
春風受けて、街灯にとまった鳥を見る
しばらく見上げた緩やかな坂
始まりと終わりは一人の景色
でも、よくよく感じようとしたらそうでもない
心の一端は世界のどこかの心の一端と通じていて
直感のような繋ぎ目から
ずっと、遥かな奥の遥かな記憶が広がっている
掴むことの出来ない泡のようで
確かにあって無くなることもない非見不動の心の記憶
記憶を辿ることも未来を夢見ることも怖いこと
でも、夢を見ないことも怖いこと
よくよく考えたら怖いこととは一種の安心感なのかも
少し視点をずらしてみたら甘いチョコレートの様な
反転すれば幸福という名の
広い君の中の安心感に飛び込むような、
そんな僕の中の安堵
父と母の、そのまた父と母たちの遥かな記憶と
どこかに通じた君への安堵
街灯にとまった鳥の記憶