「分かった ちょっと聞いてみただけだから。気にしないで。
うちはみんな見えないから安心して 」
俺はほっとした。
「じゃあ うちに来てくれるって言うことでいいのかな 」
俺はちょっと複雑だった。
確かに YouTube の仕事はやってみたかったが、オミさんとはそういう関係だし…
でも一度は決心したことだからお願いすることにした。
華島さんの手がかりも得られるかもしれないし、好きな仕事もできそうだし…
ただ、俺の技術と知識のなさで追い出される可能性もあるかもしれないが…
「はい よろしくお願いします 」
オミさんより俺の方が強引かもしれない…
その時 玄関のドアが開き足音がした。
「こんにちはー 」
ノックをして入ってきたのは カイさんだった…
切れ長な目の美しいカイさんの本物に、俺はまた びっくりしていた。
しかしそれにはお構いなしで、オミさんは、
「この人 、入社したから 」
そう嬉しそうにカイさんに紹介してくれた。
「あ、どうも。で、この人が友達? ケーキ三個しか買ってこなかったからさ 」
「いや 北海道の人をナンパしたの。千代田区で。オフィスの前で」