小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

18.消えたミオ

2023-12-20 22:13:00 | 小説
「でも、君はその頃はまだ未成年でしょ? 男の子でしょ? そんな人とその…そういうことを華島が… 」

 オミさんはなかったことにしたいんだろう。
 華島さんと俺のことを。

「でも、未成年とか、そんなのあの頃のミュージシャンには関係なかったですよね。 女の子は… 」

他の男のことなんて考えられない。オミさんも含めてだ。

「そりゃそうかもしれないけど…」

 もしかすると、オミさんは俺が華島さんに対して何か悪いことをするかも、と思っているのかもしれない。

 恨みから恐喝とか、切りつけるとか…
 もしくは、恨みというよりただの頭のおかしいファンとか。

「俺もその…華島さんに、華島さんの部屋に引っ張り込まれたんです」

「…そうだね あの人は女の子に飽きて、男が好きになってたみたいだからね…」

 また俺はその言葉に傷ついた。

「でも、俺を廊下で助けようとしてくれそうになったのは、隣の部屋から出てきた ミオさんでしたよね? 」

「覚えてない 」

 冷ややかな切り返しに、俺は泣きたくなった。

 俺があられもない姿で廊下に追い出された時、たまたま通りがかって助けてくれそうになった〈ミオ〉ももうどこにも存在しないのだ。
 華島さんと俺との関係の証人は誰もいないのだ。

 すると、オミさんは笑みを浮かべ、

「でもあの人 そういうこと上手いでしょ。俺もベッドの中でいい思いさせてもらったし…」