小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

8.出会い。

2023-12-07 18:00:00 | 小説
 華島さんに夢中だったのは、俺が高校生だった頃。

 久しぶりに札幌からメジャーデビューした、それもV系のカッコいいバンドということで、俺が中学の時から地元でも結構盛り上がっていた。

 ロングの金髪で、大きなでも冷ややかな瞳の華島さんは、体はすごく細かったけれど、そのために儚げに見えたけれど、とにかく上手いボーカリストだった。

 俺も、あそこまでにはなれなくても音楽をやりたいと思うようになった。

 でも上手くはいかなかった。

 一応、友達やさらにその友達に声をかけたけれど、音楽をやりたい、バンドをやりたいというヤツはなかなかいなかった。

 俺自身、楽器選びも進まず、ただただ華島さんの活動をネットや何かで追っていくだけになり…

 そのうち、よくいる女の子ファンみたいに、ライブまで追っかけていくだけになってしまった。

 音楽をやりたいなんて言っておいて、何の努力もしない自分が情けなくなってきてもいた。