
ウイーン
美術史美術館
ヒエロニムス ボス
私は2013年に欧州気まま旅を始める前には「ヒエロニムス ボス」という画家は知りませんでした。美術館で、たまたま目にするたびに奇妙な絵を描く人位の認識でした。
何回か見る中で、やはり引っ掛かりは消えませんでした。
ヒエロニムス ボスは1550年ごろ生まれたとのことですが、正確なことは分かっていません。
時のスペインハプスブルク家のフェリペ2世が彼の熱心なファンでありスポンサーでした。
この1500年代というとレオナルドダビンチが活躍していた時期です。日本でいうと戦国時代ですね。
スペインハプスブルク家が勢力を伸長し強力な力を持っていました。
このフェリペ2世に目をかけられていたのですからたいしたものです。
ヒ エロニムス ボスの作品は美術史美術館に収められている「十字架を運ぶキリスト」のように現実的で写実的なものと、画面いっぱいに魑魅魍魎が湧き出してくるようなおどろおどろしくもかなりユーモラスなものがあります。
フェリペ2世や多くの貴族たちに寵愛され作品を書いていたと思われるのですが、その後に起こった宗教対立で、偶像崇拝を否定するプロテスタントなどにより破棄されたものも多く、現在残っているのは30点ぐらいといわれています。
美 術史美術館にあるのはさきほども書きましたが「十字架を運ぶキリスト」です、ヒエロニムス ボスは宗教画を描く画家でしたその魑魅魍魎が跋扈するような絵も、キリスト教を信じないとこんなところに送られるという主題だったり、地上には様々な罪や誘惑があるから気をつけなさいという教訓がたくさん含まれています。
しかしそのグロテスクさから先述したように悪魔的画家であるという評価も当時はありました。
「十字架を運ぶキリスト」はキリストが死刑になるためにゴルゴダの丘に自ら十字架を背負って歩いていくという有名な聖書の一説です、まさにクライマックスとも言える部分です。
主役のキリストは意外と小さくさらりと描かれており、上部にのしかかるように兵隊や、ユダヤ教の神官などが描かれています。
私が気になっているのはこのキリストが背負っているのは、十字架ではなくT字架なのです、そしてほかの絵も見てみるとT字架も時々あります。

そして、この絵の裏に他の絵が描かれています。歩き始めたばかりの子どもが、手押し車を押している絵です何か不思議な絵ですが私は好きです。
#ウイーン #美術史美術館 #ヒエロニムス ボス #十字架を運ぶキリスト #ウイーンが好きな人