公理(4)は「主語と動詞は隣り合っていれば良い」です。
語順は「主語+動詞」でも「動詞+主語」でも良い。
これは抱合語の特徴との事でした。
言葉は自分の意思を伝える手段だ。
基本的に誰が何をやったかを伝えなければならない。
そのためには動作主体と動作が、必ずペアでなければならない。
つまり言語は抱合語でないと役に立たないのではないか?
「動作主体・主語+動作」が必ずペアでいる必要がある。
語順は「動作主体+動作」、
又は「動作+動作主体」でも良かったはずだ。
「動作主体+動作」を平叙文・正置と呼んだ。
その逆の「動作+動作主体」を倒置と呼んで、
平叙文以外の特別な機能を持たせるようにしたと思う。
特別な機能には、疑問 感嘆 強調…がある。
だから言葉の出発時点では「主語+動詞」でも「動詞+主語」でも
機能は同じだったが、時代が下るに従いそれぞれの機能が分かれてきた。
こういう痕跡が残っている言語がないかと探してみると
ドイツ語にありました。
ドイツ語は定動詞V2語順、V2原理がある。
動詞(V)が文の2番目に来る原則とのこと。
だからV2語順、原理と言う。英語も二番目の語は動詞です。
2番目にある動詞の、直前か直後に主語があれば
文の大意は変わりありません。強調したい点の差異はあるでしょう。
>(1)Hans trinkt heute Rotwein. ハンスは今日赤ワインを飲む。
>(2)Heute trinkt Hans Rotwein. 今日ハンスは赤ワインを飲む。
>(3)Rotwein trinkt Hans heute. 赤ワインをハンスは今日飲む。
Hans=ハンス男の名、 trinkt=飲む、heute=今日、Rotwein=赤ワイン
ドイツ語は、動詞の直前か直後ならば主語を置ける。
基本的に「主語+動詞(正置)、動詞+主語(倒置)」でも
文意は同じで、強調したい点が違うのでしょう。
これは抱合語の特徴です。名残りと言った方が良いかな。
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