これは2005年8月23日に書いた「創聖のアクエリオン」の二次創作SSの再掲です。
シリウスがベクターマーズを奪ってアトランディアへ出奔する回の妄想です。
また、シリウスがアポロニアスの子供の転生者だと言うのは俺設定です。
妄想満載ですが、大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。
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<揺るぎない心で>
凄いスピードで天を駆り、紅い道を上昇していくベクターマーズにアポロの中で何かが込み上げて来る。
ベクターソルの操縦室の壁面に埋め込まれた大きな水晶が赤く、狂おしく光り始める。
そして初めてアクエリオンに乗った時のように、翅の生えた紅い髪の男が浮かび上がってくる。
アポロは背後を振り返り驚愕する。
「あんた…、あんたが太陽の翼…アポロニアスなんだろ?」
しかし、最初と同様にアポロニアスの目にはアポロは映っていない。
ただ前方を突き進むベクターマーズを見詰め苦しそうに眉を潜めた。
(シリウス…行くな…行っては…駄目だ…!!)
まるで身を引き裂かれているかのように、アポロニアスは必死に前方に手を伸ばす。
「な…何故シリウスの名前を…?あんた、1万2千年前に死んだんじゃ…」
アポロは分からない。
1万2千年前にアポロニアスとセリアンの子供が、シリウスであった事など知る由も無い。
「この翅の振るえは…翼…君なのか…?」
ケルビムヴェルルゼバからトーマはアポロニアスの声を聴く。
愛するものを奪う意図を持ってシリウスを誘うトーマにアポロニアスは敏感に反応を返した。
トーマは思ってもみなかった収穫に残酷に微笑んだ。
「そうだよ、君の子孫だ。
君の肉体の一部である翼は私のものにする。
君の…一番大事なこの子をね」
(トーマ!止めろ!止めてくれ…)
前方の黒いケルヴィム兵と話しているのだろう、アポロニアスは哀しそうに呻く。
アポロは黙っていられなくなって叫ぶ。
「シリウスを返せ!奴を惑わせるな!この堕天翅野郎!」
強い意志。
揺るぎない金糸の瞳。
トーマはぞくぞくと身を震わせた。
まずはこの男。
次はもっと残酷な方法で太陽の翼の魂を手に入れる。
これは復讐の序章に過ぎないのだ。
(シリウス…私の元から行かないでくれ…)
余りもの哀しみにまるで空気に溶けるかのように、水晶に消えていくアポロニアスにアポロは強い意志で叫ぶ。
「俺は絶対諦めね~ぞ!シリウス、待ってろ!絶対お前の目を醒まさせてやる!」
そして紅いゲートを潜り消えていくベクターマーズをいつまでも睨み付けていた。
<了>
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シリウスはアポロニアスの肉体、魂はアクエリオンだと言うのが本当なのでしょうか。
転生者は不動司令だったみたいですけど、肉体=子孫はシリウスだと言う事だと思ってました。
そうしたら、シリウスがセリアンの転生者で闇の部分だったと言うのが真実らしいです。
セリアンの光の部分の転生者がシルヴィアという事らしいです。
複雑ですね。でもアポロニアスが大好きでした。