安全は無害・・・・NO 日本の社会は永く産業界を重視する余り個人の安全がおろそかになっていました。そこで消費者保護法なるものがようやく法制化されました。(尚、建築は消費者保護法の網の目から外れています。)この法律で、製造者は大きな責任を負う事になりましたが、責任を追及しても被害を受けてからでは手遅れです。元には戻れません。そこで、被害者にならない為の家造りを考えたいものです。
例えば、自己を守る為、少々高くても無添加食品や有機野菜を用い、より安全な食生活を実践し健康に注意している方は沢山おられます。住宅建築でも同じ考えの方が増えて来ました。もっともイニシャルコストがアップしますのでその数は少ないのですが、無添加・無農薬・高断熱・高気密住宅が多くの方から注目を集めているのは、現状の住宅造りへの不満・不安のあらわれではないでしょうか。私が思うには自然素材で造る高性能住宅でしょうか。
基本的に食べ物や住む場所においては、薬物処理や化学物質で加工した部材でないのがベストです。しかし、現状では安全基準値をクリアーした加工商品を多用しています。例えば、今日の建築現場には「防腐、防蟻加工」をした木材が多くの現場で使われています。(木材を強制乾燥させ防腐・防蟻剤を加圧注入した木材で色が薄汚れた緑色しています)腐りにくいから、シロアリを寄せ付けにくいと言って、安全基準をクリアーしているからドンドン使っていますが、果たして本当に無害なのでしょうか?疑問が残ります。又、将来廃材となった時の環境問題(リサイクルが出来ない?ダイオキシンの発生)からも討論の余地が有ります。その上、木材のもつ本来の特性を無くし、繊維を痛め強度も落ちます。つい数年前ですが、当時、加圧注入木材は素手で作業しても大丈夫なんて言われていました。それが、ちっとも大丈夫でなかったのです。クロルピリホスが混入されていました。このクロルピリホスが日本でも禁止になりました。米国で危険性が確認され禁止なったからです。(2002年に禁止、わずか数年前の事)最近大きな社会問題になっていますアスベストも同様ですがこの件は又後日に考えたいと思っています。
この様に、安全基準があっても無害ではないのです。実際に被害者が出て初めて禁止もしくは安全基準値が厳しくなります。実験台に乗せられている様ですね、この考えおかしくないですか?裁判なら疑わしきは罰しないのですが、人の健康に関する事です。疑わしき物は使わないのが原則ではないでしょうか。経済性や限りある資源を考えれば薬剤処理しなければならない木材を利用する事も、ある程度、理解しますが、工夫をすれば、薬剤処理をしなくても住いは建ちます。これは造り手の考え方、家造りに取り組む姿勢で大きく変るのではないでしょうか。薬剤処理をして安易に利益を求める考えと、住む人の健康を考えた住まい造りをするのかになります。
あさひホームでは、基礎から土台により安全な防蟻・防腐対策(木材に薬剤処理をしない)を施し、壁内部結露防止して木材に湿気を及ぼさない施工、さらに木材そのものが持つ木の特性(湿気に強く、シロアリを寄せ付けない、桧やヒバ材を用いる)を生かした家造りをしています。シロアリの食害は時々の点検をする事で防げます。であるならば、シロアリを寄せ付けない工夫をして薬を使わないほうが、私はベストと思っています。(薬を使わなくて10年保証をしています。)もっとも、家造りに絶対は有りません。夫々メリット・デメリットが有ります。そして、家造りには常にリスクはつきます。まして、工場生産で作る商品では有りません。現場でかたちを創り上げていくのです。比較してリスクを軽減した家造りを選ばれるのが皆様方です。今回は、防蟻・防腐剤から「安全と無害」を考えて見ました。
まじめな社長のまじめな家造り実践会 米田正憲