2021年6月訪問
”FOUJITA EXPLORATIONS IN COLOR”「ポーラ美術館」
2021年4月17日から9月5日まで箱根の「ポーラ美術館」で開催されている
”FOUJITA EXPLORATIONS IN COLOR”「ポーラ美術館」に行ってきました。
会場のエントランスの風景です、かなり簡素な感じです。
『レオナール・フジタ』(1886~1968)
『フジタ』が絵を描き始めた明治維新期は急速に進行する洋風化の波に、
彼の画風は認められませんでした。
意を決した彼は、1913年パリへ向かいます、しかしそこでは油絵の具を分厚く塗る
画法が主流で、藤田の絵はここでもなかなか認められませんでした。
そこで彼は1920年代に『乳白色の白』と呼ばれる技法を考え出し成功をおさめます。
その時代の絵は撮影禁止でご紹介できません、
日本はどうして撮影禁止の美術館が多いんでしょう。
『つばめと子供』(1957)
『フジタ』は第二次世界大戦がはじまる前の1933年に日本に帰国します。
その後従軍画家となり、中国へ渡ったりします。
また、戦時下では、画壇の要職を務めたこともあり、戦後は迫害を受けます。
失意の『フジタ』は1949年に日本を離れパリに行きます。
『誕生日』(1958)
パリに戻った彼は子どもの絵をたくさん描くようになります。
この子どもを主題とした作品にも、『乳白色の白』の手法が使われています。
中央に大きな円形のテーブルがあり、それを覆うリネンは白です。
そして壁も白です。
少女たちは色とりどりの服を着ていますが、その色が白に一層映えます。
『少女と果物』(1963)
果物の中に子どもが座っています、1930年代に彼は個展のために南米に行きます。
そこで、あふれんばかりの色のシャワーを浴びて、彼の絵は白の世界から
大きく変化します。
この絵も、それから30年の月日の流れがあり、それを懐かしんでいるのかもしれません。