蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

R200ssの星像テスト の巻

2022-06-26 11:43:05 | 機材

6/24の晩は、薄曇りで、風が強い晩でしたが、帰る途中で空を見上げるとスピカが見えたので、新しく購入したビクセンR200ss反射望遠鏡の星像を、見てみました。

家に戻ると早速、ベランダの赤道儀に、R200ssを搭載して、主鏡の温度順応をします

鏡筒全体にアルミ蒸着フィルムが巻いてありますが、温度順応中は、後端の部分を、開放して、主鏡の部分を露出しています。

カメラの固定は、コマコレクターPHにビクセンの直焦アダプター60を結合して、ASI 294 mc pro に、ZWOのカメラアダプターを付けて結合しています。このままでは、僅かに合焦しないので、ZWOのカメラアダプターとCMOSカメラの間に、カメラ付属の42mmの延長筒を挿入して合焦を得ています。フィルターは、Marumiのステップダウンリング(52->48mm)をコマコレクターの前にねじ込んで、48mm径のフィルターを使っています。今回は、サイトロンのComet BP フィルターを装着しました。

 

R200ssに付属のアリガタレールは、ロスマンディの赤道儀には、長さが足らないので、サードパーティの長いものと交換しました。赤道儀のバランスは、5kgのカウンターウェートで容易に取れました。

またビニール製の持ち手が鏡筒バンドの上部にねじ止めされていましたが、これもサードパーティのビクセンサイズのアリガタレールと交換して、ガイド鏡とASI AIR  plus を固定しています。

このように書くとあっさり出来たようですが、3週間ぐらい試行錯誤をしたり、足りないものを発注したりした結果、何とか、システム一式のー取り付けが出来ました。

新しく用意したもの

カウンターウェート 5kg

ステップダウンリング 52mm->  48mm

アリガタレール 2本

1時間の温度順応の後、アルミ蒸着フィルムを閉じて星像のチェックをしました。生憎の強風でガイドが安定しませんが、今日を逃すと、また、しばらく星を見れないと思うので仕方ありません。今回は、おとめ座の1等星スピカを使います。大体の方向に向けて、プレートソルビングで、一発導入できました。

まず焦点内外像を見ます。

中央遮蔽の影が、オフセットしていますが、斜鏡がオフセット鏡なのでこんなものでしょう。回析による干渉リングは、スパイダーの交点を中心に同心円をつくっているようなので、問題ないようです。

フォーカスマスクを使ってきっちりピントを出そうとすると、かなり微妙な調整を必要とします。ZWOの電動フォッカッサ(納品待ち)を取り付ける予定で、減速装置は付けていないので、苦労しました。

フォーカスを合わせたところで、Spicaを撮影。

センサーサイズは、フォーサーズですが、周辺の星像も丸く写っています。星の数が少いのは、強風で煽られて、ガイドがさんざんなため、3秒の露出時間しか取れなかったせいです。周辺減光も許容範囲だと思われます。

フィルターによるケラレやゴーストもないようです。

中心部分を拡大すると   スピカの周りに非対称のハローが纏わりついて見えますが、ドローチューブが、悪さをしているせいかもしれません。スパイダーの回析による光条は、特に問題があるようには見えません。

 

まとめ

ビクセンの反射望遠鏡、R200ssの星像をコマコレクターPHを装着して、Spicaでチェックした。

フォーカス調整は微妙な操作が必要で、減速装置または、電動フォカッサが必要と思われた。

フォーサーズセンサーをつけたCMOSカメラでは、焦点内外像、周辺星像、周辺周辺減光、回析光条には特に問題がなかった。

R200ssは工場出荷状態で、写真撮影に問題がないように調整されていた。

※共栄さんの情報によれば、ASI AIR plus の技適承認が、取れる目処が立ったようです。

 


中華レーザコリメータをコリメートする の巻

2022-06-20 09:53:47 | 機材

梅雨で、ベランダ観測ができません。その間、機材をチェックして、梅雨明けに備えたいと思います。

初めての反射望遠鏡望遠鏡R200ssを購入したので、いつかはしなければならないニュートン反射望遠鏡の光軸調整の準備をぼちぼちすることにします。手始めに、レーザコリメータを導入しました。SVbonyという中華のメーカーです。コリメータ外径は、31.5mmで、2インチのアダプターが付いています。

さすが、中華製だけあって価格は、戦闘的ですが、評判は、2つに分かれます。良品に当たった方は安くて、役に立つという評価なのですが、そうでない品物に当たった方は、光軸がズレていて、使い物にならないゴミという散々な評価のようです。Balconには良品が当たったのでしょうか?早速、テストして見ます。

我が家で、一番距離が取れる。廊下の端に、ターゲットを置いて、AZGTi軽緯台に、FMA180のレンズを外した鏡筒を固定して、末端にR200ssの接眼アダプターを取り付けて、レーザコリメータを挿入しました。コリーメータを360度回転すると、どうやら、ハズレを引いたみたいです

コリメータの軸に、レーザ発振器の軸が一致してない場合は、下の図のように、コリメータを軸に沿って回転させると、レーザの軌跡は円周状に移動します。

コリメータの中心はこの円の中心にあるので、ターゲットの中心から、一番離れた位置で、レーザを固定している三つのイモネジをズレが半分になるように、調整してから、ターゲットの中心にレーザを当て、再度、コリメータを回転させ、光軸を追い込んでいきます。 極軸望遠鏡の光軸を赤経軸に合わせる要領と似ています。

