蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

グリニッジ天文台再訪の巻 その1

2022-09-05 13:38:22 | 日記

新型コロナ感染の第7波の到来の対応に多忙をきたしたため、更新が止まってしまいました。

グリニッジ天文台を3年ぶりで再訪しました。前回は、まだ、新型コロナ感染が深刻化する前でしたが、今回は、日本では第七波の真っ只の8月でしたが、ロンドンでは流行は終息したようで、マスクをしている人もほとんどいないし、英国入国もフリーパスで、日本とはだいぶ違う雰囲気でした。

 

グリニッジの思い出 の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

まだコロナ禍が起こる前の2019年、ロンドンの外れのグリニッジ天文台(RoyalObservatory,Greenwich)を観光してきました。Wikipediaによれば、ロンドン中心部から5km離れてい...

goo blog

 

前回紹介出来なかった(見落としていた)ものを紹介します。

まず、ウイリアム・ハーシェルの望遠鏡の一部、天文台に入ってすぐのところにあります。これがハーシェルの望遠鏡のどの部分かはわかりませんが、屋外にゴロンと置かれています。

ウイリアム・ハーシェルは、天王星の発見者として有名ですが、当時は、音楽家としても、また望遠鏡制作でも知られていました。彼の製作した焦点距離40フィート(12m)反射望遠鏡は、当時世界最大でした。

wikipediaより

この絵は、子供の頃読んだ「宇宙のふしき」にも載っていたような気がします。望遠鏡基部の小屋が印象的でした。

私にとってハーシェルは、天王星の発見よりも、初めて天の川銀河の形を観測によって推定したという点が偉大だと思います。

ハーシェルは、すべての恒星の明るさが同じと仮定して、恒星の分布と、見かけの明るさから、推定した恒星の分布から、円板状銀河を描きました。

人類史上、初めての観測に基づく最初の天の川銀河の図です。当時は、天の川銀河=宇宙でしたから、宇宙はこんな感じと理解していたはずです。

(その2に続く)


新赤道儀を持って初遠征と言ってもベランダですが の巻

2022-05-08 10:30:15 | 日記

5月の連休中に初遠征してきました。

遠征先は、長野県の茅野市でいわゆる蓼科高原です。星祭りで有名な原村の隣町に当たります。

赤道儀の設置場所は、やはり、ベランダです。このベランダ、標高1600mで、東は八ヶ岳、南は南アルプス、西は雑木林、北側は建物があって、北極星は建物の陰で、ぎりぎり、見えません。

赤道儀は、明るいうちに、iPhoneの" PS allgn pro "を使って大体の位置を合わせて、星が見えるようになってから、ASI AIR アプリ1.9 に実験的に実装された全天極軸合わせの機能を使うことにします。

今回の赤道儀は、遠征用に入手したiOpteronのGEM45ECです。専用のケースが付属して、三脚とカウンターウエイト以外の全てが、収まっています。

赤道儀についても、別な機会があれば紹介していきたいと思います。

日が暮れて、星が見える頃になったら、望遠鏡のフォーカスを、オートフォーカスで合わせ、極軸を合わせます。ASI AIRの全天極軸合わせ支援は、どこからスタートしていいわけではありません。プレートソルビングを3回、赤経軸を23度づづ回転しながら行いますので、46度回転しても、視野が妨げられないような開始位置を選ぶ必要があります。今回は、子午線付近の天の赤道辺りをねらって開始します。

開始ボタンをタップすると、写真を撮影して、プレートソルビングして、自動で23度回転して、撮影、プレートソルビングを2回行います。3回目のプレートソルビングが終了すると、天の北極と赤道儀の極軸を、南から北を望んだ感じで模式的に表現した図が画面に表示されます。

 

黄色い丸が赤道儀の赤経軸で、緑の点が天の北極です。iPhoneアプリでざっくり合わせた状態で、2度弱ずれてました。

あとは、極軸を微動ねじで動かしては、撮影、プレートソルビングを繰り返して、極軸を追い込んでいきますが、もう赤道儀は回転しません。

はじめての赤道儀だったので、20分以上、奮闘した結果、7"の誤差になって顔アイコンがスマイルに変わって終了。こんなに追い込まなくても、オートガイドすればいいんじゃないかと思いますが、最初なのできっちり合わせます。

