蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

昔、昔、天文少年でした。そして、今は、ベランダから、星を見ています。
いろいろの忘備録

R200ssに電動フォカッサ(EAF)を取り付ける の巻

2022-07-04 09:25:52 | 機材

上海のコロナ騒ぎで遅れていたZWO社のEAF(電動フォカッサ)が届きました。

今回は電動フォカッサ以外に同時発注したオプションの温度センサと、星見屋さん特製のR200ss用取り付け金具が同梱されています。

内容物は、こんな感じ。

丸で囲われたアルミの板と六角ネジが2本が星見屋さんの取り付け金具です。残りは、ZWO社の純正部品になります。ラックアンドピニオン軸に接続するアダプタは軸径に合わせて、4種類入っていますが、取り付け金具は、ひとつで済ませるようになっています。 あとは、ネジ、ワッシャー、六角レンチなどが含まれています。自前で用意するものは、十字ドライバと星見屋さんのネジ用の六角レンチが必要です。

説明書がなかったので迷いましたが、どうやら、星見屋さんのアルミ板は、合焦用のラックアンドピニオンのギヤボックスの金属カバーと、純正取り付け金具の間に挟むスペーサのようです。

c、d、eのネジを外せば、取り付けられると思われまが、a〜dまでのネジには、ワッシャがそれぞれカバーの両面に2枚入っているので、結局全てのネジを外すことになりました。

組んでみると、ステップモーターが脱調して回りません。どうやら a〜dのネジのトルクで、合焦ノブの硬さを調整するようです。外すとき、やけに緩く締めてあるなとは思いましたが、やっとガッテンしました。高橋のFSQ85edp のときとは、勝手が違いました。

 

FSQ85edをオートフォーカス化する の巻 その1 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

FSQ85edを購入してからの懸案だったオートフォーカス化が終わりました。なぜ、懸案だったかいうと、改造は、製品保証を無効にするかもしれないので、保証期間が過ぎてからし...

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Vixenやってくれます。

もう一回、組み直して、合焦ノブの硬さを調整して、やっと、スムーズに動くようになりました。

ステッピングモータのステップ数と、ドローチューブの繰り出し量を見てみました。繰り出し量は、ノギスで、0.1mmまで、測定しています。

測定誤差が0.05mmはあると思われるので、まあこんなものでしょうか。回帰直線から、1ステップあたり、約4.2μmです。

許容錯乱円直径の大きさをよく使っているCMOSカメラ(ASI 294mc pro)の3.75μmとして、コマコレクターPH使用時のR200ssのF3.8で計算した焦点深度は、28.5μmなので、ステップ数に換算すると6.7ステップになります。詳しくは、こちら。

 

FSQ85edをオートフォーカス化する の巻 その2 - 蒼天在眼 (そうてんまなこにあり)ーベランダで星を見る

ZWOのEAFをASIIairproと接続するには、USBケーブル一本を繋げば完了です。ところがここで問題発覚。ASIairprpにはUSB2.0が、2口、USB3.0が2口ありますが既に全部埋まってい...

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微動で、3ステップ単位で動かすと、焦点深度内に一回は、入ると考えられますから、Balconが手動で合わせるよりは、精密にピントが出るように考えられます。

結論 : 付けて良かったEAF。


R200ssの星像テスト の巻

2022-06-26 11:43:05 | 機材

6/24の晩は、薄曇りで、風が強い晩でしたが、帰る途中で空を見上げるとスピカが見えたので、新しく購入したビクセンR200ss反射望遠鏡の星像を、見てみました。

家に戻ると早速、ベランダの赤道儀に、R200ssを搭載して、主鏡の温度順応をします

鏡筒全体にアルミ蒸着フィルムが巻いてありますが、温度順応中は、後端の部分を、開放して、主鏡の部分を露出しています。

カメラの固定は、コマコレクターPHにビクセンの直焦アダプター60を結合して、ASI 294 mc pro に、ZWOのカメラアダプターを付けて結合しています。このままでは、僅かに合焦しないので、ZWOのカメラアダプターとCMOSカメラの間に、カメラ付属の42mmの延長筒を挿入して合焦を得ています。フィルターは、Marumiのステップダウンリング(52->48mm)をコマコレクターの前にねじ込んで、48mm径のフィルターを使っています。今回は、サイトロンのComet BP フィルターを装着しました。

 

