最近、新聞やテレビでもお年寄りの胃ろうについて記事をよく見ます。
「今井あんきの家」でも、10年ぐらい前からでしょうか、胃ろうについて色々と話が上がるようになってきました。
今井あんきの家は、医療施設ではないので基本的に胃ろうの入った方はグループホームへ入居できません。
(バックに医療法人とかが付いているところは、胃ろうOKの施設もあるのですが…)
それでもこの13年間で2名の方が胃ろうを入れてグループホームに入居されていました(現在も1人入居中)。そのお二人とも家族の並々ならぬ愛情を感じています。
今のところ、特別な研修等の条件が整わない限り、介護職員による胃ろうの注入は認められていません。なので、当然今井あんきの家のグループホームでも胃ろうの注入は看護師以外できません。グループホームには常勤の看護師はいないので、胃ろうの注入はすべて家族の負担となります。
なのでこの2名の方は、ずっと家族が、朝・昼・晩と胃ろうの注入に通っていました。
こちらも大変だろうと心配に思い、胃ろうを管理してもらえる他の施設に移ることを提案させて頂いたのですが、
家族の方は
「この今井あんきの家が気に入っているから。 お母さんにはここが合っているから。」
と、ずっと入居をされていました。
本当に頭の下がる思いです。
毎日何回も施設に通わなければいけない、というのは、しかもそれがいつまで続くかわからない というのは、本当に大変な事です。
でもその甲斐あってか、今入居中の方は、口から御飯が食べられるようになってきました。
朝・昼・夕と3回胃ろうだったのが、最初に昼を食事に変え、今は夕飯も食事を食べるようになり、胃ろうは朝のみです。
やはり、食事が食べられるようになると、発語のない方や少ない方でも 表情が違ってくるように感じます。
また食事を再開できるようになるには、口からの摂取をやめない事です。
今井あんきの家でも家族の了承を得て、胃ろうだけでの食事の間もずっと、介護職員が氷をなめさせたり、お茶をゼリー状にして食べさせたり、と毎日毎日一口だけでも食べさせていました。そういったことが、今の状態につながっていると思います。
やはり、生きてある限り、食事は口から食べたいものです。