ヨーロッパを代表する世界の3大ピアノのひとつ、ベーゼンドルファーピアノについて、少しご紹介したいと思います。
画像の転載元はこちら→ Bösendorfer Japan - ベーゼンドルファー・ジャパン (boesendorfer.com)
日本国内でも、スタインウェイに次いで人気が高く、多くの音楽ホールに常設されています。
その音は深く、伸びやかで、繊細なタッチから力強いタッチまでまったく破綻がありません。
コンサートグランド(モデル280VC)は、「歌う音」と評され、室内楽、クラシック曲、ジャズからポップスまで、幅広いジャンルの表現力に応えるコンサートピアノとして定評があります。
「モデル290 インペリアル」は、ベーゼンドルファーをもっとも象徴するコンサートグランドピアノです。
モデル290は、最低音のラ(A0)よりもさらに低いド(C-1)まで9鍵盤を拡張しています。
これは、イタリアの作曲家でピアニストでもあったブゾーニの要望に応えたもので、ドビュッシー、ラヴェルなど印象派の楽曲を、より忠実な響きをもって再現することができます。
この拡張鍵盤は『弾くため』というより、ダンパーペダルを踏んだ時の『共鳴効果』と、弦同士の『共振効果』が狙いです。より豊かなピアノ本体の箱鳴り、繊細なタッチから導かれるpp(ピアニシモ)を、できるだけ長く美しく響かせるための工夫と言えるでしょう。普段演奏する時、この鍵盤に指が触れることはまずありません。
「現代音楽の演奏のために拡張された特別な鍵盤」と誤解されている方が多くおられるようですが、残念ながら違います。
(モデル290 インペリアル低音部の拡張鍵盤)
ピアニストがこのピアノを弾くときに余分な鍵盤にまどわされないよう、拡張された左側の9鍵盤は、通常時は黒蓋で塞がれており、白鍵部分は黒檀鍵盤に加工するなど、演奏時に混乱をきたさないよう配慮されています。
また、ベーゼンドルファーの巻き弦(低音部の弦)は、こだわりの手巻き銅線で、ベーゼンドルファーピアノならではの豊かな響きを生み出すのに、一役買っています。
手が直接触れる鍵盤部は、スタインウェイの鍵盤も作っているドイツ・クルーゲ社製鍵盤です。
ヨーロッパの高級ピアノのほとんどは、クルーゲ社製鍵盤を採用するため、鍵盤のさわり心地は、スタインウェイピアノとほぼ一緒です。
興味が沸いた方はぜひ、ベーゼンドルファー公式サイトを訪れてみてくださいね。
Bösendorfer Japan - ベーゼンドルファー・ジャパン (boesendorfer.com)
「ベーゼンドルファーの完成度の高さは、私の最も厳しい要求さえ超えている」
フランツ・リスト
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