2020年1月訪問
バンディーニのピエタ ミケランジェロ ドゥオモ付属美術館 フィレンツェ
『ミケランジェロ』(1475-1564)
《バンディーニのピエタ》(1547-1555)
私が訪ねた、2020年10月にはこの作品はちょうど修復中でした。
以前は修復中は公開されなかったのですが、
最近はこうして公開されることもあります。
『ミケランジェロ』は生涯に4つのピエタを制作したといわれています。
1.ローマ:サン・ピエトロ寺院にある『ピエタ』(1497-99)
2.フィレンツェ:ドゥオモ付属美術館にある『バンディーニのピエタ』(1547-1555)
3.フィレンツェ:アカデミア美術館にある『パレストリーナのピエタ』(1555-)
4.ミラノ:スフォルツァ城にあるピエタ(1555-1564)
『パレストリーナのピエタ』は『ミケランジェロ』作ではないという説があります。
この作品を見てまず視線が向かうのは『イエス』の顔でしょう。
そして、顔のすぐ下からむごたらしく垂れさがる手です。
そしてその手のひらは不自然にこちらを向いています。
そうして拡大してみるとわかるように腕は中ごろから
打ち砕かれようとした痕跡があります。
この痕跡は『ヴァザリー』によると、二つの説が書かれています。
大理石が硬くて作成を続けることができずに打ち砕いたというもの。
作成途中に作品が気に入らなくなり打ち砕いたというものです。
どちらが真実かわかりません。
しかし、この作品を買い取った『バンディーニ』の要望に応じて、
『ミケランジェロ』の弟子が修復をすることを承諾したということなので、
彼自身この作品に対する愛着はすでになかったのかもしれません。
修復された部分は左側の『マグダラのマリア』そして左足でした。