アラフィフ女のないない日記

独身、財産なし、家族なし。ないないずくしの待ったなし、の50代のホンネを書いてゆきます。

イイ女、常盤御前

2012-07-22 16:26:57 | Weblog
またまた、大河ネタを。
先週は平時の乱の戦後処理。
戦がどのような結果をもたらしたか、戦にどのような意味があったのかが現れる重要パートだ。

保元の乱の戦後処理では、清盛は勝ち組だったにもかかわらず、信西の言うがままに敵方についた身内を斬らなければならなかった。
しかし、今回は公卿に昇進した清盛が全処断を任される。
大した出世をしたものだ。

後白河法皇は幽閉されている間、長恨歌をブツブツ口ずさみながら、寵臣の裏切りに怒りを噛みしめていたに違いない。
二条天皇にしても、幽閉の身を救い出して、自邸にかくまってくれた清盛を評価しないわけがない。

清盛がくだした貴族への断は、首謀者の信頼は死刑、それに乗っかった身内の成親はイエローカード。
そして、武家の源氏には非常に甘い裁決をくだす。

ずっと競い合ってきたライバル義朝と、長男&次男は落ちのびる途中に死亡。
嫡男の頼朝、側室の常盤御前&3若君の身柄が六波羅に。
頼朝には流罪を申しつけ、常盤を手籠めにして「3若は京にとどまることが許され」、おわり。

この裁決は政治に長けた清盛らしくないと、以前から謎だったが、このドラマ的解釈を以下に。

理由1.保元の乱の戦後処理で、斬りたくない相手を斬らなければならなかった無念の反動が出た
理由2.義朝と歩むはずだった「武家の世」への道。それを義朝の忘れ形見に見届けてほしい

常盤は、せっかく逃げおおせていたのに「清盛殿のお慈悲にかけてみたい」とタイマンを張りに自ら清盛邸へ乗り込む。
「わが身はどうなってもかまわないから、子供たちは助けてくれ」という常盤に、清盛は自分の生母と面影を重ねる。

その後、コトにおよびながら清盛は「母ならば生きて子供たちの行く末を見届けよ」と挑発する。
常盤はまっすぐ清盛を見つめながら「私は源義朝の妻。もとよりその覚悟にございます」と返す。
女であり、妻であり、母である非常に常盤らしい答えだと思った。

返事を聞いた清盛のニヤッは「さすがは義朝の女、手ごたえアリ」の表情だったように思う。
3若がいるかぎり、自分の母のように、義朝のように、常盤は簡単には死なない。
死なずに自分の歩く道を見届けてくれる。

凛としてたおやかな常盤、貫禄をつけつつ情にもろさを残す清盛。
濡れ場というよりは、覚悟のやりとりのようなお二人のシーン、見事でした。

今夜のタイトルは「滋子の婚礼」。
もう一人の手ごたえアリ、の女性のお話が観られるだろうか。