四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
4月20日「火熾しと凌流パッキング術を学ぶ」の様子
晴天の心地良い凌らしからぬ気候と相成った当日。今日は停滞してのお話がメインとなりそうなのである意味良いのかな。
高尾山口駅周辺は人でごった返していたので、そそくさと場所を移し、簡単なご挨拶。今回は地図読みしないけど、一応地形図にて大まかな今回のルートをご説明。
ついでに初めての方もいたの、地形図のあれやこれやをお話。より詳しい地形図地図読みはまた、違うテーマの回に参加されたし。
そして早速、初の新テーマでもある「凌流パッキング術」について、森勝氏からの講義を開始。これはある種、森勝教授による研究発表会でもある笑
今回参加者へは「一泊二日」「バリエーションルート」を想定した装備にて臨んでもらっている。それぞれ思い思いの装備となっており、それはそれで興味深かった。
科学的な観点も含めて語り、それを実践して感じてもらう。いわば普段のシノギングにも通ずる講義内容で、非常に腑に落ちる内容であった。詳しくは参加者のみぞ知る。。
他にもザックの背負い方、背負い位置の重要性を解いたり、
パッキング術のキーともなっていた「重心」を意識した歩き方など、
かなり実りのある講義内容となっていたのではなかろうか。
一例として、普段イベントでも偶にやっているが、森勝氏が標的としていた参加者のザックにて実践してみる。まずは皆にそのザックの状態を確認してもらい、なんならばいじる前に一度背負ってもらい背負い心地も確認してもらう。
そして追い剥ぎ開始。
「重心」を意識して、あれをこうして、これをこうして、、とパッキングしていく。
それ以上に「美しさ」へも重点を置くのが凌流。パッキングが美しい人はそれだけで「こやつ、できるな...」感を演出してくれる。
そうして完成したザックは見た目も美しく、背負い心地も段違い。再び皆で背負い比べてその違いも感じてもらう。
次の方。一見卒なくパッキングできているようだが、余分な隙間が多く、この辺りと重心を意識して再パッキングしていくと。。
見栄えもすっきり格好良く完成。やはりピシッとしたパッキングは気持ちが良い。
あれやこれやと2時間近く談義をし、お次はもう一つのテーマ「火熾し」を実践するために少し場所を移動。休憩もついでにそちらでしてしまおうという算段。
とその前に、いつものお貸し出しを。
その間に森勝氏の靴紐チェックもくまなく入る笑
装着完了!
いざ出立!
地図読みで時間を割きたくなかったので、適地まで一先ず先導する。近道をするためこの後急登尾根を詰めたが、結果的に凌いでしまったのはご愛嬌。
そうしてとある尾根上のポイントに到達すると、ここでハンモック休憩とするが、その前に常連さんも多かったので、その中からランダムで選出し、普段張っているハンモック張りを初めての方向けに実践してもらう。
人に見られながら張ると緊張するもの。それを乗り越えた先にある到達点を目指せ!
タープも含めて綺麗に張れました◎
お隣さんも無事張り終えることができ、初めての方々は実践的な張り様子を垣間見る事が出来たかな?
それでもまだ休憩に入らせないのも凌流。初めての方メインでロープワークも実践。
凌流ハンモック術も伝授。ついでに凌ハンモック「ゲッカビジン」も軽くお披露目。詳細はまた、今後のイベントで確認されたし!
まだまだ終わらない笑 このタイミングで「火熾し」について、各ウッドストーブを用いて談義。
詳しくは参加者のみぞ知る。。相変わらず皆さん真剣な顔。
森勝氏の自慢道具、空中テーブルの上で、実際に着火ファイヤー。
要領とコツさえつかめば、簡単な火口だけでも火熾しは可能。これが決まると気持ちも良い。
ウッドストーブによって特性があり、着火の方法も変わってくる。特性を理解して、それにあった着火方法を身に付けるべし!
そうしてようやくお昼休憩へ。
それぞれの別荘でそれぞれの休憩を堪能す。
ハンモック初めての方々も、その快適性の虜になっていた。これは実際に試してみれば、だれでも実感できるはず。
どうやら「ゲッカビジン」には素材違いも存在するらしい??
休憩を堪能した後は、参加者皆さんにウッドストーブによる火熾しを実践してもらうために、沢沿いに場所を移動する。その前に、肝心な燃料となる「薪」をそれぞれ集めてももらう。勿論その薪枝の選定にもある種のコツがある。。気になる方はシノギングイベントに参加されたし!
そして究極の火口にしてサバイバル術の一端ともなる「ファットウッド」丁度良いそれが転がっていたので、鋸で切り出し、、
着火オンファイヤー!松明のように火が燃え続けてくれる。この詳細も知りたければシノギングイベントにて!
沢は来た尾根をピストンで戻った先。つまりあの急騰をまた下るのか。。結果的にそこそこの凌ルートとなっているのであった。
無事沢地点へ到着。チロチロと流れはあり。皆でたむろできそうな適度な場所にて、先に集めてもらった薪枝にて火熾し開始。
はたして上手に着火できるであろうか。。
こちらも。。
こちらも。。。
着いた!ファイヤー成功!
皆選定した枝も良質で、メタルマッチ使いも卒なくこなし、しっかり火熾し出来ていた。実践できるとその感動も一入だ。
こちらも最初少し苦戦していたが、何度か実践することで、、
着火成功。火口に着火後も如何にしてそれを薪に移して育てるか。このノウハウも結構肝となっている。
参加者全員が火熾し実践出来た。この経験値はきっと次に活かせるはず。
まだまだ焚火をしたい気持ちに後ろ髪を引かれながら、撤収にて沢沿いの帰路に就く。今回は語る部分と実践的な部分も多く、皆お腹も一杯のご様子。しめしめ。
決して笑ってはいけない奴にて〆とす。
シノギングには地図読み以外にも、多くの知識を必要とします。今回その一端を担うテーマにて、これらを知り理解する事でよりシノギングの質も向上することでしょう。ロープワーク同様、これらは反復して身体に沁み込ませるように、参加されたシノラー達は忘れぬ内にどんどん実践して下さいね。
シノギングの情報は巷に溢れていません。気になる方はまず、このシノギングイベントに参加してみて下さい。この手記から得られる知識情報はほんの一部で、文献では得られない体験がこのイベントには詰まっています。実際に参加することでシノギングのあれやこれやを知ることができるでしょう。即ち百聞は一見に如かず。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし

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