モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

ヒシダイ

2024年11月04日 | 私的釣魚大全

学名:Antigonia capros

 

 体長は25cm前後で水深:40~900mに生息しているそうです。八丈島では主に船釣りで釣獲されますが、体が平たく身が少ないため外道として扱われています。また、まとまって穫れないため市場に出ることもないようです。

 少し赤みがかった白身で癖がなく刺身でも食されますが、素焼・塩焼・煮付・唐揚・味噌汁など火を通すことで身がしまり更に美味しくいただけます。

 温暖化,海洋汚染,乱獲などで水産上重要な魚種の漁獲高が減少する中、このような雑魚扱いされている魚種が注目されつつあるようです。

 温暖化による急激な気候変動に比例して、食糧危機も加速度的に進行していくような気がします。

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アオリイカ

2023年07月02日 | 私的釣魚大全

学名:Sepioteuthis lessoniana

 

 胴体長が50cmほどまで成長し、秋から春にかけて防波堤や磯などの沿岸部でも釣獲されることが多く、特に春には3kgを超える大型が狙える人気のターゲットです。雄(投稿画像上側)は胴体部分に短い線状の模様が入るのに対し、雌(投稿画像下側)は胴体部分に小さなドット柄が入るため見分けるのは容易です。アオリイカは一属一種とされていたようですが、現在ではシロイカ型、アカイカ型、クワイカ型の三種に分類されているようです。因みに投稿画像は2個体共にシロイカ型ではないかと思われます。

 八丈島では以前、ムロアジなどを使った生餌釣りやエギ(餌木:エビなどに似せた和製ルアー)にカルビを巻いての釣法がメインだったようですが、現在では全国的に広まったエギング(通常はエギに餌を巻かないが、中には餌を巻くものもある)が主流となっています。

 エギをカウントしながらフォールさせてしゃくり上げる際、「えっ! このカウントで根掛かり?」と思った次の瞬間、スピニングリールのスプールが高速逆回転して、ラインがどんどん送り出されていく。ロッドから手に伝わってくるイカのずっしりとした質量に、大物であることを確信する。やっと海面まで寄せてきても直ぐにスプールが逆回転を始め、あっという間にイカが海底へと姿を消していく。そんなことを幾度となく繰り返して、やっとイカの胴体にギャフを打ち込むと、ギュンギュンギュンとギャフを引っ張り最後の抵抗となる。こんなことを経験すると、エギングから足が洗えなくなってくる訳なのであります。

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メアジ

2020年07月05日 | 私的釣魚大全
学名: Selar crumenophthalmus
 
 
 体長は30cm 前後で同じアジ科のマアジに似ますが、眼が大きく側線の湾曲が緩やかで鰓蓋に黒色斑がないことで、容易に見分けることができるかと思います。

 アジ科の魚は美味なものが多いので、そう思って食すと血合がやや多いためかちょっとがっかりさせらるような気がします。かといって不味いという訳ではなく、可もなく不可もなくといったところではないでしょうか。これは、ケンサキイカだと思ってヤリイカを食した時、或いはブリだと思ってヒラマサを食した時の失望感と同様です。知恵を付けていくと、以前経験したことよりも更に面白いことを知ってしまうため、以前経験したことが面白くなくなり興味を失ってしまう。これを“知恵の悲しみ”というそうです。これもそれに相当するのかも知れませんね。

 メアジもナイト・ゲームにおけるアジング等のライト・タックルを使用したルアー・フィッシングのターゲットです。夜間、外灯の灯りに集まって来る小魚を狙っていることが多いようですが、漁港内の閉鎖的な海域よりも、外灯のある桟橋などのオープンな海域を好むようです。高活性時には海面に追い詰めたベイト・フィッシュを捕食する際に小さく弾けるような白波を立てるため、そこへ向かってキャストすると高確率でバイトしてきます。このようなことがあるので、常に広範囲の海面を確認するのも釣果を上げるャCントの一つかも知れません。
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アオダイ

