ZWOのEAFをASI I air pro と接続するには、USB ケーブル一本を繋げば完了です。
ところがここで問題発覚。ASI air prp にはUSB2.0が、2口、USB3.0が2口ありますが既に全部埋まっています。カメラにUSBハブが内蔵されている冷却カメラは問題ないのですが、非冷却カメラと組み合わせて使うときは、別途USBハブを用意しなけれなりません。
Amazonから、「野菜たっぷり塩タンメン」1杯分の価格のUSBハブを購入しました。 ガイドカメラとGM8赤道儀通信用のケーブルを引っ越して、USB2.0の本体コネクタを一つ空けました。
EAFの消費電流はマニュアルが改訂されていないので不明ですが、ひとつ前の12V電源のモデルは0.5Aと大きいので、このモデルもかなり大きな電流が要求されると思われます。したがって、EAFのケーブルは、ASI air pro本体に直接接続する方が良さそうです。ハブと本体は。粘着ベルクロでハブを固定しています。
次にEAFの動作を検証してみました。ASI air proに接続すると、EAFの設定画面に入れるようになります。
現在位置が current にステップ値で表示されています。gotoに値を入れると、その値の位置にドローチューブが移動ます。
ステップ値と、ドローチューブの繰り出し量を調べてみました。一番縮めたときに重なるところに合わせて鏡筒側と、ドローチューブ側に目印のビニールテープを貼って、ノギスを当てて10分の1mmまで測定します。
ノギスが入るところから、ドローチューブが伸びきるところまで、測定したのが下のグラフです。
デフォルトの設定では、伸びるにしたがって、ステップが減少していきます。 設定でreverse スイッチを入れれば、逆転できると思いますが、面倒なので、デフォルトのままにしています。グラフの直線性は、ドローチューブの工作精度とステッピングモータの回転角の精度に依存しますが、どちらにも問題ないようです。回帰直線から求めた1ステップ当たりの移動量は、 0.00425mm 。FQS 85 ed のラックアンドピニオンの減速比では、1ステップで4.25 μm移動することになります。 距離分解能は、8.5 μmと見ておけばいいでしょう。
ASI 294 mc pro と併用する場合、センサのピクセルサイズが、4.63μmとして、許容錯乱円直径(δ)をその半分とすれば、焦点深度は 2ε = 2・δ ・F で計算されます。 FSQ85eDの場合、F =5.3なので、焦点深度は、24.5μmになります。理論上は、無事に焦点深度内に、ドローチューブを移動できそうです。
もうひとつBalconが所有しているASI 224mcのピクセルサイズは、3.75μmなので、こちらの焦点深度は、19.9μmです。厳しくなりますがピントは、なんとかギリギリ合わせられると思います。
一方、許容錯乱円直径を、FSQ85edのスポットダイアグラムから求めると、視野の中心で、95%の光量は、直径12μmのディスクに収束するようなので、許容錯乱円直径はその1/2の6μmとして、焦点深度は、31.8μmと計算されます。これならEAFは余裕で、焦点を合わせられると思います。最近のセンサの分解能は、望遠鏡の性能を超えているの実感しました。
Balconが、20世紀天文少年の頃、銀塩フィルムの許容錯乱円(直)径は、30μmと言われていました。F5.3の焦点深度は、160μm、0.16mmもありました。最近のCMOSカメラの、フォーカス合わせが、いかに厳しいかよく分かる結果です。 特に、F値の小さい明るい鏡筒では、手動で焦点を合わせる場合、細心の注意が必要と思われます。
次回は、実際の天体にフォーカスしてみます。