R200ssに付属のアリガタレールは、ロスマンディの赤道儀には、長さが足らないので、サードパーティの長いものと交換しました。赤道儀のバランスは、5kgのカウンターウェートで容易に取れました。

またビニール製の持ち手が鏡筒バンドの上部にねじ止めされていましたが、これもサードパーティのビクセンサイズのアリガタレールと交換して、ガイド鏡とASI AIR  plus を固定しています。

このように書くとあっさり出来たようですが、3週間ぐらい試行錯誤をしたり、足りないものを発注したりした結果、何とか、システム一式のー取り付けが出来ました。

新しく用意したもの

カウンターウェート 5kg

ステップダウンリング 52mm->  48mm

アリガタレール 2本

1時間の温度順応の後、アルミ蒸着フィルムを閉じて星像のチェックをしました。生憎の強風でガイドが安定しませんが、今日を逃すと、また、しばらく星を見れないと思うので仕方ありません。今回は、おとめ座の1等星スピカを使います。大体の方向に向けて、プレートソルビングで、一発導入できました。

まず焦点内外像を見ます。

中央遮蔽の影が、オフセットしていますが、斜鏡がオフセット鏡なのでこんなものでしょう。回析による干渉リングは、スパイダーの交点を中心に同心円をつくっているようなので、問題ないようです。

フォーカスマスクを使ってきっちりピントを出そうとすると、かなり微妙な調整を必要とします。ZWOの電動フォッカッサ(納品待ち)を取り付ける予定で、減速装置は付けていないので、苦労しました。

フォーカスを合わせたところで、Spicaを撮影。

センサーサイズは、フォーサーズですが、周辺の星像も丸く写っています。星の数が少いのは、強風で煽られて、ガイドがさんざんなため、3秒の露出時間しか取れなかったせいです。周辺減光も許容範囲だと思われます。

フィルターによるケラレやゴーストもないようです。

中心部分を拡大すると   スピカの周りに非対称のハローが纏わりついて見えますが、ドローチューブが、悪さをしているせいかもしれません。スパイダーの回析による光条は、特に問題があるようには見えません。

 

まとめ

ビクセンの反射望遠鏡、R200ssの星像をコマコレクターPHを装着して、Spicaでチェックした。

フォーカス調整は微妙な操作が必要で、減速装置または、電動フォカッサが必要と思われた。

フォーサーズセンサーをつけたCMOSカメラでは、焦点内外像、周辺星像、周辺周辺減光、回析光条には特に問題がなかった。

R200ssは工場出荷状態で、写真撮影に問題がないように調整されていた。

※共栄さんの情報によれば、ASI AIR plus の技適承認が、取れる目処が立ったようです。

 


中華レーザコリメータをコリメートする の巻

2022-06-20 09:53:47 | 機材

梅雨で、ベランダ観測ができません。その間、機材をチェックして、梅雨明けに備えたいと思います。

初めての反射望遠鏡望遠鏡R200ssを購入したので、いつかはしなければならないニュートン反射望遠鏡の光軸調整の準備をぼちぼちすることにします。手始めに、レーザコリメータを導入しました。SVbonyという中華のメーカーです。コリメータ外径は、31.5mmで、2インチのアダプターが付いています。

さすが、中華製だけあって価格は、戦闘的ですが、評判は、2つに分かれます。良品に当たった方は安くて、役に立つという評価なのですが、そうでない品物に当たった方は、光軸がズレていて、使い物にならないゴミという散々な評価のようです。Balconには良品が当たったのでしょうか?早速、テストして見ます。

我が家で、一番距離が取れる。廊下の端に、ターゲットを置いて、AZGTi軽緯台に、FMA180のレンズを外した鏡筒を固定して、末端にR200ssの接眼アダプターを取り付けて、レーザコリメータを挿入しました。コリーメータを360度回転すると、どうやら、ハズレを引いたみたいです

コリメータの軸に、レーザ発振器の軸が一致してない場合は、下の図のように、コリメータを軸に沿って回転させると、レーザの軌跡は円周状に移動します。

コリメータの中心はこの円の中心にあるので、ターゲットの中心から、一番離れた位置で、レーザを固定している三つのイモネジをズレが半分になるように、調整してから、ターゲットの中心にレーザを当て、再度、コリメータを回転させ、光軸を追い込んでいきます。 極軸望遠鏡の光軸を赤経軸に合わせる要領と似ています。

