これは、2006年1月8日に書いた「創聖のアクエリオン」の二次創作SSの再掲です。
凄く短いのですが、夫婦の上下関係が分かる作品になっています(笑)
天翅の髪の毛も敏感なのかなとも思いますが、トーマと違い、アポロニアスは違うかなと。
大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。
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<許されない理由>
常春の王国アリシア。
現在の南極に位置していたアトランディア出身で、
然も自らも高温を発する事が出来るアポロニアスは兎に角暑かった。
以前は創天翅として甲冑や上半身に衣服を纏うのを許されなかった為、
ほぼ裸体に近い格好を強いられていた。
しかし今はセリアンやナイトシェードに選んで貰った衣服を身に着けている。
それも暑い要因ではあったが、服を着るのはいい。
しかし、何とかしてこの暑さを紛らわせる事は出来ないかと彼なりに思案していた。
「それは絶対駄目よ。私はイヤ」
お互い公務で忙しかったが、アポロニアスは何とか時間を作り、セリアンに相談をしに来ていた。
しかし、セリアンはすぐに小さくて可愛らしい顔を歪ませ憤慨してしまった。
恋人が怒る理由が分からず、アポロニアスはきょとんとしてしまう。
何故軽い提案が即、却下されてしまったのか問うが、セリアンは取り合わなかった。
「理由も何も、絶対に駄目ですからね?いい?」
其処まで言われてしまうと反論出来ないのが人のいいアポロニアスである。
納得は出来ないものの、渋々頷くしか無かった。
「それは姫が怒るのは尤もだろう」
公務を終え、部屋に戻って来たアポロニアスに茶を淹れながらナイトシェードは笑った。
「その美しい紅い髪を切るだなんて、俺も反対だぞ」
無愛想ながらも柔らかくいつも笑ってくれるナイトシェードさえ、今回は目が笑っていない。
アポロニアスはこんなにも二人が反対するとは思わなかったので、
髪を切るのは諦めるしかないかと内心微苦笑した。
そう、アポロニアスは肩甲骨まで伸びた赤髪を切りたいとセリアンに相談したのだ。
この長い髪の毛さえ短ければ気分的に涼しくなるのではないかと考えたのだ。
しかし、セリアンもナイトシェードも「こんなに美しい髪の毛を切るなど論外だ」
と猛烈に反対したのだった。
「アポロニアス様、その御髪を束ねたり結い上げては?」
とメイド達にからかわれながら、
アポロニアスは今日も長い赤髪を靡かせ剣の稽古場に降りていくのであった。
<了>
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短髪も似合うとは思いますが、長い髪が靡くのがいいんですよね。