蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

SkySafariで、楽々自動導入 の巻

2021-10-28 17:14:04 | 天体観測

SkySafariは、いわゆるお家プラネタリウムを実現するアプリです。 Balconの少年時代は、プラネタリウムといえば、渋谷まで、行かなければ見れませんでした。いい時代になったものです。

星図の代わりに、天体導入に使えるということで、Balconも使ってみることにしました。 

Asi air  pro のプレートソルビング機能を使えば、かなり正確に導入できるのですが、天体を選ぶときには、天体の名称を入力する必要があります。例えば、らせん星雲を導入したいとすると、NGC 7293と入力すれば、らせん星雲を視野の真ん中に導入することができます。これは、これでとても便利なのですが、20世紀の天文少年としては、星図を見ながら、星を探して観たいです。

20世紀の天文少年たちは、紙の星図を見ながら、天体導入をしていました。らせん星雲(Helix Nebula)を導入する場合、星図を見て、近くの、明るい星を選びます。例えば、南うお座のα星、Fomalhautは、一等星で、近くに明るい星は無いので、肉眼でもはっきりわかります。ファインダーでFomalhautを探して、導入したら、赤道儀の赤経の目盛りを回転せて、星図から読んだ22時55分当たりに合わせて、目盛りのネジを絞れば、赤経を動かすと目盛りも一緒に回るようになります。すかさず、らせん星雲の赤径、赤緯に目盛りを合わせると、ファインダーの視野の中ぐらいには、目標の天体が入ります。後は星図と見比べて、微調整します。

眼視では、はっきり見えない天体は、写真の試写をして、急いで、暗室に走って、現像、濡れているいま現像したばかりのフィルムを、ライトボックスにかざして、位置を確認したりしていました。試写用に特別に短く切ったフィルムをカメラに装填したりして、フィルムの節約に努めました。デジタル写真の時代には考えられませんな。

楽をして、その時代の雰囲気に浸るために、SkySafari 6  proを導入してみました。果たして、老眼で暗いところで、星図を読めなくなったBalconに、朗報となるでしょうか。

AppleのアップストアからiPadに普通にインストールしました。日本語化されていますが、中途半端な日本語で使いづらいので、言語を英語に設定しました。アプリの設定ではなく、iPadの設定から、言語を設定することに気づくまで、数十日を要したので、やり方をここに記載します。

iPadの設定をずうっと下にスクロールして行くと、インストールされているアプリが並んでるところにたどり着きます。SkySafari Pro をタップすると、言語の設定があるので、英語に設定し直します。

目出たく言語を英語に戻せたので、次は赤道儀との接続です。今回は ASI air  pro の ブリッジ機能を使用します。普通に、 ASI air アプリを立ち上げて、iPadを ASI air  pro と接続しておきます。Losmandy の赤道儀は、いつもの様にUSB プリンターケーブルで、ASI  air  proと接続しておきます。

同じ iPadで、SkySafari 6  proを立ち上げて、一番下に並んだアイコンのsetting をタップします。

設定画面に入ったら、TELESCOPE  Setupの項目をタップして ScopeType、Mount Type、IP Adress、Port Number を設定していきます。

 

Scope Typeには使用している赤道儀を指定します。Balconの場合は、Losmandy geminiを指定します。ドイツ式赤道儀なので、Mount Typeは、Equatorial GoTo(German)を指定します。

IP Adressは、 ASI  air  pro のIP Adress で、デフォルトでは、10.0.0.1です。Port Numberは、マジックナンバーの4030です。残りは、デフォルトで問題ないようです。

設定が終わったら、右上隅のDoneを押して設定を反映します。これを忘れると設定が変わりません。

今度は、赤道儀のハンドコントローラーで、今の時期ベランダからよく見える一等星のFomalhaut を自動導入します。導入後Previwモードで30秒の露出で写真を撮って、左に並んだPlate Solveのアイコンタップすると、数秒後に結果が表示されます。

赤経 23時01分、赤緯 -28°46‘と出ましたから、星図上の位置と赤経4分、赤緯で、47分のズレです。ちゃんとアライメントをしていないので、こんなものでしょうか。望遠鏡の視野の上にかろうじて入っています。Sync  Mount をタッチして、赤道儀のデータを修正します。

