隙間
ご存知の通り、住宅では隙間は相当な悪さをします。
冬の隙間風なんて言えば、身震いですね。
私の家は恥ずかしながら、すこし風が吹けば、建具が音を立てて揺れていました。
それで、10年程前に板金の貼り直しをしたのですが・・・・・・冬は寒くてとても和室では寝れません。年を重ね余計に寒さが感じます。
もっとも、最近の住まいは気密性が高まり、私の家の様に、隙間風に気付くほど
酷い事は無いでしょう。
それでも細かい事に目を向ければ、例えば、サッシ周りに手をあてれば、冷たく感じる箇所が有るかもしれませんね。
さて隙間の弊害ですが、
今まで何度もお話をして参りましたが、なんて言っても隙間のおおきな住宅は
*熱損失が大きいですね。冷暖房費用が多くかかります。
*外気に作用され室内で温度差が起きストレスが溜まります。
*外気が出入りし、必ずどこかで結露を起している。
よって、ダニ、カビなどが発生し易く、木材は劣化し、住まいの強度、耐久性が
大幅に落ち、人の健康被害を及ぼします。
*シックハウス対策に義務付けられた換気システムが隙間によって
正しく作動してない。
換気設備は義務付けられているから付いては有っても、隙間が有って飾り的な
住宅となっている恐れが多いです。
端的に言えば、隙間の大きな住宅は、エネルギーのロスが大きく、
建物の寿命が短いのです。
そして今後は高齢者が増える事で家庭内事故が増える事ともなります。
隙間の有る住宅は、
幾つか大きな問題点を持っていることを再度確認して頂けた事と思います。
それで、本日は隙間から損得を計算した資料を紹介致します。
【この資料は福田温熱空調さまから提供して頂いています】
たかが隙間ですが、隙間の大きな住まいにはお金の面からも大きなリスクを
背負った住まいで有る事を計算上からもご確認して下さい。
ちなみに
(A)一般的に建築している建物は気密住宅では無い為、気密測定が出来ません。
故にすきの相当面積(C値)はさだかでは有りません。
そこで、国の気密住宅の基準値C値は5㎠/㎡以下
(床面積1㎡当たりの隙間面積の割合が5㎠以下の事)となっていますので、
この近辺が一般住宅のC値と推察出来ます。(石川県はⅣ地域山間部Ⅲ地域)
(B)北陸の高気密高断熱住宅の実測平均値0.7㎠/㎡と仮定
(上記のデータ-をもとにA・Bの建物の熱損失を計算します)
例 延べ床面積約40坪(132㎡)の住宅とします。
体積=床面積×天井高 132×2.45=323.4㎥
条件設定は 北陸の1月~2月の冬季 外気温度0℃ 室内温度20℃
外風風速6m/秒㎙
*風による自然換気回数【ある表から引用】から熱損失量は?
=換気回数×体積×空気の容積比熱×内外温度差
(A)5㎠/㎡の家
1.35回/時間×323.4㎡×0.3㎉/時間【空気の容積比熱】×20℃【温度差】=2619㎉/時間(A)
【B】0.7㎠/㎡の家
0.19×323.4×0.3×20=368㎉/時間(B)
* 内外温度差による自然換気回数(ある表から引用)から熱損失量は?
(A) 5㎠/㎡の家
0.33×323.4×0.3×20=640㎉/時間(a)
(B) 0.7㎠/㎡の家
0.07×323.4×0.3×20=136 ㎉/時間(b)
A 5㎠/㎡の家熱損失量合計
2619(A)+640(a)=3259㎉/時間(3.79㎾/時間)
B 0.7㎠/㎡の家熱損失量合計
368(B)+136(b)= 504㎉/時間(0.58㎾/時間)
コストの計算
A 5㎠/㎡の家(隙間の大き家)
3259÷8240×8時間×60円×30日=5695円
B 0.7㎠/㎡の家(すき間の少ない家)
504÷8240×8時間×60円×30日=880円
*たかが隙間と思いの事でしょうが・・・・・なんと差額(月額)が約4815円も!
(灯油発熱量(1L)8240㎉/時間 1日8時間使用 灯油1L/60円)
気密を考えないで建築するのと高性能住宅を造るのでは建築後のランニングコストに大きく差が生じます。
すき間風だけで10畳用の石給ストーブが必要になります。
ムダの大きい家造りは止めましょう。
以上
気密を高めるだけで得して、尚且つ各家庭からのCO2排出の削減に一役ですね。
気密を高める事は一石二鳥、三鳥、いや四鳥にもなります。
参考に灯油で計算とされていますが、気密住宅となれば、オール電化住宅がベストとなります。
写真は隙間の大きい施工現場事例です。
まじめな社長の真面目な住まい造り実践会 代表 米田正憲