…万が一、相葉ちゃんだったら。
いやいや、こんな原宿なんかに。ねぇ…。
でも、今一番近くにいるのってわたしだよなぁ
今、わたしが何か落としちゃった場合、拾ってくれるのか?
相葉ちゃんなら拾わないよなぁ…
いや、相葉ちゃんなら拾うのか?
みんな、彼のことをどう思ってるんだろう?
前から見たら意外に普通の人だったりして
よし、前から来るあの二人組みの女の子の反応を見てみよう。
…えっ?
今、「あれっ?」って反応をしたような。
本当に、本当なの!?
普通の反応じゃなかったよね?
今、「あれっ?」って。そういう顔したよね?
いっその事、回り込んで……
バカバカッ!そんな事はあってはならない事じゃないか!
今は一般人として偶然、この男の人の後ろを歩いているだけなんだから
…それにしても、このドキドキは、なんなんだ。
遠い田舎から東京へ来て芸能人らしき人物を見るなんて。
しかも、その本物かもわからぬ人を前にして
こんなに妄想を膨らませてるなんて…
ただのバカな田舎者じゃないのかな?
そんな事を考えていると、彼は右へ曲がりました
その先には、ラーメン屋か定食屋か、まぁ、とにかくそんな普通な感じの、あんまりお洒落とはいえない、そんなお店がありました。
彼はそこへ入って行ったのです。
こんな所に一人で…相葉ちゃんは
来ないよなぁ~
そしてわたしはまた歩き出しました。彼との距離はどんどん離れていきました。
あれが相葉ちゃんだったら…
思い出すたびにドキドキします。
あの時右に曲がった彼を見て、「あぁ、違うんだ」って思ったけど。
《もしかしたら…》
そう考えたら時間がたった今でも、不思議な気持ちになります。
いつかここに書こうと思っていたお話です。
では・・・