
スーパーマーケット
ハムやベーコンを吟味しているお母さんは
カラフルなベビーカーを押している
ベビーカーにはオモチャをガジガジかじっている
星空のような瞳の、赤ちゃんという無垢な存在が乗っている
どうしてこんなに可愛いのだろう
どうしてこんなに生まれたての蕾のようなのだろう
きっと、あと30年後位にはこの赤ちゃんも
ハムやベーコンを吟味しながら、ベビーカーを押しているのかもしれない
僕は、白髪頭でそんな彼らをやっぱり
見つめているかもしれない
笑いかけようとして、嬉しく思うのかもしれない
ベビーカーは、未来と可能性を乗せている
僕らの手には、そんな未来を守るチカラと選べるチカラが乗っている
連鎖する命はご先祖様から子子孫孫へ
その狭間にいる僕らが今、原発というものをプライドも失く選んだとしたら
30年後、大人になった子供たちは
そのまた子供たち子子孫孫は
ハムやベーコンをあの日のお母さんのようにのんびり吟味できるのだろうか
『今』という時
『67年前』という時
愛し合うということができるなら
命を続けていこうと思うなら
ベビーカーの中の無垢を、永遠に眩しいくらい繰り返してほしい
なんてね、
2012年に思う
僕はいつも想う