調整用イモネジは、柔らかい樹脂で、封印されていますが、2mmの六角レンチを穴に入れて、掻き出すことがができました。

やってみると、R200ss接眼部とコリメータの間に隙間(遊び)があって、中々位置が決まりません。セロファンテープをコリメータの先端に1重巻くと、あそびがなくなりましたが、今度は、 コリメータが、テイルヘビーで、手を離すと、重力で、僅かに下方にズレて、レーザ光が、上に踊ります。

そこで、重力の影響で、コリメータが動くのを防ぐために、今度は、写真のように、床に向けてレーザを垂直に照射することにしました。

 

床に鉛直になるように、錘を垂らして鏡筒が、真下を向くようにして、ターゲットを床に置きます。これでは、RS200ssの焦点距離の2倍くらいしか距離が取れませんが、コリメータを回転して、手を離してもレーザビームがぴたりと止まるようになりました。軽緯台は固定して、レーザの照準は、ターゲットの移動で、合わせるようにしました。その後2mmの六角レンチで三箇所のイモネジを調整します。

最終的な結果はこのようになりました。まず、レーザビームが、ターゲットの中央に来るようにターゲットを設置します。

コリメータを180度回転します。レーザビーム移動幅は、レーザビームそのものの幅以内の誤差になりました。これ以上、追い込みを続けるとかえって、悪くなるような気がして、今回はここで終了します。

今回のまとめ

廉価な中華性レーザコリメータの光軸は、あまり当てにならない。

光軸合わせは、樹脂で埋められているが、3箇所のイモネジを2mm径の六角レンチで、調整して合わせることができた。

コリメータと接眼部との遊びは、セロテープを巻くことによって、実用範囲に狭めることができた。

光軸合わせは、水平方向で合わせるよりも、三脚から眺め下ろすように、垂直方向で合わせた方が、精度を出し易い。

 


月明かりのベランダで、 銀河を撮影する の巻

2022-06-13 15:00:37 | 天体観測

関東地方は、梅雨入りに入って、このところ曇り空が続いていましたが、昨日は、嘘のような晴れ間が覗きました。2日後には、満月を迎える月明かりのベランダで、近赤外線撮影で、銀河をとってみました。梅雨時期の貴重な晴れ間ですから無駄にはできません。

近赤外線フィルターは、 以前記事にしたMarumi R2を使います。

ベランダから、お気楽近赤外線フィルタ?で銀河を撮る の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

ベランダから、お気楽近赤外線フィルタ?で銀河を撮る の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

前回、いつかは、近赤外線で、銀河を撮ってみたいと書きましたが、ネットサーフィンしていて、偶然に視聴した天文リフレクションさんの「ゲリラライブ・R2フィルターでベラ...

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対象は、おとめ座銀河団のNGC 5364、明るさは、10.4等、月が真上で光っています。この条件では、かなり厳しい感じですが、何事も経験です。

スタック中に雲が出てきて20枚で中断。うーん、何か写っているかなぁ。圧倒的に露出が足りません。コントラストも低いです。迷光のせいか、赤いゴーストのようなものまで映り込んで込んでいます。 こんなに明るい夜は、近赤外線でも苦しいか。

気を取り直しして、同じ条件で、M104 みんな大好きソンブレロ銀河、明るさ8.52等。

こちらは、まあ、まあ撮れました。安価な色素フィルターではなく、干渉フィルターならもっと明るく撮れるのかなと思っておりますが、もう少しこのフィルターに付き合って、色々試行錯誤してみる予定です。

 


梅雨入り直前に、球状星団を見る の巻

2022-06-07 10:36:34 | 天体観測

今年も、うっとしい梅雨の季節になりました。この時期の高温多湿は、単に、雲で、天体が見えないだけでなく、機材も、カビ、サビなどの害に侵される頭の痛い季節です。

梅雨に入る直前の束の間晴れ間に、ベランダで球状星団星団を撮影しました。

球状星団とは、数十万個の恒星がお互いの重力で球状に集まって、銀河の中心の周りを周回していおり、多くの球状星団は、銀河のバルジのように古い恒星から構成されていることから、かって、伴銀河だったものが、潮汐力で、周辺の星が剥ぎ取られて、中心部が残ったものと考えられているそうです。

今まで、Balconは、球状星団は、地味な天体だなと思っていましたが、古い過去に、天の川銀河の近くにあって、小さな銀河だったと思うと、少し見方が変わって来ました。

今回は、高橋のミューロン180cに レデューサをつけて、焦点距離1800mmで、サイトロンのComet BP フィルターを使用して、へびつかい座のメシエ10、12を撮影しました。

前回作製したフードも使用しています。

この二つの球状星団は、双眼鏡で見ると同一視野に入るぐらい近くに見え、どちらも、シャルル・メシエが発見しましたが、星を含まない星雲として記録したそうです。星を分離したのは、ウイリアム・ハーシェルでした。当時、ハーシェルは、途轍も無く巨大な反射望遠鏡を持っていました。

では、M10です。距離は、14300光年

お次は、M12。距離は、16000光年。

M10のほうが、少し派手な感じですが、よく似た天体です。


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