとめは→こちら
林城跡は、信濃守護小笠原氏の本拠であり、大城と小城からなります。
ここ小城は、東側の大嵩崎(おおつき)集落のある谷を挟んで大城と相対する位置に立地しています。標高774m、北側の麓との比高差は約150m有ります。
主郭は、四方が土塁で囲まれており、南側の土塁は高く築かれています。土塁背後の堀切と合わせ、主郭の南側に続く尾根からの敵の侵入を防ぐための施設と考えられています。このような造りは、山の最高所ではなく、尾根上に城を築く松本周辺の山城に多く見られます。
主郭の南東斜面には畝状竪堀群が造られており、敵の斜面移動を防いでいます。大城には見られない遺構です。
主郭の外側には鉢巻き状に巡る石積みが見られ、曲輪2も同様と考えられています。石積みは、崩落防止の控え積み(石積みの背後にもう一列石積みを造る積み方)も確認でき、松本市域の山城に見られる石積みの特徴をよく表しています。
【場所】
場所は長野県松本市里山辺
登り口としては「大嵩崎(おおつき)」側と「廣澤寺」側の二カ所があります。
自分は「廣澤寺」側から登りました。
長野自動車道「松本IC]下車、国道158号線で市内に入り、松本城から東に延びる県道67号線で「惣社交差点」の三叉路を右に進みます。しばらく進み「兎川寺交差点」で右折し県道297号線に入ります。「薄川」に架かる「金華橋」を渡ってすぐの交差点は道なりに直進し297号線を進みます。すぐに左・右のカーブがありますが道なりの297号線を進みます。「林村道祖神」の交差点を過ぎて250m程にある交差点を左折し「岩波酒造」を目指します。(長野県松本市里山辺5159)
岩波酒造の斜め向かいにある狭い小路を左に入ります。突き当たりの山に民家がありその左側に登山口があります。
斜面を登るとすぐに害獣よけのフェンスが有ります。中に入った後は必ず扉を閉め鎖を巻き付けておきましょう。
【遺構】
登り始めてすぐに目にした石垣???
山の斜面には至るところに縦状の溝が見られます。長年の堆積で浅くなっていますが人工的に掘った竪堀です。
二重堀切
尾根に築かれた段郭
尾根を遮断する堀切
主郭の台地が見えてきました。
手前の平坦部は「曲輪2」です。
主郭脇の堀切
主郭台地を取り囲む石垣
主郭の土塁
主郭背後の堀切
主郭背後の竪堀
主郭背後の二重堀切
主郭背後の畝状竪堀群
【まとめ】
今回訪れた林小城・林大城・桐原城の位置関係図
里山辺地区・林という地にある「コ」の字状に開けた谷部に生活の拠点や御殿を置き、背後の山に詰めの城を築いています。「コ」の字の両側にそれぞれ独立した機能を持つ城郭が築かれていますが、これは「別郭一城」と言ってよいのではないでしょうか。
また、林城の支城として、街道の谷を挟んだ向かいの山に桐原城が築かれており、両者の関係性がよくわかります。
ヤマップ行程
データ
ヤマップ3D
縄張図
【林小城】
《史跡 小笠原氏城跡》
名称(別名);福山城
所在地;長野県松本市里山辺
城地種類;山城
標高/比高;780m/180m
築城年代;長禄3年(1459年)
廃城年代;天文19年(1550年)
築城者;小笠原氏
主な改修者;
主な城主;小笠原氏
文化財区分;国指定史跡(平成31年井川城跡・林城跡に追加指定)
主な遺構;石垣,土塁,郭,堀
近年の主な復元等;
※出典、、、現地案内板、松本市教育委員会HPほか
地図;
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