2020年02月17日 | 私的釣魚大全
学名: Paracaesio caerulea
 
 
 八丈島では“アオゼ”という地方名で呼ばれており、水深:100m 以深の沖合で釣獲されますが漁獲量は多くないとのこと。体長:50cm 前後に成長し背中側の淡い黄色味が入った水色の美しい魚体しています。白身でクセがなく、刺身,焼,煮など調理法を選ばない上品な美味の高級魚。島のスーパーの鮮魚売場でたまに見かけますが、その殆どは豊洲へ出荷されています。個人的には島の青唐(青唐辛子)を入れた醤油で刺身を頂きながら、一杯やるのが至福のひと時かな。
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オオグチイシチビキ

2020年01月03日 | 私的釣魚大全
学名: Aphareus rutilans

 

 
 この個体は夜間に地磯からフカセ釣りで釣獲したもので体長:41㎝ でした。成魚は体長:70㎝ を超えて水深:100m 以深の深場に生息するようです。若魚は時々浅場にもいるようですが釣獲されるのは稀です。身は白身で癖がなく美味。

 八丈島ではヒメダイをコマス、オオヒメ(体長:80㎝ 以上となる大型種)をオオマス(或いはボウマス:八丈島の方言では「大きい」を「ぼうい」と言います)と呼ばれており、両種共にヒメダイ属です。小マスと大マスがあるならば、その中間の“マス”とは一体どのような魚なのかとなりますが???であります。このオオグチイシチビキがそのマスなのではないか?と言う地元漁師の方もいます。残念ながらそれを知る地元の人も減っており、はっきりしたことは分かりません。また、両者共にフエダイ科ではありますが、前者はヒメダイ属で後者はイシフエダイ属と属が異なるのも気になります。この件については引き続き調べてみますが、このことを知る人は既にいなくなっており謎のままという可能性もあります。

 ユネスコは消滅危機言語をリストアップしており、その中に八丈島の方言も含まれています。徐々にではありますが、上記のような方言の存在自体が忘却の彼方へ葬り去られていくようで残念です。都市部と地方では生活面等で未だ格差がありますが、インターネットなどの普及により地方でも色々と便利になってきました。地方での生活,仕事,方言等、時が進むにつれて少しづつ都市部寄りになっているようです。何処へ行っても同じ品質のものを提供されるのが良いとされるご時勢。それも良いのかも知れませんが、何だか多様性が失われていくようで寂寥感のようなものを感じてしまいます。
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オアカムロ

2019年10月24日 | 私的釣魚大全
学名: Decapterus tabl
 
 
 体長:40cm を超えムロアジやアカアジにも似ていますが、尾などの各鰭が赤く体の断面が丸みを帯びているため同定は容易です。

 魚船により沖合で釣獲されることが多いようですが、産卵のためか沿岸に寄って来るため堤防や磯などから餌やサビキ釣りで釣獲されることがあるようです。ショアからアジング用のライト・タックルでの釣獲方法が面白そうですが、やり取りに時間を取られてしまい時合が短い場合は数釣りの期待はできそうにありません。また、春になると漁港内などにおいて、稀に小サバや小アジに混じってオアカムロの幼魚も釣獲されることがあります。

 ムロアジと同様に美味ではありますが、足がはやいため釣獲後は氷等で鮮度を保つことをお勧めします。
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タイワンカマス

2019年10月04日 | 私的釣魚大全
学名: Sphyraena obtusata
 
 
 
 
 体長:50cm を超える個体もおり、体側に2本の不明瞭な縦縞があるのが特徴で、ルアー・フィッシングや餌釣りなどで釣獲されます。個人的にはアジングやメバリングなどのライト・タックルで釣獲するのが楽しいのですが、フィッシュ・イーターで歯が鋭いためリールのドラグ設定を緩めにしておかないと、ライン・ブレイクすることが多くなります。また、釣獲後にルアー等を外す際は鋭い歯に気を付けて下さい。怪我防止の観点からフォーセップ等の使用をお勧めします。

 夜間、ベイト・フィッシュを追って漁港内に入って来ることも多いので、その辺を狙っても良いかも知れません。頭部を真上から見ると眼球をハッキリと確認することができ、ベイト・フィッシュを下から視界に収めることも可能ではないかと思われ、そのためか活性の良い時はトップ・ウォーターのポッパーにも良く反応します。

 この魚を釣り上げた際に時々思い出すことがあります。それは釣り好きで有名だった小説家:開口大兄が、ルアーでパイク(カワカマス)を釣ってリリースする際に、そのパイクに向かって言った言葉です。「ええか、“光るもの必ずしも金ならず”ちゅうてな、光ものや思うて何にでも食らいついとったら、えらい目に遭うでぇ! 次からもうちょっと賢なれや」 まるで自分自身に戒めとして呟いているようでもありました。

