6.社長の過去? 2023-12-05 21:54:00 | 小説 俺は、ただテレビの画面を見つづけるばかりだった。 我に返った時、思い出した。 華島さんの最後のライブツアーで、ベーシストだけサポートメンバーだったことを。 そして、バンドのメンバーの中で、その人だけは華島さんに ぴったりなイケメンで… でもステージネームはよくわからなかった…そして…思い出せない…「ミオ、だったかも」 それから俺は礼霊ずの動画をさかのぼって最初から見てみた。 間違いない、オミはミオだ。
5.あの夜の男 2023-12-05 17:40:00 | 小説 久しぶりに見た オカルト系の番組は楽しかった。 後から知ったのだが 〈礼霊ず〉は怖いだけではなく エンタメ要素が多いチャンネルだったのだ。 それを2人のイケメンが繰り広げてゆく。 これは好きだな、と俺は思った。 エンディングでは、ー今日は写真もイマイチっぽいですね。ーこれはもう忘年会バンドの準備を始めた方がいいね。 カイさんの言葉に オミさんは 吹き出し、ーいやいやそれなら 家でデータ整理してる方がいい。ーいやいや 、俺、オミのベース磨いておいてあげるから安心して。 ごまかすように 笑いながらオミさんは足元のバッグを持ち上げた。 そのオミさんの一連の表情を見て俺は愕然とした。 もしかすると 5年前 ススキノのあのバーで 、華島さんから離れて飲んでいた あの人? 俺がホテルの華島さんの部屋から追い出されそうになった時、廊下でびっくりしてて、それから声をかけてくれそうになったあの人? 俺は 頭の中が真っ白になった。