デュフィの《電気の妖精》(1937)という作品は、1937年のパリ万国博覧会の時に電力会社から依頼を受けてパビリオンに展示するために、描いたものです。
この作品の前に立つと色がシヤワーのように降りかかり包まれるような感覚を覚えます。非常にデュフィらしい色彩感あふれ見ているだけで幸せになる作品です。
(2021年11月撮影 i-phone11pro)
色彩の海の中に、電気にまつわるたくさんの人々が書き込まれています。
時代も様々なので、衣装もポーズも様々です。
このためデュフィはコメディー・フランセーズ俳優たちを使いました。
この作品も大きいんですよ、縦10m横60mというとてつもない大きさの壁画です。
作品を見るといろいろな人がいろいろな衣装で登場します、電気の歴史と電気にまつわる様々な分野の人たちがあたかも絵巻物のように次々と描かれています。ひょっとしたらこの時期ですから日本の絵巻物語がヒントになっていたのかもしれませんね。
デザインの世界の作品ともいえるマチスとイラストレーションの世界をその先に見るデュフィの作品をここでともに見ることができる喜びがあります。
そしてパリ市立近代美術館の企画力のすごさも見事というほかはありません。