汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

制作記録 3

2009-10-31 | 和裁レポ
いったんは着物を仕上げたもののあまりの仕上がりのかっこ悪さに、直したものか、このまま普段着として着るか、しばし考えてこんでしまった私。正直いって技術的かつ時間的に直しができるか自信がなかった。
しかし結局、「着たい!ちゃんと外で!!」という気持ちが勝り、直すことにした。

まずは自分でも安心して直せそうな、単純な構造のところから手を付けようと、前身頃の下の方の”くけ”から直す。その他、ちょこちょこ直し、ついに最難関の衿回りが残るのみとなった。

衿部分の難しさは、曲線を作るという他に、いろいろパーツが集まって布が重なり合っているので扱いにくいということがある。直そうとして糸をほどいたら、ぜんぜん違う部分をほどいてしまうのではないか?そんな不安を覚える。しかし、女の道は一本道。ここまできたらやるしかない。

ただ、同じ過ちを繰り返すのもアホなので、ちゃんとしたアドバイザーの指導を受けてから直そうと考えた。そこで頼ったのが、よくお世話になっている着物リサイクルショップの吉祥寺支店。ここで和裁教室が開かれており、単発参加も可能、かつ、自分のテーマをもって学べるのだという。

で、行ってきました。
千葉県柏市から、23区横断して武蔵野市吉祥寺へ。

案ずるより行なうは易し。
直したいポイントを教室参加の前日にびくびくしながら解いていったのだが、間違えもしなかったようで、着物も崩壊することなく縫い直せた。
力布もちゃんと正しく耳たぶのように直せたし。
先生には、カーブを作るときの縫い方のコツや、縫い目の針具合といった、本には載っていないようなちょっとしたTIPSを教えてもらえ、それによって自分で縫ったときより格段に効率アップできた。

ちょうど私が参加した日から初めて加わった人もいて、横で布の裁ち方や鯨尺について教えられていて、門前の小僧よろしく、私の経験していない部分の知識も得られた。

ちなみに、私の苦戦した衿につける力布、この作り方はいろいろとあるそうだ。道理でテキスト本と形が違ったわけだ。

やっぱり初心者は、ちゃんお他人に教えてもらうもんです。
そのほうがまったく効率がよい。

しかし、それでも私は自分一人で縫うことに挑戦して良かったと思っている。一人でどう縫うか暗中模索したことで、着物の構造も身をもって理解できたし、自分の裁縫技術の程度の自己認識も進んだ。
そのおかげで、「気に入った反物を買ってじゃんじゃん自分で仕立てる(かも?)」などというひそかな野望が、いかに身の程知らずかを悟ることができた。

何よりも、仕立ててくれる人に対する感覚が変わった気がする。
それまでは、仕立て代の金額を見て「高いなあ」としか思わなかったのだが、これだけ大変なことをしてくれると思うと、「高い」というだけの一辺倒な思いではなくなってくる。自ずと縫い手の技術に敬意が湧いてきた。

どういう人かはわからないけど、私のために一針一針、こんなに長い距離にわたって縫い進めてくれたのかと思うと、ますますその着物がいとおしくなってしまう。

人が着物にはまる魔力は、思いがこもった一つ一つの縫い目から発しているのかもしれない・・・と、ふと思ったりもしている。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (ミィリィ)
2013-05-30 20:46:32
初めてのコメントです。私も今着物を縫おうか考えているところです。
単発でてきる和裁教室ってどちらですか?おしえていただきたいです
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和裁教室 (はつき)
2013-06-01 08:16:26
ミィリィさん

古い記事なのに、見つけてコメントくださり、ありがとうございます!
私が行ったのは、吉祥寺の「kesa」というリサイクル着物のお店でした。表参道の「くるり」の支店です。「くるり」さんは、支店のあちこちで和の教室を開かれていて、そのなかの一つの位置づけのようです。ご参考まで。
返信する
ありがとうございました (ミィリィ)
2013-06-04 13:35:21
サイト見てみます
教えていただきありがとうございました
これからもブログ楽しみにしています♪
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