12月14日の空が曇っている夜に大阪の本町からいくらか歩いたところにあるchef d'oeuvre(シェ ドゥーブル)で、灯りをつけた小さなスペースで、津田貴司さんがかすれた笛をすぅー、と吹く、あきのりが素足でそぉぅっと入っていきました。
あきのりはどんな音が鳴るのか、津田さんの音に少しずつ触れていきます。お互いが歩み寄りすぎず、そろそろと音と踊りを紡いでいきます。
あきのりは自分のダンスボキャブラリーを広げていき、何をしたら良いのか全身全霊で考え、これはダンスなのか、でもこれが自分のダンスなのかもしれないと緩急つけた踊りが自動的に生まれます。
津田さんの音楽にはメロディアスな部分が少ない反面、とても一音一音にパワーがあり、音が途絶えた静寂もものすごいパワフルで、その音に対抗するにはいつもの自分ではいられないくらい、会場がマジカルな空間に変わってしまっています。
あきのりは一人で踊っているのではなく、会場と空気と津田さんと観に来てくださったお客様に動かされつつ、自分でもわからないチカラでどんどんと次のダンスが生まれ、そこに没入していくことと、そして冷めた目線、心の思い、過去あったこと、それらが次々と立ち現れ、必死になって踊りを生成していく、そこで別の自我で踊っている自分を発見し、お客様に返していく、普通の時間感覚からはとてもほど遠い、とてもスペシャルな音楽とダンスの時間でした。
このイベントに来てくださったお客様、本当にありがとうございました。そしていろんなご都合でお越しになれなかった皆さまにも、これからぜひマジカルな音楽とダンスを体験していただきたいと思います。
会場のchef d'oeuvre様にも大変お世話になりました。ありがとうございます。
これは出演者だけで成立したものではありません。観に来てくださったお客様、そして会場の力で生まれました。
この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
秋紀芳慧
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