今度は、ASI air pro の自動導入で、Formalhautを導入すると、視野の中央にFormalhautが入ります。

この状態で、同じiPad上で、SkySafariを赤道儀に接続してみます。Scopeアイコンをタップして出てくるタブのConnect をタッチすると、フリーズしたかと思うほどの時間(数十秒)を待っていると、やっと接続します。その後は、快調に動きます。

接続されると現在望遠鏡が向いている向きに円形の枠が描かれます。今はFomalhautに向いていますが、観たい場所をタップして、ScopeタブのGotoをタッチすれば、モーターの音がして、望遠鏡が動きます。

らせん星雲(Helix Nebula)をタッチして、GoToすれば、こうなります。

Formalhautから移動する間も、枠がリアルタイムに移動して、今まで、経験したことない操作感です。VixenのStarbook10を使っている人はこんな感じで操作しているのかなぁ。

Vixen、恐るべし。

望遠鏡の視野内はこんな感じ。ちゃんと入っております。

今回は、赤道儀(Losmandy GM8) にASI air  pro を介して、SkySafariを接続しました。アプリをダウンロードするだけで、無事接続できました。

20世紀天文少年であるBalconは、最近星図を新調しましたが、赤色灯で、星図を読むのは本当に大変でした。暗い所で、全く読めません。Skysafariでこの状況を見事に改善することが出来ました。

SkySafariの良いところ

1)星図のようにページを捲らなくても良い。

2)バックライトがついている。

3)拡大縮小が自由自在。老眼人にはありがたい。

4)リアルタイムで、天体の方位角と高度が読める。

5)星図には載らない惑星や、彗星、人工衛星も位置がわかる。

6)水平線、子午線が表示できるので、天体の出没、南中の時刻が直感的につかみやすい。

7)赤道儀とは、無線接続なので、ケーブルなしでお好みの場所で操作できる。

SkySafariは、プラネタリウムアプリなので、フルカラーで大変美しいのですが、暗いところでの視認性が落ちるので、使い慣れている星図風に設定してみました。

大変宜しい。

 


ASI air pro で ”超お気楽“ オートガイド その3ー運用編ー の巻

2021-10-16 12:18:23 | 天体観測

生初めてのオートガイドの実際に、やってみました。

まず、ガイド望遠鏡に使うMinscopeですが、対物レンズは、30mm で、見た感じは、コーティングされた、2枚組のアクロマートのようです。

このレンズアッセンブリーがネジを切った鏡筒本体にネジ込まれています。

ピントは、ねじ込みの度合いを変更して合わせる設計です。またカメラ延長筒を付けてかなり浅く固定しないとピントが出ません。これが、分かるまでだいぶ時間を無駄にしました。ピントが合ったところで、同じネジに嵌った赤いアルミのリングを密着させて固定します。はっきり言って、ピントはとても合わせづらいです。ネジのピッチが大きく、少し捻ると、大きくピントがズレます。またグリスが塗ってあるわけでないので、回転に引っかかりがあるような感じで、微妙な操作が困難です。ピントが出たところで、固定リングを、レンズアッセンブリーに密着させる、ピントがずれます。とほほ。

このガイド鏡は、夜間ピントを合わせるのは難しいと思われるので、天体の導入前にガイド鏡のピント合わせをしてます。ベランダから見える遠くの地表物などにフォーカスを合わせておくと、大体のピントが出ているので、その後の、恒星に対するピント合わせが楽になります。ガイド用CMOSカメラ(ASI 120mm)は、感度が高いので、ゲイン0、露出0.001秒でピントを合わせます。Balconが、光軸合わせにいつも使っている送電線です。

いよいよ、人生初のオートガイドを始めます。目標天体を導入して構図を決定したあと、ガイド鏡の画面に移動します。ガイド鏡画面への移動は、ガイドエラーグラフをタップします。

まず、露出時間を、1−2秒にセットして、リサイクルマークのようなアイコンをタップします。

この画面で星が映らない場合は、対物レンズキャップを付けたままか、ピントが全く合ってないかの可能性があります。ガイド鏡のピントを再調整する場合は、露出を0.5に変更(EXPをタップして変更)すると合わせやすいです。Balconのベランダは、光害が酷いので、コントラストが悪いですがいくつか恒星が見つかるので、フォーカスを合わせます。

ガイドカメラのゲインは50〜80ぐらいの範囲で、コントラストが最良の値にセットしました。最上段の設定アイコンのヘヤーライン十字アイコンタップで、ゲインをセットできます。

