千久里城
氷見市中央部、上庄川右岸の中尾・泉・上田地区の丘陵に築かれた山城です。
標高137mの城最高地点は、周囲の稜線からひときわ高くなっており、竹里山の名前で呼ばれ、江戸時代には定置網施設の目印にもなっていました。
千久里城は南北朝期の史料に名前が見えるのみですが、現在残る遺構は南北約240m、東西約280mに及んでおり、戦国期のものと考えられています。城主は鞍川地区を本拠とする国人鞍河氏で、越中のみならず能登や京都でも活躍した越中を代表する国人ですが、16世紀半ばに滅亡しました。、、、山城探訪・氷見市立博物館発行より引用
場所は富山県氷見市中尾
能越自動車道氷見ICより、羽咋千里浜方面に向かって一つ目「大野」信号交差点で左折。
高速道路の高架と交差する手前で右折、集落の中に入り、民家の間を抜け「中尾白山神社」を目指します。
神社脇を通る「林道」を登ります。
途中「千久里山の岩屋堂」標柱があり、そこから程なく大きくカーブしたところにカーブミラーが2個連なる場所があります。
その山側に「入山口」があります。目印は「電柱」です。
林道からの入山口
ちゃんと階段が付いています。
あとは尾根をひたすら登ります。分岐が無く一直線のルートです。
縄張り図、、、越中中世城郭図面集Ⅲ(赤色文字は筆者)
突然現れた小高い山に行く手を阻まれる。
こにはロープが取り付けてありますので、それを頼りに急な坂をよじ登ります。
登り切った先には第1の廓が広がっています。
東側には土塁が施されています。
西側の一段下がった場所には腰曲輪のような削平地が見受けられます。
東側には一段下がった段廓が存在します。
東側尾根筋の堀切
東側谷面の竪堀
主郭下の廓へは大きな堀切が待ち構えています。
全く気づきませんでしたが調査によると主郭側の堀切に一旦埋め戻した痕跡があるそうです。
Vの字の切込みの片側が途中でフラットになっている「テラス」と呼ばれる構造です。
これは出入りを容易にする改修では無いかと考えられています。(氷見市教育委員会)
主郭下の廓へはロープで登ります。
主郭西側の廓はクマザサに覆われ地形形状が良く分かりません。
主郭の背後にそびえる最高所にはぐるっと回り込んで登ります。
藪の中から頂上を目指し、最後はロープで垂直に登ります。
頂上には三角点の標柱と
アンテナが建設されています
最高所にある狭い平坦面ですが、見張り台としての役割があったようです。
見張り台下東側に伸びる尾根筋は厳重な防御施設が施されています。
圧巻は尾根を分断する深い切堀
下から見上げても高さがわかります
その他にも堀切や
竪堀が各所に設けられています。
大手筋と考えられる北東からの侵入口には大きな堀切が両側を守り
また北側からの現在の登坂ルートも第1の廓が切り立った崖で下からの侵入を阻んでいます。
西側は深い谷で天然の堀で守られ
南側斜面は物見台下から東に伸びる尾根が防波堤となり
その尾根上に築かれたいくつもの堀と土塁が東側尾根からの侵入も阻んでいます。
虎口の枡形や馬出といった施設は確認できませんが、コンパクトにまとまった堅牢な城という印象です。
【千久里城】
《》
名称(別名);
所在地;富山県氷見市中尾字萱戸
城地種類;山城
標高/比高;137.4m/120m
築城年代;南北朝時代
廃城年代;16世紀
築城者;鞍河氏・寺島氏
主な改修者;?
主な城主;鞍河氏
文化財区分;未指定
主な遺構;削平地・切岸・竪堀・堀切・横堀・土塁
近年の主な復元等;
※出典、、、越中中世城郭図面集Ⅲ
地図;
最新の画像もっと見る
最近の「城歩き」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- 城歩き(346)
- 旅とグルメ(13)
- ネイチャー・旅行・まつり(71)
- 映画・コンサート・博物館(53)
- 日記(44)
- 富山県東部(富山市周辺)のラーメン(684)
- 富山県西部(高岡市周辺)のラーメン(353)
- 富山の中華屋さん、食堂系、呑み屋さんのラーメン(99)
- 貪瞋癡(135)
- 石川県(金沢・野々市他)のラーメン(979)
- 石川県(加賀・小松・白山市他)のラーメン(106)
- 石川県(能登地方)のラーメン(92)
- 石川の中華屋さん・食堂系・呑み屋さん(144)
- 石川ビブグルマン神樂・のぼる・TERRA(356)
- 福井市内のラーメン(178)
- 福井嶺南・敦賀・武生・鯖江・坂井・大野他(122)
- 滋賀・京都・兵庫・大阪のラーメン(57)
- 新潟・長野・山梨のラーメン(77)
- 愛知・岐阜・三重のラーメン(70)
- その他の地域(5)
- イベントラーメン(83)
- アジア麺フォー・蕎麦・うどん・パスタ・焼きそば(59)
- まとめとカレンダー(118)
- メシコレ掲載(34)
- 自宅らーめん(5)
- グルメ(35)
- 親和倶楽部ラーメン部会(55)
- 参考文献・資料(21)
- 家族・友人(67)
- インポート(0)
バックナンバー
2000年
人気記事