昨日は、
宝塚市立病院のボランティアでした。
初めての患者さんで、80代のおばあちゃんです。
お部屋に行くなり「こんな病気になって、みんなはどうやって立ち直っていくのかを教えて欲しいんです」と、
ハラハラと大粒の涙を流されました。
気持ちが落ち着くまでしばらくお話しを伺い、
ティッシュにベルガモットとオレンジの香りを落とし、
そっとベットの柵にくくりました。
おばあちゃんは、
去年まで畑で野菜を、庭ではお花を育てていました。
そんな毎日が続くと思っていました。
なのに…
ある日突然お腹が痛くなり、
病院に行くといきなり“癌”の告知を受けました。
まるで天と地がひっくり返ったようだった…と
ひとしきりお話しを伺いました。
それから数ヶ月が経ち、
病気を受け入れる事も出来ず、
毎日毎日…ただ弱って行く身体と自分の運命を呪っていたそうです。
アロマ・ボランティアのことや、父や母の話しをしながら、
ゆったりとしたストロークで足のトリートメントをしました。
しばらくすると、
「ボランティアって聞いた事あるけど、世の中でホンマにやってる人初めて逢ったわ」と真っすぐ私を見つめられてます。
その“ボランティア”の言葉から何かを感じられたようで、
スッーと身体の緊張が緩んでいきました。
お孫さんや庭のお花の話しが、中心になっています。
そして…
「足のマッサージしてもろてんのに、お腹の辺がポカポカして動いて来たわ」と驚ろかれていました。
またトリートメントに来る事を約束して退室する頃には、
おばあちゃんは笑顔になり手を振って見送って下さいました
病気を受け入れる難しさ。
治らないなら…いっそ痴呆になりたい!
今すぐ薬で寝かして欲しい!
家族の足枷になりたくない!
…。
… …。
心の奥から絞り出された悲鳴です。
気持ちもささくれ立っていたでしょう。
不安定になった心が揺れ動き、
本来の居場所から迷子になったようでした。
香りとタッチングで緩んだ心に、
ほんの少しだけ…私の話しも浸透したようです。
「ちょっと家族に甘えてみようかな…」と、
ニッコリされたおばあちゃんと母の顔が重なりました。
今日の一日に感謝です。