オートガイドのキャルをとって、撮影開始。今回の目標は、自宅のベランダでは、庇が邪魔になった見えない「しし座の三つ子銀河」です。フィルターなしで、どのくらい写るの確認する予定です。

結果はこの通り、

中央部をトリミングしていますが。当地のベランダでは、フィルターなしでも写ることがわかりました。八ヶ岳の麓すごいです。ここに住みたくなる気持ちもよくわかります。


中華ポータブル電源の謎 の巻

2022-05-06 09:38:27 | 日記

ASI AIR  plus を使うようになってから、あることに気づきました。

Balconは、中華製(中華人民共和国)製のポータブル電源から、赤道儀と、ASI AIR  plusの電源をとっています。 EENOURというこの機種にした理由は、12Vのアウトレットが、シガーソケットを含めて5個あるという理由で、なんとなく選びました。

2台あるのは、交互に使って、内蔵バッテリーの寿命を延ばすためと、観測中のバッテリー切れで、悔しい思いをしないようにするためです。

ASI AIR pro(旧モデル)で、運用中は、特に問題なく使えていたのですが、ASI AIR  plus(新モデル)を使うようになってから、一方のポータブル電源では、赤道儀は問題なく動くのに、ASI  AIR plusが起動しないことに気づきました。

手元にあるテスターで、開放端子電圧を測定してみると、ASI AIR plus(新モデル)が起動する方は、13.6V、起動しない方は、14.5Vと15V近く出ています。中華ポータブル電源恐るべし。

Losmandyの赤道儀は定格で、12V〜18Vで動作するので、この電圧でも問題は出なかったと思われます。
ASI  AIR plusには、どうやら、電源保護回路が入っているようで、一瞬LEDが点灯しますが、直ぐに消灯して起動しません。

ASI AIR plus は、電源電圧にシビアなようで、手元にある100Vから12Vに変換するアダプターでも、起動しないものもありました。折角のポータブル電源2台持ちが活かせないので、これは対策が必要です。

直流電圧を変換する中華製DC -DC コンバーターをAmazonで購入してポータブル電源に繋いで見ました。結論は、どちらの電源でも、起動する用になりました。

基盤の上下にアクリルの保護板がついているような簡単な作りですが、ちゃんと役に立ちました。定格では、75Wですが、ASI  AIR プラスと、冷却カメラで、合わせてせいぜい15〜16ワットなので、チップが熱くなることもないようです。液晶ディスプレイがついていて、入力電圧、出力電圧、出力電流を 表示する事が可能です。完成基盤に、ヒートシンクと、保護のアクリル板を取り付け、入力、出力のケーブルをつければ完成です。

しかし、中華の品質管理は何とかならないものでしょうか、公称電圧から3Vもずれたら、調整して出荷じゃないでしょうか。出火なんてことにならないように油断しないで、使っていきます。


ASIAIR plus がやって来た の巻

2022-04-23 08:47:15 | 日記

「来た。 見た。 勝った。」と書いたシーザーを真似すると、

「来た。 見た。 使った。」になるのでしょうか。

新型コロナの第六波襲来があったり、確定申告があったりして、Balconにとって、一年で一番忙しい時期が過ぎて行ったので、ぼちぼち、ブログを更新していきます。

2022年2月に共栄産業さんから新型のASI AIR である plus が入荷したとのメールが届いていたのですが、日本の技適が取れていないとのことで、しばらく、共栄さんに預かってもらっていたのですが、2ヶ月経って、当分、技適は通る見通しが立たないので、注文をキャンセルするか、自分で手続きをするかとの最後通牒が来てしまいました。2021年秋に注文して、半導体危機のせいか、ずっと待たされていたので、キャンセルは勿体無いので、自分で手続きをすることにして、送ってもらいました。

左が旧型の ASIAIR pro、 右が、新型ASIAIR plusです。 見た目の違いは、ケースが薄くなって、Wifiのアンテナがついたことぐらいでしょうか。 機能も、旧型のファームウエアをヴァージョンアップすれば、機能的は、あまり違いはありません。新機種に何を期待するかというと、Wifiの接続性が向上しているのではないかと言うことです。