ピントと、ゲインを調整したら、露出を1〜2秒に戻して、右手にある十字アイコンタップして、オートガイドに入ります。

ここで、チェック。赤道儀のハンドコントローラーのスピードモードが、Guideになっているか確認します。さもないと、鏡筒が大きく動いて、導入からやり直しになってしまいます。

 

その日初めてのガイドの場合、キャリブレーションデータをクリヤします。キャリブレーションとは、目盛をつけるという意味で、測定の前に、測定器の値の精度を確認する作業のことで使うことが多いですが、この場合、どの程度の追尾エラーに対してどのぐらいの修正信号を入れるかを ASI air pro  が、学習することのようです。人力でガイドしていた頃は、観測者が無意識でやっていたことなんですが、やはり、機械には、通用しないので、キャリブレーションを行うことが必要なようです。キャリブレーションが、自動で始まらない時は、右手にある丸にi と書いてあるアイコンをタップして出てくるclearボタンで、キャリブレーションデータをクリヤすると、キャリブレーションが始まります。

キャリブレーションが終わると、勝手にガイドが始ます。

目標天体を変更する場合は、オレンジのストップボタンを押すと、ガイドが終了します。ガイド画面から抜けて、メイン画面に戻るには、左上角の矢印アイコンをタップします。

Balonの機材では feedback gain を決めるagressiveness は、赤緯、赤径ともに60%〜70%が収まりが良いようでした。その他の値は、工場設定値で問題ないようです。

それでは、結果です。

露出不足で、ザラザラしていますが、らせん星雲(NGC7293) です。露出3分、10枚スタック総露出時間30分ですが、3分程度の露出では、星が流れていません。 フィルターはサイトロン Comet band bandpass filterを使っています。

何も考えずに、人生初のオートガイドをしてみました。WindowsPCなしで運用できるのが楽ちんで素晴らしいです。


ASI air pro で ”超お気楽“ オートガイド その2 ー設定編ー の巻

2021-10-09 10:42:30 | 天体観測

ASI  air  pro で”超お気楽“オートガイドを目指します。

ASI  air  pro によるオートガイドについては、既に、天文リフレックスのこの記事に書かれています。

OGPイメージ

【短期集中連載】ASI AIR PROレビュー(3)撮影実践編・手順完全ガイド | 天リフOriginal

 

天リフOriginal

 

この記事の後、バージョンアップがあったので、画面構成が変わっています。

PHD2などに触ったことのないBalconが初めてのASI air  proでのオートガイドに挑戦するときに困ったことや、戸惑ったことなどをつらつらと書いてみます。

使用機材は、Losmandy社の GM 8赤道儀(GEMINI2コントローラー付き)に、ZWO社のASI air pro、MiniScope 口径30mm、焦点距離120mm、ASI 120 mc min CMOS カメラです。

ASI air pro でオートガイド の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

Balconが天文小僧の頃、昭和の中盤から後半にかけての頃、天体写真撮影をしていました。学校の屋上にドームがあって、学校案内にもデカデカと写...

ASI air pro でオートガイド の巻 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

 

ASI air  pro に ビクセン規格の ファインダー用アリミゾ(同梱)と普通サイズのアリミゾを取り付けます。ファインダー用アリミゾに、ガイドスコープを“しっかり”固定します。標準サイズのアリミゾで鏡筒固定用のアリガタプレートにASI air  pro を固定します。

カメラは、延長筒をつけ“浅め“に接眼部に固定します。普通の接眼レンズのように奥まで入れるとピントが出ません。これでBalconは、ハマりました。

 

ケーブルの接続

カメラのUSB タイプCコネクターとASI air proのUSB2.0コネクターを付属のケーブルで接続します。カメラのST-4:RJ12モジュラーコネクターと赤道儀のGEMINI2コントローラーには、RJ12 モジュラーコネクターが4個あるのでこのうちのガイドコネクター(下の写真のコネクター1)と付属のケーブルで接続します。ASI  air  pro 12Vの電源ケーブルを接続すると。準備完了です。

さらに、別売の片側がUSB タイプAもう一方が、タイプBになっているいわゆるUSBプリンタケーブルで、GRMINI2コントローラー(下の写真のコネクター2)とASI air  pro と赤道儀がシリアル通信できるようになります。

