私が好きになる音楽アーティストは、大半が男だった。
女性アーティストを好きになることは、全く無いというわけではなかったが、少なくても「稀」であった。
今でこそ、女性アーテストの音楽もある程度聴くようになったが、十代の頃は、聴くのは男性アーティストの作品に偏っていたといってもいい。
そんな十代の中でも、貴重な例外があった。
この女性アーティストだけは(?)好きだった・・といえる存在がいた。
それが、リリィだった。
なぜりりィが好きだったかというと・・・・はっきりしたきっかけは思い出せないが、おそらく当時好きだった女の子に顔が似ていたせいだ・・と思う。
・・・そう、まず、ルックスから入ってしまったわけだ(笑)。
レコードを買うよりも前に、りりィの本を先に買ってしまったくらいだった。
その本の名前は、確か・・「りりィのおくりもの」というタイトルだったと思う。
中身は、大半がりりィの写真で構成されており、たまにりりィの詩やコラムみたいなものが載っている・・・そんな感じだった。紙質は上等だったが、全体のページ数は少なかった。
次にシングルを友達から安く譲ってもらった。「心が痛い」、そして「私は泣いています」。
良かった。どちらも良かった。
この時、私はルックスだけのファンから、アーティストとしてのりりィのファンになった。
「りりィのおくりもの」という本は、多感な十代の私の心を刺激した。
その本を読んでると、りりィが男と一緒に歩いてる写真を見るとその男性が羨ましく感じ、りりィの歌詩を読むとその曲が聴きたくなり、りりィのコラム(?)を読むと そのコラムに出てきたロックバンドのレコードが聴きたくなり。
オールマンブラザーズバンドの名前を知ったのは、りりィの本を読んで、だ。
りりィはオールマンが好きらしかった。
蛇足だが、オールマンに関していえば、その後私はエリッククラプトンのファンになり、クラプトン経由でもオールマンの名前が出てきて、最終的にはオールマンブラザーズバンドのファンにもなったのだが・・。
で、「りりィのおくりもの」でますます彼女のファンになった私は彼女のライブアルバムを購入した。
これにより、シングル曲以外の彼女の曲をも知ることなった。
やはり良かった。
元々は、当時好きだった女の子に顔が似ていたから好きになっただけだったのに、アーティストとして好きになれたのは、彼女の才能とキャラクターゆえだった。
当時のフォークやロックの女性歌手というと、大きく分けると、いたずらに不良っぽさを全面に出すか、清純派としてやっていくか・・の2通りくらいしかなかったような気がしている。
りりィには、どう考えても清純派ではなかった。
どちらかというと多少不良っぽさの匂いをかすかに感じさせながらも、それを売りにしていなかった。独特の悲哀を感じさせる「孤高の存在」そんな感じだった。深い・・・そんな風に感じた。
そんな点が良かった。
清純派の「嘘くささ」もなく、不良派の「わざとらしいカッコつけ」もない。
だから私は惹かれたのかもしれない。
一般的には「清純派」はフォーク、「不良派」はロック・・そんな風に色分けされて売られていた当時の日本の音楽界では彼女の存在は独特で、それゆえロック歌手扱いされることもあれば、フォーク歌手扱いをされることもあった。
ある意味じゃ、どっちつかずだったともいえるのだが、個人的にはそんなボーダーレスなスタンスに凄く魅力を感じた。
ベースを弾きながら歌う彼女を、「和製スージー・クアトロ」の比喩で表現する人もいたが、スージー・クアトロと彼女では全然違う。
単にベースを弾きながら歌うからといって、和製スージー・クアトロの例えをするのは、あまりにも安直だと思った。
しばらく活躍してた彼女だったが、やがて名前を聞かなくなってしまった。
結婚・育児のため、音楽から離れていたのかもしれない。
りりィは最近また音楽活動をしているらしい。復帰した・・とでもいえるのだろう。
数年前、ある番組に彼女が出ていた。バラエティ番組だったように思う。
当然のことながら彼女は歳をとっており、容姿も年相応になっていた。
そんな彼女の今の容姿を、司会の若手芸人が、オバケのような例えでツッコミを入れていたのだが、非常に不愉快だった。
自分の好きだった女性が年を経てオバサンになったからといって、何も知らない若手にオバケ扱いされたら、誰だって不愉快だろう。
だいいち、今だって十分魅力的だと思う。
今、彼女は女優としても活躍してるらしい。
そういや「私は泣いています」がヒットしてた時、何かのドラマで1シーンだけ出演したことがあった。
確か・・飲み屋のカウンターの片隅で座って、単に泣いているだけのシーンだったような。
その時はセリフは無かったが、今思えば当時から女優業にも大きな関心を持っていたのかもしれない。
再開した音楽活動に関して言えば、今は「LILY-YOJI」というデュオを組んで、地道にやっているようだ。
彼女の声は独特のハスキーボイス。切なさや哀しみなどを表現するにはピカイチの声だ。
それは多感な年代の時に天涯孤独になってしまった、彼女の不幸な境遇も反映されているのだろう。
だからこそ、その声は哀しみや切なさを表現するのに説得力がある。
公式通りの発声やテクニックや器用さだけでは到達できない深みがある。
あんな歌声の持ち主は、そうそういるものではない。
ユーミンや中島みゆきと肩を並べる存在になっていたって不思議ではなかった。
また一発ビッグヒットを飛ばしてもらいたい。