Balconは、ベランダに置いた望遠鏡を部屋の中のiPad操作しているのですが、旧型のASIAIRでは、ベランダのガラス戸の張り付いていないとWifiが物凄く遅くなったり、接続が切れてしまいます。これが意外と寒いです。

旧型は金属製の筐体に入っていて、外部アンテナも付いていないのですから、無理もありません。旧型に外部アンテナを自作で取り付けた猛者もいるようですが、balcon が、あと40歳若ければ、真似したかもしれませんが、我が家には、金属加工の道具もないので、敷居が高過ぎすます。そのようなわけで、新型ASIAIR plus を購入することにしました。

早速電源を入れたいところですが、共栄産業さんに手続きは、自分でやるとメールした手前、総務省に「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」に基づいて届出を出さなければなりません。アマチュア無線の開局届出以来、この手の届出は、もう何十年もやったことはないのですが、先人の方の下サイトを参考にして届出を出しました。ありがとうございました。

 

ASIAIR Plus PowerOn Liveを開催しました。[ASIAIR Plusの技適認証について]

ASIAIR Plus の技適認証

 

総務省 総合通信基盤局のサイトにアクセスして、申請書に入力するだけですが、アカウントを作らないと、先に進めません。アカウント作成には、個人確認が必要なので、個人番号カードと読み取り端末を使う(スマホでも読み取れます)方法と、所定の用紙をダウンロードして、記入、運転免許証などのコピーを添えて総合通信基盤局に郵送して、個人確認をする方法があります。

Balconは郵送する方法を選びましたが、1週間弱で、申請することが出来ました。申請の目的は、出来るだけ具体に細かく記載した方が、再申請のときに便利です。180日限定の申請なので、終了時点で、まだ技適が取れないと、廃止した後、新たに違う目的で、再申請をしなけれなりません。同一の目的では、申請出来ないのです。

 

ASI AIR plus を用いたプレートソルビングの実験

ASI AIR plus を用いた自動導入の実験

ASI AIR plus を用いた自動フォーカスの実験

etc

というわけで、電波を出せるようになりました。リビングの机の上に置いたiPadで、天体写真が撮れるようなりました。極楽、極楽。

なお、迷ったのですが、ASI AIR plus 組み込まれている基盤は、Bluethoothも載っているので、Wifiだけでなく、Bluethoothも、申請にはチェックした方がいいと思われます。

おまけに、昨日、ベランダで、撮影した M104 、みんな大好きソンブレロ銀河を

Balconは 渦巻き銀河だと思っていたのですが、どうもそうではなく、楕円銀河に、円板が収まる特殊な銀河だとのこと。距離2,800万光年、直径約50,000光年で質量は約8,000億太陽質量とされているそうです。


天文台日記 の 巻

2022-01-25 13:23:20 | 日記

ここのところ、本業がとても忙しくなって、なかなか更新ができません。

時間が取れないこともさりながら、ウィルス感染予防の要、免疫力の大敵である睡眠不足、寒冷は、ベランダでの天体観測に大逆風となっています。 ということで、部屋の中でヌクヌクと読書三昧の日々を送っています。天文関係では、kindleで、石田五郎さんの「天文台日記」を読了しました。

東京大学東京天文台(現 国立天文台)岡山天体物理観測所に長く勤務された石田さんが1960年代の観測の日々を、日記形式で綴っっています。Balconが天文に興味を抱いた頃、プロの天文学者の日常が垣間見られて、興味深かったです。

当時は、 CCD もなく、感光剤を塗った4x11cmのガラス乾板に、スペクトルを記録する毎日だったようです。自動導入はできたようですが、ガイドは手動で行っていたようです、露出時間もめちゃくちゃ長くいようで、防寒着を着てコントローラで追尾していたようです。ここのメイン望遠鏡は188cm反射望遠鏡で、現在でも、系外惑星の観測に使用されています。

この頃、Balconのいた天文部では、短波放送のJJYの日本標準時放送を聞きながら、ストップウオッチで、月による恒星の掩蔽を観測したり、モノクロのコダックトライXで、文化祭用の星雲の撮影とかをしていたと思います。夜更かしが不得意ないBalconは、もっぱら、昼休みに前日に撮影したフィルムを暗室で現像する係だったと記憶しています。

先人の苦労を偲びつつページをそっと閉じました。


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