劇場版「K」100DAYS×VISUAL 52枚目

劇場版「K MISSING KINGS」より

彼の財力にしては簡素な庵を
ビルの頂上にかまえた。
黄金の王は時々、そこで茶を点てていた。
あまりにも巨大な力を持ちすぎたために
壮年以降はずっと孤独な人生だった彼が
特に好んだのは雨の日だったという。

池の表面を雨粒が叩く様を、
じっと飽きずに見つめていた。
その胸中になにが去来していたのか
余人の知るところではない。