この接続で、赤道儀の初期設定を「クリック一発」で、ASI  air  pro 側からできるようになったり、プレートソルビングで、天体の自動導入ができるようになったりして超便利です。(Cloudy nights のみなさん、情報ありがとうございます。)

ASI air  proの設定

今回は、Apple社のiPadとASI air  pro を接続して使用します。あらかじめ、appstoreから、ASI airというアプリをiPadにインストールしておきます。

まず赤道儀GM8の電源を入れます。赤道儀のハンドコントローラーのタッチパネルのキャリブレーションを済ませて、コールドスタートすると、赤道儀の初期設定画面になって、アライメントをするように促されますが、GM8のアライメントは、東方3つ、西方3つの合計6つの恒星を使う方式なので、ASI air  pro のプレートソルビングを使うなら、手の掛かるアライメントをパスして、Back (戻る)ボタンを何回かタッチして、自動導入画面を出しておきます。ガイドを開始する前に、必ず移動速度(speed)ガイドになっていることを確認しましょう。他のスピードモードになっていると、鏡筒が大きく動いてびっくりします。

次にASI  air proの電源を投入します。少し待つと、ブザーがなって、wifiが使えるようになるので、iPadのwifi設置画面にあるASI air  pro に接続します。パスワードは、工場設定値は12345678です。

アプリを立ち上げると、ASI air  pro を検索して、接続画面が表示されます。

現在の時刻、経度、緯度は、iPadから取得して、自動で入ります。mount には、赤道儀の種類を候補の中から選択します。Balconの場合は、Losmandy  Gemini を選択しました。Guide Cameraは、自動検出で入りますが、カメラが複数検出された場合は、候補の中から、選びます。望遠鏡の焦点距離は、ユーザが入力します。

ENTER をクリックすると、画面が変わります。メインカメラを接続していると、このような画面画面が表示されます。

一番上のアイコンの列は、設定画面表示に切り替えるボタンです。左から、Wifi設定、メインカメラ設定、ガイドカメラ設定架台の設定、アクティブなっていませんが、フィルターホイール、オートフォーカッサー、そして、メモリーの設定に入ることができます。左上段の追尾エラーグラフ表示領域をタップすると、ガイドカメラの視野が表示されます。Balconは、これでハマりました。どうやっても、ガイドカメラの視野が出せなくて困っていたところ、偶然ここに触れて、視野の切り替えができるようになった。こういうことは、マニュアルにきちんと書いて欲しいと思います。

Wifiの設定をします。Wifiのアイコンをタップすると、設定画面が開きます。

この画面を下にスクロールして一番底の方にシャットダウンのボタンがあります。これも、わかりづらく電源を落とす時に、かなり戸惑いました。ラズベリーパイのようなLinuxベースのシステムは、いきなり電源を落とすと、外部記憶システムを損傷する可能性があるので、必ずシャットダウン用のプロセスを走らせる必要がありますが、もっと目立つ所にシャットダウンボタンを置いて欲しいところです。電源を落としても、pcのように、電源スイッチが自動で切れるわけではないので、自分で切りましょう。

Wifiの設定は、SSIDの名前をタップすると、設定画面に入ります。

SSIDの名前や、パスワードの変更などがこの画面でできますが、重要なのは、Wifi周波数で、Balconのような、ベランダに設置した望遠鏡を、部屋から使うような用途には、2.4ギガHzを使用した方が、壁越しの接続が安定するようです。5ギガHzは、転送速度が出ますが、レーダーの電波と干渉するため屋外の使用が日本の電波法で制限があるようです。

ステーションモードは、2.4ギガHzでしか使えないですが、お家ネットなどに、ASI air  pro を介して接続できるようになって、接続しているiPadから、インタネットにアクセスできるようになります。今、旬のAz-gtiにASI air proを接続するときも、ステーションモードを使います。

架台の設定もしておきます。設定アイコンの望遠鏡の形のところをタップすると、架台の設定画面に入ります。設定する項目は、赤道儀の形式と、シリアル通信のボーレートです。Balconの場合は、それぞれ、Losmandy  GEMINI と9600 baud と設定して、問題なく、通信できています。画面のsync  to mount をタッチすると、赤道儀に、観測地の経緯度と現在時刻が送信されるので、面倒な、赤道儀の初期初期設定スキップできます。プレートソルビングによる自動導入を利用するのであれば、赤道儀のアライメントも不要ですが、極軸は、きちんと合わせる必要があります。

