Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

思い出

2007-07-08 | Weblog
まだだ。
何もかもが、まだなんだ。

傍から、人々がいなくなる。
皆、言葉は残さずにある日、ふと、ゆっくりと。

僕は、彼らと何を話したろう。
話すことがあっただろうか。
あったのだろうが、話していなかった。
話す前に、忽然と、まだ続いていくと思っていた風景が
ろくに音もたてずに、夜に消えていった。
もしかしたら、光にかもしれない。

彼らは、僕にとって。

明日は来る。昨日は、もうない。
今日は、僕の体の中。

前を見ようとして、目を伏せる。
まだ、何かを残している。
僕の中に、ゆっくりと流れる霧が、
草の生えた原で揚々と渦巻いている。

どうしたっていうんだ。
まだらしいんだ。ここにはまだ、残っている。
揚々と流れる、細かい霧が。

足下に、いつかの思い出が。

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の夜

2007-07-08 | Weblog
僕は、君の言葉に立ちどまる。それはそれは、ひとつひとつの言葉に。
そこから、何かを拾い上げようとするのだが、いつも何ひとつ
拾えてはいないのかもしれないな。
君の気持ちひとつ、この手にしたことがあるのだろうか?

振り向いたら、誰かいるだろうか?
見上げたら、陽は照るだろうか?
君の姿さえ見えれば良いと、思うのだろうか?

見当たらない。
君の気配も見えず、僕は何だか苦笑いだ。

あいもかわらず行ったり来たり。
寄せては返すを繰り返す僕は、せめて
天の川の畔にいる男女にエールを送る。

自覚はある。
今夜は、幸せの夜。

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2007-07-07 | Weblog
夏草と同じ色 大きな河
上流へ向かうと 緑織りなす山脈
湖には何が住んでいるのか
下流へ向かうと ただただ広い海原
貝殻は何を思っているのか
大きな河は 古里の中
思い出の中の動脈
そこは僕の中の大事な何かを
作った一つの
きっかけ
 
上流へ向かうべきか
下流へ向かうべきか
河の精にでも きいてみるか?

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部屋

2007-07-07 | Weblog
田舎の夜は早く訪れ、朝は・・・
やっぱり遅い。
午前6:30。物音一つしない朝。
僕がキーを叩く、しごく頼りない音だけである。

目の前の景色は、いつもと変わらず、
曇った朝の光で浮かび上がる部屋。
まだ人工の灯りが目立つ室内には、たった今
細かい雨音が侵入してきたばかりだ。

土曜日。
雨の土曜日。
土曜日の朝。
窓と小さな灯りだけが目立つ部屋。

この瞬間も、僕は少しずつ変わっているだろうか。
変化しながら、目的地へと近付いているだろうか。

小さな灯りも、もうじき目立たなくなり
この部屋は広くなる。

さっき見た夢は、どんな夢だった?
目覚めたときの僕の気分は
少し、青かった。
目の前の景色は、いつもと変わらないが
青い朝の色でぼやけていて
僕はここに向かった。

やっぱり頼りなげだね。

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願い

2007-07-07 | Weblog
静かすぎる夜。
寂しくも何ともない。
どうしてだろう、そんな筈はないのに。

次の晩は、七夕だ。
天の川がどこにあるのか、よく知らない。
今まで、知ろうともせずにいたし、ただの物語だろ?
って思っていた。

願いをかける。
次の晩は、あちこちから願いが飛び交い
笹の葉は、吹いてくる願いに
さらさらと音をたてる。

金銀の星は、今宵眠れるだろうか。

日々、誰かのことを思う人たちは皆
少なからず、自分のことと重ねるだろう。
重ねて、なお、誰かを思う。
思うことで
彦星と織り姫は雲が出ようと出なかろうと
かささぎの橋を渡ることが、できるのではないか?

思うことは、多分。
大切なことだ。
形はどうであれ、純粋に思うこと。
純粋を侮ることなかれ。
思うことは、空に通じる。

七夕は、そんな日。
願いが飛び交う、空の社。
流れ星は伊達な、配達人。


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