8月3日の早朝、4時半に起きると、外はやっぱり雨。予報は出ていたものの、それでも晴れてくれないかなーという望みを全員が持っていたことと思います。
この日は「アンを探して」のクランクインに相応しく「赤毛のアン」の聖地、グリーンゲーブルズから撮影が始まりました。午前6時に現地集合の、早朝からの撮影です。
撮影前の緊迫した一時、宮平監督が現場に釘づけだったので、代わりに私、藤本がクロード・ガニオンエグゼクティブプロデューサーらと共に「赤毛のアン」の原作者・モンゴメリーのお墓にお参りし、無事にクランクインの日を迎える事が出来た事への感謝、1ヶ月に及ぶ撮影の安全を祈願しました。
雨がそぼ降り、静まり返ったモンゴメリー記念墓地には、彼女の魂が静かに佇んで微笑んでいるかのようでした。
さて、宮平貴子監督の「アクション!」の掛け声とともに、まずグリーンゲーブルズ一階キッチンで撮影がスタート。か細い監督からは想像出来ないくらい力強く凛々しい声に、ちょっと聞き惚れてしまいました。
グリーンゲーブルズでの撮影が終わっても、雨あしは弱まらず。でもクロード・エグゼクティブプロデューサーは晴れ晴れした表情。「良い雨だね。順調だ。何も問題無いよ」。今年、日本で公開された監督作品「KAMATAKI-窯焚-」のクランクインの日も台風だったということです。ガニオン監督に師事し、助監督を努めて来た宮平監督の初日の出来をモニターで確認するガニオン プロデューサーの満足そうな笑顔が印象的でした。
宮平監督の初監督作品にプロデューサーを始めキャスト、スタッフの並々ならぬ情熱と、暖かい気持ちが伝わる現場です。
午後は雨のため予定を変更し、マリのB&B(民宿)での撮影。撮影が終わったのは19時を回った所でした。宮平監督にとって、そして昨日、やっとの思いで日本から着いたばかりの主演女優、穂のかにとっても長く充実した一日だったことでしょう。お疲れさまでした。
Report by 藤本紀子