調整用イモネジは、柔らかい樹脂で、封印されていますが、2mmの六角レンチを穴に入れて、掻き出すことがができました。

やってみると、R200ss接眼部とコリメータの間に隙間(遊び)があって、中々位置が決まりません。セロファンテープをコリメータの先端に1重巻くと、あそびがなくなりましたが、今度は、 コリメータが、テイルヘビーで、手を離すと、重力で、僅かに下方にズレて、レーザ光が、上に踊ります。

そこで、重力の影響で、コリメータが動くのを防ぐために、今度は、写真のように、床に向けてレーザを垂直に照射することにしました。

 

床に鉛直になるように、錘を垂らして鏡筒が、真下を向くようにして、ターゲットを床に置きます。これでは、RS200ssの焦点距離の2倍くらいしか距離が取れませんが、コリメータを回転して、手を離してもレーザビームがぴたりと止まるようになりました。軽緯台は固定して、レーザの照準は、ターゲットの移動で、合わせるようにしました。その後2mmの六角レンチで三箇所のイモネジを調整します。

最終的な結果はこのようになりました。まず、レーザビームが、ターゲットの中央に来るようにターゲットを設置します。

コリメータを180度回転します。レーザビーム移動幅は、レーザビームそのものの幅以内の誤差になりました。これ以上、追い込みを続けるとかえって、悪くなるような気がして、今回はここで終了します。

今回のまとめ

廉価な中華性レーザコリメータの光軸は、あまり当てにならない。

光軸合わせは、樹脂で埋められているが、3箇所のイモネジを2mm径の六角レンチで、調整して合わせることができた。

コリメータと接眼部との遊びは、セロテープを巻くことによって、実用範囲に狭めることができた。

光軸合わせは、水平方向で合わせるよりも、三脚から眺め下ろすように、垂直方向で合わせた方が、精度を出し易い。

 


R200SSのフードを作る の巻

2022-05-27 10:14:59 | 機材

R200SSがBalconのベランダにやってきました。R200SSは、ビクセンのベストセラーのニュートン式反射望遠鏡望遠鏡です。

Vixen 天体望遠鏡 R200SS鏡筒 | ビクセン Vixen

Vixen 天体望遠鏡 R200SS鏡筒 | ビクセン Vixen

株式会社 ビクセン 「Vixen 天体望遠鏡 R200SS鏡筒」ページです。天体望遠鏡、双眼鏡、単眼鏡、フィールドスコープ、顕微鏡、ルーペ、コンパスなど、様々な光学機器製品のご...

ビクセン Vixen

 

Balconが、天文少年時代は、反射望遠鏡は、少年には向いていないと教えられ、天文部も、主力は、五藤光学の15cm屈折赤道儀でしたので、今日のこの日まで、ニュートン反射望遠鏡望遠鏡には触ったことはございません。もちろん、煩わしいと言われている光軸合わせもしたことはありません。

では、どうしてR200SSを入手したかというと、2022年4月から価格改定で値上げされてしまったからなのです。値上げ前の価格で在庫限りで、アイベルさんが販売していたので飛びついてしまいました。

なぜ20cmの反射望遠鏡かというと、Balconが天文少年の頃は、いつかは、8cm屈折赤道儀か、20cmの反射赤道儀を手に入れることがアマチュアの夢だったのです。今なら30cmから60cmの反射望遠鏡を普通に運用しているアマチュア天文愛好家もいますが、あの頃は、いつかは、20cmだったのです。

それ以外の理由としては、、Balconの体力とベランダでの取り回しをを考えると、20cmが限界かと思われます。F4の鏡筒なので、長さは思いの外短い感じです。ベランダのLosmandy GM8赤道儀に載せて、撮影できるように色々パーツを取り付けて、バランスを取ろうとすと、現有のカウンターウェート(3.2kg)では、バランスが取れないことが判明。ウェート(5kg)も新調しました。付属のファインダーの光軸合わせは、xy式なので、あっけないほど簡単でした。

温度順応かかる時間や、東京西部のシーイング(3秒角の揺らぎが普通)を考えると、分解能もそこそこあればいいので、このサイズの鏡筒に落ち着きました。ベストセーラーだけあって、ネットの情報も豊富です。

副鏡の結露対策に屈折式のように簡単に電熱ヒーターを巻くようなことはできないので、まずは、フードを製作することにしました。

フードの土台には、ビクセンの樹脂製フードを購入して、これの外側に緊急用保温ブランケットを貼り付けて、放射冷却による温度低下を防ぐことにしました。

樹脂の放射冷却で失う熱量は、意外と多いらしいです。この記事を参考させていただきました。ありがとうございます。

夜露対策 「一ノ段:冷却防止」

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乾燥剤の面倒から逃れる望遠鏡の夜露対策 にチャレンジ中です。  前回の遠征で 夜露による撮影大惨敗 を喫したからには、その時の体験を対策に活かさない手はありません。...