こう書くと面倒な設定ですが、設定は、電源を切っても保存されるので、構成を変えない限り、再設定する必要はありません。

設定だけで、思いの外、長くなったので、実際の運用は、次回に。


ASI air pro で “超お気楽” オートガイド その1 の巻

2021-10-04 14:35:15 | 天体観測

Balconが天文小僧の頃、昭和の中盤から後半にかけての頃、天体写真撮影をしていました。

学校の屋上にドームがあって、学校案内にもデカデカと写真が載っていたため、天体に興味のない生徒もみんな知ったいたのですが、入ったことのある同窓生は、少ないと思います。

ドームの中には、15cm五藤光学謹製の屈折赤道儀があって、ドームから下に伸びているパイプの中を降下する錘で日周運動に合わせて動くようになっていました。錘を巻き上げるのは人力でクランクを回すというなんともエコなシステムでした。この赤道儀には、別に小さい屈折望遠鏡(8cmだったか、6cmだったかが同軸に装備されていて、ファインダーとガイドスコープを兼ねてたと記憶しています。

ガイドシステムは、人間がこの望遠鏡を覗いて、視野の中の十字線で星を追いかけるのです。もちろん、微動ハンドルが付いていたので、それを回して、追尾装置の誤差を修正するというわけです。どのくらい、修正に際して、どちらに微動ハンドルを回せばいいかは勘と経験で習得するわけです。 精度は、観測者の慣れと、集中と、気温に依存しました。気温が下がると、グリースが硬くなるのと手が悴んで精度が下がります。(笑) 当時は撮影といっても、高感度を売りにしている「コダックのトライX」というASA400(ISO400 相当)の銀塩フィルムでの撮影で、現在のイメージセンサーのピクセルサイズの何倍大きなハロゲン化銀粒子で記録するわけですから、そんな、大雑把なガイドでもなんとかなったんでしょう。

さて今回、ガイドシステム導入にあたって候補は3つありました。

1) 「PHD2」というフリーソフトを使う

2) Lacerta M-GEN オートガイダー

3) ZWO ASI air pro

1)のPHD2を利用する場合の問題は、Balconは、Windows PCを持っていないという点です。このソフトウエアは、PCで走らせるものなので、特に屋外で、ポータブルPCを一晩中使うことになると、電源の点でも不安があります。

2)はPCを必要としないスタンドアロンのガイドシステムですが、画面が小さいことと、現在、共栄産業さんでは、納期8ヶ月以上と、入手が難しいようです。

3)は、ラズベリーパイというワンボードコンピュータをベースにした商用システムで同じようなコンセプトには、ラズベリーにastroberry というシステムを自分で組み込んで使用するという手もあるのですが、これは少々手こずりそうなので、今後の課題とします。

ネットを探すしていると、なんと、

“ASI  air  pro“、ガイド望遠鏡(口径30mm、焦点距離120mm)、高感度白黒CMOSガイドカメラ(ASI 120mm-min) の3点セットが共栄産業さんから販売されていました。

これだけで、オートガイドに必要なもの全部入りのセットです! 電源は直流12Vで、赤道儀と同じバッテリーが使えます。手持ちのiPadにwifiで繋がるので、画面の大きさ、バッテリーの問題は解決です。鏡筒にASI  air  pro を取り付けるために、ビクセン規格のアリガタプレート用の専用アリミゾ金具も同時に入手しました。

 

カメラにはアメリカンサイズの延長筒が付属しています。これを付けないとピントが出ません。ASI  air  proには、64GBのUSB3.0タイプのメモリースティックが同梱されています。撮影したイメージを保存することができます。

ASI  air  proが到着したので、早速、KE-60の鏡筒のアリガタに取り付けて見ました。奥にガイド鏡が映っています。

ASI  air proは、赤いアルミの筐体に収められていて、なんの問題なく固定できました。

同時購入のガイド鏡はまるでおもちゃの望遠鏡のようです。120mmのような単焦点のガイド鏡で果たしてまともなガイドができるのか心配です。

手前がガイド鏡奥がASI  air  pro本体です。ケーブルの取り回しを考える必要がありそうです。

購入したまま取り付けみるとガイド鏡の光軸ややズレていますが、これが、中華クオリティというものでしょうか。後日、光軸調整をして、問題なく使用できています。

 


PVバーナー

PVアクセスランキング にほんブログ村