
一瞬で部屋は暗くなり
聴こえるのは僕らの話し声と台風4号が走って行く
地球が荒ぶる生命力の音
暗い室内では手探りで、少しの灯りを探す僕ら
『また停電だ』
明かりがない、テレビもつかない
冷蔵庫はぬるくなる、開けなくなったパソコン
信号機の色は消えて町の中は真っ暗け
外では
漆黒の雲が空を覆い、雷神は一瞬の閃光を放つ
風神は力いっぱいこの世界に喝を入れる
そして僕らはお互い肩寄せて
明るい世界を手探りで、二つとない灯りを探してる
だから
『ここには希望だけがある』
そう思えた方が楽しい
そう感じた方が自由でいられる
そう受けとめられたら全てが輝き出す
台風はそう囁いて、遠い海へと消えていった
赤い風神は力の限り駆け抜けて
今は星空の下
聴こえるのは、僕らの波が奏でる音
そう信じることで続いていく灯り
『おかえりなさい僕らのあかり』