 最近ではカマスをターゲットしたルアー・フィッシングを カマシング と銘打って、専用ロッドを出している釣具メーカーもあります。アジング、メバリングなどと対照魚名に“ing”を付けることが流行っているようで、釣具メーカーもあの手この手でアングラーを誘惑してくるという訳です。因みにカマス科カマス属は1科1属だそうです。
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アカハタ

2019年08月11日 | 私的釣魚大全
学名: Epinephelus fasciatus
 
 
 体長:30~40cm で、八丈島では“アカバ”という地方名で呼ばれています。イカ切身などの餌釣りでも釣獲されますが、最近はロック・フィッシュ(根魚)としてルアー釣りでのターゲットしても人気があるようです。八丈島では「泳ぎ釣り」で釣獲されることが多かったようです。「泳ぎ釣り」とは竿は使用せずに、釣糸,オモリ,釣針,糸巻(リールではなく釣糸を手繰り、巻き付けたりするもの)を使用、それを持って泳ぎながら見つけたアカハタの鼻先に餌を付けた仕掛を落として釣獲するという釣法です。この釣法のメリットはターゲットのみを効率良く釣獲できることです。

 潜っている際に、ウツボがタコを食べようと追いかけ回している後を、おこぼれに与かろうとしているアカハタが追尾しているのを何度か確認したこともあります。タコ、ウツボ、アカハタの順に一定の間隔で一列に泳いで行く不思議な光景です。釣獲したアカハタの口な中から食べたばかりのエビやカニが出てくることもしばしば。根の上にじっとしている時は、眼球だけが餌を探して絶え間なく動いているのを確認できます。何でも食べる悪食のようです。

 ハタ科の仲間は美味なものが多い(シガテラ毒を有するものもあるので注意が必要)ですが、アカハタもご多分に漏れず非常に美味! 薄く切った刺身に細かく刻んだ青唐辛子を巻いて醤油を少しつけて食べるのも良いのですが、個人的にはアカハタ独特の事。が出る味噌汁。八丈島ではカメノテやアカハタなどの味噌汁にジャガイモと玉葱を入れることが多いのですが、年のせいでしょうか?それらの甘味がアカハタの事。を半減させてしまっているように感じてしまい、ちょっとがっかりしてしまいます。本来ならばジャガイモはアカハタの事。を吸って美味しくなり、玉葱は味噌汁に甘味を足して更に美味しさが増すはずなのですが、私はやっぱり濃厚なアカハタの事。だけの味噌汁が一番だと思います。若い時はジャガイモと玉葱を入れたものも好きだったのですが、年を取ると共に味覚が変化したのでしょうか? もしかすると、これも“知恵の悲しみ”というやつかも知れません。
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ヒメダイ

2011年03月07日 | 私的釣魚大全
学名: Pristipomoides sieboldii
 
 
 八丈島の地方名では“コマス”と呼ばれ、底釣り(水深:100m以深)で釣獲されます。釣獲される多くは体長:40cm 前後ですが、稀に60cmを超えるものもあるとのことです。身は白身で癖もなく美味で、刺身や塩焼きなどにして食されています。フエダイ科 Lutjanidae の魚は、アオダイ(アオゼ)、ハチジョウアカムツ、ハマダイ(オナガ)など美味なものが多いですな。

 種名の“sieboldii”は、博物学者のシーボルトへの献名だそうです。
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アカアジ

2009年07月22日 | 私的釣魚大全
学名: Decapterus akaadsi
 
 
 体長:30cm ほどで、磯や防波堤からではなく船釣りで釣獲されます。カラー・フォームは尾などが赤くにオアカムロ似ているのに対し、フォームは体高が高くマアジに似ています。フォームがマアジに似ているのでマアジ属 Trachurus だと思っていたのですが、オアカムロと同じムロアジ属 Decapterus になるそうです。漁獲量は同じムロアジ属のムロアジやオアカムロなどと比較すると極端に少ないため、残念ながら水揚げされることもなく、八丈島産の魚として市場に出回るとこはないようです。味はマアジと変わらなく、刺身、たたき、フライなどとして美味しく頂けます。
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