大変ご無沙汰しておりました。このブログを読んでくださっている皆さまは変わらずお元気でお過ごしでしょうか。
あきのりは人生の大きな変化を、引っ越しして7ヶ月を超えたここ大阪で経験しています。
皆さまは子供の頃の自分を思い出したりすることはありますか？小学生当時に見た大人はもっと大人らしく見えましたが、いざ自分が大人になってみるとそんなに大人らしくなれていないのに驚きます。小学生時分神戸西区の田舎の稲を刈り取った後の田んぼで空をぼーっと眺めていた俺が将来音楽やダンスをやってるなんて想像したことなかった！
久しぶりのライヴが決まりました。ソロ名義のYoshie Akinoriでサンプラーをメインで演奏します。いつものRoland SP-404SXと27年前のコンパクトなサンプラーYAMAHAのSU10を使う予定です。新たに加わったSU10は先日amazonの中古で手に入れたサンプラーで、SP-404と同じくスタンドアローンな単体で音を鳴らせるサンプラーです。
左がSP-404SX、右がYAHAMA SU10
以前はできる限りSP-404SXで完結できる演奏をするという縛りを自分に課して演奏をしていました。それはたくさんの機材を持ち込んでのライヴをしている音楽家に対する「SP-404SX一台だけでも音楽が作れる!」というイキったアンチだったり、また機材を増やさないという限界の中からいかに豊かで目新しい音楽ができるかという自分自身に対する挑戦でもあり、さらにはシンプルな構造の音楽を作るために機材を増やさないということでもあったり、またお客様から見て少ない機材で演奏することによって音楽を作ることはたくさんの楽器を使わなくてもできるということを証明したいという気持ちがありました。この気持ちは今でも変わりません。
最近聴いて感銘を受けた"Toru Takemitsu / Toshio Hosokawa : Works for Solo Guiter - Marco Del Greco" という武満徹と細川俊夫のギター曲のアルバムは、マルコ・デル・グレコさんの、武満のシンプルかつ不思議なメロディ足りえるかどうかのキワキワを漂う旋律でもって強力に音楽の磁場を作り出している演奏がとっても素晴らしくて、たくさんの音を鳴らしてひたすら大音楽風を聴かせる演奏家よりも、余分なものを削ぎ落としてこんなにも空間に力強く働きかけるマルコさんの武満徹の方が、音楽の素晴らしさを感じさせてくれます。
しかしさすがに一台のサンプラーで思い描いている音を鳴らすことに限界を感じてきました。シンプルな楽器である分、演奏中に他の音を足すことが一台のみだと難しい場合があります。今までならそれも個性と割り切っていましたが、もうそんな縛りはいらない、なら同じ単体で鳴らせる別のサンプラーを用意しよう！
YAMAHA SU10は1995年発売の、CD並みの音質では19秒しか録音できない(サンプリングレートをCD音質の44.1kHzから低音質の11.64kHzまで落とすと53秒まで録音可能)、今では考えられない機材です。触ってみると演奏しづらい部分も多々ありますが、しかし見た目はとても愛らしい、一昔前のVHSのビデオテープサイズのおもちゃみたいなルックスのサンプラーです。このチープさはサンプラーの王様AKAI(ざっくりいうとHIPHOP黎明期からサンプラーの名機を出していた超有名ブランド)にはないチャチさです。
そう、あきのりはビジュアルも大切だと考えていて、見た目が面白くないライヴはお客様、演奏家ともに楽しくありません。音楽が良ければいいというのは大いなる錯覚、お客様は音楽家が演奏する姿を見ることも楽しみの中に入っていて、演奏される音楽と演奏するビジュアルの両方が揃ってはじめてライヴが体験できます。目隠ししてライヴ演奏を聴いていても楽しくありませんものね。
あきのりも好きな音楽家のライヴにいくと、演奏前か後にステージ側まで行って必ず機材チェックをします。あの音はどの楽器から出ていたんやろうとか、あ〜こんな楽器を使っているんや〜とか、知らない楽器を見つけると質問したりと、音楽やっているのでとっても楽しい時間を過ごせます。もし音楽に詳しくなくとも、見た目がおもしろい楽器から音が出ていると楽しいものです。
momente#76 "Intersection"
日時 : 2022年 6月4日 (土) 17時30分開場、18時開演
会場 : environment 0g 大阪市西区南堀江3-6-1 西大阪ビルB1F 地下鉄桜川駅３番口上がり直進、道頓堀川を橋を越えて右手すぐ。
料金 : 2000円 (1ドリンク含む)
出演 : music PSYCHO-TRIBE
Yoshie Akinori (←あきのりです）
KAZUTOYOKOKURA× MASATAKANAGANO
VJ aboco
こちらは即興音楽&実験音楽で著名な長野雅貴さんのイベントで、出演者のプロフィールは長野さんのブログで紹介されています (積日;昔日)。一年ぶりぐらいになるライヴでぜひお越しいただければうれしいです。
皆さまは小学生時分に今のご自身を想像していましたか？そんなことを考えるのはなんだか時間を越えて過去の自分と想像するという見えない糸でつながるような気がして、不思議なおもしろさがあります。ぜひお試しあれ!!!