頑張れ、りりィ。
女性アーティストを好きになることは、全く無いというわけではなかったが、少なくても「稀」であった。
今でこそ、女性アーテストの音楽もある程度聴くようになったが、十代の頃は、聴くのは男性アーティストの作品に偏っていたといってもいい。
そんな十代の中でも、貴重な例外があった。
この女性アーティストだけは(?)好きだった・・といえる存在がいた。
それが、リリィだった。
なぜりりィが好きだったかというと・・・・はっきりしたきっかけは思い出せないが、おそらく当時好きだった女の子に顔が似ていたせいだ・・と思う。
・・・そう、まず、ルックスから入ってしまったわけだ(笑)。
レコードを買うよりも前に、りりィの本を先に買ってしまったくらいだった。
その本の名前は、確か・・「りりィのおくりもの」というタイトルだったと思う。
中身は、大半がりりィの写真で構成されており、たまにりりィの詩やコラムみたいなものが載っている・・・そんな感じだった。紙質は上等だったが、全体のページ数は少なかった。
次にシングルを友達から安く譲ってもらった。「心が痛い」、そして「私は泣いています」。
良かった。どちらも良かった。
この時、私はルックスだけのファンから、アーティストとしてのりりィのファンになった。
「りりィのおくりもの」という本は、多感な十代の私の心を刺激した。
その本を読んでると、りりィが男と一緒に歩いてる写真を見るとその男性が羨ましく感じ、りりィの歌詩を読むとその曲が聴きたくなり、りりィのコラム(?)を読むと そのコラムに出てきたロックバンドのレコードが聴きたくなり。
オールマンブラザーズバンドの名前を知ったのは、りりィの本を読んで、だ。
りりィはオールマンが好きらしかった。
蛇足だが、オールマンに関していえば、その後私はエリッククラプトンのファンになり、クラプトン経由でもオールマンの名前が出てきて、最終的にはオールマンブラザーズバンドのファンにもなったのだが・・。
で、「りりィのおくりもの」でますます彼女のファンになった私は彼女のライブアルバムを購入した。
これにより、シングル曲以外の彼女の曲をも知ることなった。
やはり良かった。
元々は、当時好きだった女の子に顔が似ていたから好きになっただけだったのに、アーティストとして好きになれたのは、彼女の才能とキャラクターゆえだった。
当時のフォークやロックの女性歌手というと、大きく分けると、いたずらに不良っぽさを全面に出すか、清純派としてやっていくか・・の2通りくらいしかなかったような気がしている。
りりィには、どう考えても清純派ではなかった。
どちらかというと多少不良っぽさの匂いをかすかに感じさせながらも、それを売りにしていなかった。独特の悲哀を感じさせる「孤高の存在」そんな感じだった。深い・・・そんな風に感じた。
そんな点が良かった。
清純派の「嘘くささ」もなく、不良派の「わざとらしいカッコつけ」もない。
だから私は惹かれたのかもしれない。
一般的には「清純派」はフォーク、「不良派」はロック・・そんな風に色分けされて売られていた当時の日本の音楽界では彼女の存在は独特で、それゆえロック歌手扱いされることもあれば、フォーク歌手扱いをされることもあった。
ある意味じゃ、どっちつかずだったともいえるのだが、個人的にはそんなボーダーレスなスタンスに凄く魅力を感じた。
ベースを弾きながら歌う彼女を、「和製スージー・クアトロ」の比喩で表現する人もいたが、スージー・クアトロと彼女では全然違う。
単にベースを弾きながら歌うからといって、和製スージー・クアトロの例えをするのは、あまりにも安直だと思った。
しばらく活躍してた彼女だったが、やがて名前を聞かなくなってしまった。
結婚・育児のため、音楽から離れていたのかもしれない。
りりィは最近また音楽活動をしているらしい。復帰した・・とでもいえるのだろう。
数年前、ある番組に彼女が出ていた。バラエティ番組だったように思う。
当然のことながら彼女は歳をとっており、容姿も年相応になっていた。
そんな彼女の今の容姿を、司会の若手芸人が、オバケのような例えでツッコミを入れていたのだが、非常に不愉快だった。
自分の好きだった女性が年を経てオバサンになったからといって、何も知らない若手にオバケ扱いされたら、誰だって不愉快だろう。
だいいち、今だって十分魅力的だと思う。
今、彼女は女優としても活躍してるらしい。
そういや「私は泣いています」がヒットしてた時、何かのドラマで1シーンだけ出演したことがあった。
確か・・飲み屋のカウンターの片隅で座って、単に泣いているだけのシーンだったような。
その時はセリフは無かったが、今思えば当時から女優業にも大きな関心を持っていたのかもしれない。
再開した音楽活動に関して言えば、今は「LILY-YOJI」というデュオを組んで、地道にやっているようだ。
彼女の声は独特のハスキーボイス。切なさや哀しみなどを表現するにはピカイチの声だ。
それは多感な年代の時に天涯孤独になってしまった、彼女の不幸な境遇も反映されているのだろう。
だからこそ、その声は哀しみや切なさを表現するのに説得力がある。
公式通りの発声やテクニックや器用さだけでは到達できない深みがある。
あんな歌声の持ち主は、そうそういるものではない。
ユーミンや中島みゆきと肩を並べる存在になっていたって不思議ではなかった。
また一発ビッグヒットを飛ばしてもらいたい。
頑張れ、りりィ。