 

 

内側は、樹脂の表面剥き出しで、ピカピカです。

折角フードですから迷光対策もすることにします。植毛紙をフードの内側に貼るのが定石でしょうが、今回はファインシャットSPというポリウレタンでできたシートを貼ります。植毛紙は、植えた毛が抜け落ちて、ゴミが光学系に付着するのがイヤなので、付けたりハズたりの回数が多いフードでは、耐久性も高そうなポリウレタンシートを採用しました。

厚み極薄0.2mm!内面反射防止シートの定番 ファインシャットSP

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厚みたったの0.2mm!ファインシャットSPは極細発泡の光吸収機構を持つポリウレタンシート。植毛には無い扱いやすさと、赤外までカバーする光吸収特性を両立しています。 レ...

KoPro

 

フードの裏側に、シャインシャットSPを張って同じ角度で撮影するとこんな感じ。ゴミを片付けていないので、お見苦しくて、申し訳ありません。

テカリはだいぶ改善されました。シャインシャットSPの問題点は、植毛紙よりも価格が高いことでしょうか。銀河の近赤外撮影にも効果があるといいなと思っています。

完成した。20cm級反射望遠鏡用フードです。

このフードは、現有の高橋のミューロン180cと共用する予定で、近赤外光フィルターで、銀河をバシバシ撮る予定です。ところが、銀河の季節が終わりそうで、ハラハラしてます。

新しい機材を導入するとなぜか、天の声の主と天気がご機嫌斜めになります。とほほ。


ネットでプレートソルビング の巻

2022-05-17 09:20:49 | 機材

そろそろ梅雨が近づいてきました。天文愛好家にとっては、最悪の季節です。観測は出来ないや、機材のカビの心配もしなければならないやで、踏んだり、蹴ったりです。

仕方がないので、前に撮影した写真を整理しようとすると、何を写したのかわからない画像が出てきたりします。PCがあれば、自前でプレートソルビングして、解決できるのでしょうが、PCでプレートソルビングができる環境を整えるのは、結構大変です。

インターネット上で、気軽にプレートソルビングをやってくれるサイトがあるので、こちらを使ってプレートソルビングをお気楽にやって見ました。サイトのurlは

https://nova.astrometry.net/

です。写真をアップロードするだけで、プレートソルビングをやってアノーティションまでしてくれます。

このサイトのトップページを開くと

こんな感じです。今回は、プレートソルビングの機能をつかいます。上の部分にあるタブのHome Explore Upload ...の並びのUploadをクリックします。

すると、プレートソルビングをするファイルを聞いて来ます。今回は、写真をアップロードしてプレートソルビングをするので、ラジオボタンは、Fileを指定して、Uploadをクリックします。

イメージの形式は、jpeg、gif、png、fitsが使えるようです。

今回アップロードするイメージは、これを使います。

アップロードすると

アップロードすると、イメージ提供ありがとう。通常10分以内で処理するから、待っていてね。というページが出て、次のページに切り替わります。

左下に、提出したイメージが出て、イメージの横に、 Go to results page, ジョブナンバー、 

Processing....と表示されていますが、しばらく待っていると、Processingが、Successに変わって、プレートソルビングが終了します。

Go to results pageをクリニックすると、結果を見ることができます。

アノーティションの入ったイメージと、Caliblrationの項目に、中心の赤径、赤緯、イメージの視角、イメージのオリエンテーション、1ピクセル当たりの視角などのデータが表示されます。下の方には、しし座のお腹当たりを覗いているイメージも表示されています。

記事にすると、大変そうですが、イメージを用意して、アップロードするだけなので、とてもお手軽です。

今回の投稿で、ブログ開設以来、一年の節目を迎えました。一応、一年続けたので、にほんブログ村に参加することにしました。

バーナーを置いたら、レイアウトが大幅に変わってしまいました。前の方が、私の好みだったのですが、とほほ。

 

 

 

 


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